| エンタープライズ：ニュース | 2003/05/22 03:25:00 更新 |
LinuxWorld Expoレポート、Itanium 2搭載ブレードが介すソリューションが多数
2003年で5回目となる「LinuxWorld Expo/Tokyo 2003」。基幹での利用が進むLinuxの現状と、今後の移行を垣間見られるカンファレンスとして国内最大規模のもの。年々賛同するベンダーが増え、2003年度は昨年比1.3倍の45社となっている。
会場レポート「LinuxWorld Expoレポート、ハードベンダーでもソリューション出品がスタンダードに」と合わせ、5月21〜23日まで開催中の「LinuxWorld Expo/Tokyo 2003」の模様をお送りしよう。
ブースを回りいちばんに感じる点は、従来からのベンダーイメージで出品内容を想像していても、ソフトが組み合わせられたソリューション展示が多いことだ。比較的ハードウェア出展に徹しているのは、デルコンピュータだけかもしれない。
ほかには、Itanium 2搭載のラックマウントサーバが目立つ。基幹での利用ではいっそうのCPUパフォーマンスが要求されるのは想像に難しくない。また、Pentium 4といったキーワードも少なく、主にクライアントデスクトップ向けのソリューションについても、エッジ以外ほぼ皆無といえる。エンタープライズに特化されていることが強く感じられる2003年度のカンファレンスとなった。
ソリューションとNetCOBOLを発表する「富士通」
富士通ブースでは、次世代COBOL開発環境と題された「NetCOBOL」のデモなどが行われていた。NetCOBOLは、既存のCOBOLで培われた実績を基に、WebアプリケーションとWebサービス、XMLと協調され処理スピードアップが掲げられている製品展開。
ほかにも、PRIMERGY（高クロックなプロセッサを採用）＋Red Hat Linux 9＋Oracle 9i＋ETERNUS（ストレージシステム）が組み合わせられた「Oracle9i RACソリューション」、データウェアハウスが活用される「インテリジェンスソリューション」や、「オープンソースソフトウェアとの連携」と題されたPostgreSQLとTomcatを利用するミドルウェアとオープンソース融合が強調されたソリューションなどが展示されていた。
事例紹介とサポート体制を掲げる「デルコンピュータ」
デルコンピュータでは、1Uサーバ「PowerEdge」シリーズで構成されるツタヤ・オンラインでの採用事例を始め、法人向けとして提供されているワークステーション「Precision Workstation on Linux」の展示が行われている。
ハードウェアに重みを置く「HP」
日本ヒューレット・パッカード（以下、HP）ブースでは、ブース正面でワールドワイドのLinuxサーバ出荷数をさりげなくNo.1だと掲げている。ブース内では、「ビジネス」、「サービス」、「パートナー」、「HA」、「サイエンス」とテーマづけられた分類がされており、それぞれには「ビジネス」に「BEA WebLogic Platform on Linux」（関連記事）のソリューションを、「パートナー」では菱洋エレクトロ、横河レンタリースなどから出展されている。「サイエンス」では、64ビットAlphaプロセッサ搭載のサーバが展示されており、参考出品ながら今後はRed Hat LinuxのAlpha版搭載を予定、とコメントされている。
ベンダーネイティブなX対応ドライバを提供する「沖データ」
周辺機器ベンダーとしては沖データが唯一、比較的大きなブースを構えている。同社からは、ポストスクリプト搭載のA3ノビ対応カラーレーザープリンタ「MICROLINE 1035PS」、比較的低価格な同A4対応の「MICROLINE 5300」などが出品されている。
プリンタ自体がメインの出品ではなく、同製品をサポートするX Window System上でウィンドウベースの「ネイティブプリンタドライバ」の披露にある。従来までのX Window上のプリンタサポートといえば、Red Hat Linuxであれば「redhat-config-printer-gui」が挙げられるが、プリンタベンダーの先行するLinux対応として注目したい。メーカー独自開発によるサポートのため、プリンタの機能が隅々まで利用できる点にredhat-config-printer-guiとの相違点がある。
[木田佳克，ITmedia]
