エンタープライズ:ニュース 2003/03/17 23:25:00 更新


NTTコミュニケーションズ、米EDSと提携してソリューション事業を展開

NTTコミュニケーションズは新事業ビジョン「グローバルIPソリューションカンパニー」を発表した。この実現のため米EDSと提携して、ネットワークマネジメントに関するソリューション事業を展開するという。

 NTTコミュニケーションズは3月17日、都内で記者発表会を開催し、新しい事業ビジョン「グローバルIPソリューションカンパニー」、およびそのビジョンを進める目的で、米エレクトリック・データ・システムズ(EDS)と共同でサービスの開発/顧客への提案を行うために事業提携すると発表した。

 NTTコミュニケーションズ代表取締役社長の鈴木正誠氏によると、同社は2000年度から2002年度まで「グローバルIPカンパニー」との事業ビジョンを掲げ、電話からIPベースの事業への構造転換を行ってきたが、その地盤固めができたという判断のもとで、第2段階として、顧客のIPニーズにあったサービスという点に着目して、サービスの開発と品質の向上を目指す「グローバルIPソリューションカンパニー」という新しいビジョンを目指すという。

(左から)米EDSのダグラス・フレデリック氏、NTTコミュニケーションズの鈴木正誠氏、EDSジャパンの佐伯達之氏

(左から)米EDSのダグラス・フレデリック氏、NTTコミュニケーションズの鈴木正誠氏、EDSジャパンの佐伯達之氏


 この新ビジョン展開の施策は以下の4つ。ユーザーニーズへの最良のサービスを提供するための「ソリューションサービスの展開」、複雑なネットワークやITリソースをワンストップでシームレス/セキュア/シンプルに管理する「ネットワークマネジメントの展開」、安全/安心なネット利用に向けた「セキュリティサービスの展開」、国内外のシームレスなサービスに向けた「グローバル事業の展開」、としている。

 今回発表した米EDSとの業務提携は、新事業ビジョン実現のため、「できるだけ時間を節約し、実力を早く付けたい」(鈴木氏)という狙いのもとで結ばれた。EDSが持つグローバルなブランド力とネットワークマネジメントというサービスプラットフォームにおいて大きな知見を持っていることが魅力となったという。

「NTTコミュニケーションズが持つネットワークの力と、EDSのソリューションを組み合わせて、グローバルに営業を行い、新しい事業ビジョンの達成を目指す」(鈴木氏)としている。

 発表会に同席した米EDSのエグゼクティブバイスプレジデント兼オペレーションズソリューションズ部門プレジデントのダグラス・フレデリック氏は「日本は世界第2の経済大国でありEDSにとっての位置づけは非常に重要だ。17年間日本でマルチナショナルな企業をサポートしてきたが、日本のIT市場も変化し、アウトソーシングが受け入れられやすい環境になった」と、今回の提携の背景理由を述べた。

 フレデリック氏はまた「企業は経営の効率化・コスト削減のためにIT業界にその手助けをしてほしいと求めてきている。バックオフィスからデスクトップまでサポートするEDSに対抗できる企業は存在しない。日本市場はEDSにとって大きな可能性を秘めている」と自信を見せた。

 EDSジャパンの代表取締役社長である佐伯達之氏は「(2002年6月の)就任以来、何とか日本で信頼されているグローバルな企業と協力できないかと考えてきた。(NTTコミュニケーションズと)すばらしいパートナーシップができてこんなにうれしいことはない。日本のアウトソーシング市場に、正しい競争のあるマーケットを提供できるきっかけになると考えている」と語った。差益氏によれば、すでにユーティリティセンターなど、3つのアウトソーシングプロジェクトが進んでいるという。

「NTTコミュニケーションズとEDSは主にネットワークマネジメント分野に関してソリューションを提供していく。NTTデータとNTTコミュニケーションズでは、それぞれ顧客層、顧客基盤が異なっておりビジネスの衝突は起きない。NTTコミュニケーションズはこれまでこういう(ソリューション事業)分野を持っていなかったので、機会を失ってきたのではないかと考えている」(鈴木氏)

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[佐々木千之,ITmedia]