| エンタープライズ:ニュース | 2003/05/19 20:14:00 更新 |

日本オラクルがOracle9iASで価格破壊、BEAを標的にした乗り換えプログラムも発表
日本オラクルがIBMやBEAの同等製品と比較して価格を1/3に抑えたOracle9iAS Java Editionを出荷し、アプリケーションサーバの価格破壊を狙う。BEAシステムズを標的にした「WebLogic Switch & Save Program」も用意し、当面のライバルへ宣戦布告した。
日本オラクルは5月19日、インターネットコンピューティングの中核を担うJ2EEアプリケーションサーバ、「Oracle9i Application Server」(Oracle9iAS)の新戦略を発表した。
都内で行われた記者発表会で新宅正明社長は、「アプリケーションサーバは、テクノロジー製品が成功するためには極めて重要な要素のひとつ。また、ピュアなJava世界の拡大に貢献することは、マイクロソフトへの対抗上、重要だ」と話す。
この日に出荷が開始された「Oracle9iAS Java Edition」は、現行のOracle9iAS Standard Editionからポータル機能などは省かれているものの、価格を62万5000円に抑えたのが特徴。ライバルであるIBMやBEAシステムズの同等製品と比較して1/3だ。既に米国では3月末に出荷が始まっている。
Java統合開発環境である「Oracle9i JDeveloper」が同梱されたのも新しい。技術者育成プログラムの強化やパッケージアプリケーションベンダーを対象とした組み込みライセンスの無償提供なども同時に発表され、2005年6月から始まる同社の2006会計年度には日本市場におけるシェアトップを目指すという。
「Oracle9iAS Java Editionは、BEAからシェアを奪う強力なツールになる」とし、新宅氏は当面のターゲットも明確に宣言した。
さらにBEA WebLogicユーザーが保守契約を日本オラクルに切り替えれば、Oracle9iAS Java Editionライセンスを無償で提供するという8月末までの期間限定プログラム、「WebLogic Switch & Save Program」も用意し、ライバルへの宣戦布告に近い。WebLogicユーザーの多くは、データベースとしてOracle9iを採用していることから、同プログラムでは、20日間の移行コンサルティングも無償で提供されるという。
「次期バージョンのOracle9i製品では、データベースとアプリケーションサーバの統合がさらに進む」と話すのは、日本オラクル専務執行役員の山元賢治氏。顧客の情報資産を守るというOracle9i Databaseの強みを最大限に生かせば、国内市場シェアを25%まで引き上げ、首位に立つことは可能だという。
「トップガン」という勇ましいプログラムも既に始まっている。2日間のハンズオントレーニングを無償で提供するもので、既に1000名のOracle9iAS技術者が育成されており、8月末までには3000名に引き上げるのが目標。認定資格に「Oracle Master Gold 9iAS」も追加され、5月24日にはその最初の試験が始まる。初年度の合格者数の目標は5000名という。
なお、日本独自の取り組みとして、Oracle9iAS Java Edition for Windows/Linuxのリテールパッケージ(13万2000円)も用意され、全国のパソコンショップやオンラインショップで購入できるようにするという。
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[浅井英二,ITmedia]
