エンタープライズ:インタビュー 2003/06/10 20:37:00 更新


Interview:「PeopleSoftとの合併は顧客の選択肢を広げるもの」デュカウスキーCEO

「QUEST GLOBAL 2003」で9日に行われたデュカウスキーCEOと記者団とのインタビューでは、PeopleSoftとの合併で製品やサービスはどうなるのか、顧客に対する影響は、といった点に質問が集中した。

 コロラド州デンバーで6月9日に開幕した、J.D.Edwardsの年次カンファレンス「QUEST GLOBAL 2003」において、会長兼社長兼CEOのロバート・デュカウスキー氏とプレスとのグループインタビューの場が設けられた。質問の多くがPeopleSoftとの合併で製品やサービスはどうなるのか、顧客に対する影響は、といった点に集中した。


記者 PeopleSoftとの合併に当たって、現在の製品はどのようになり、J.D.Edwardsの顧客にはどのような影響があるのでしょうか。

デュカウスキー 10日のゼネラルセッションで、PeopleSoftのコンウェイCEOがビデオで登場して今後の製品がどうなっていくかを詳しく話してくれると思いますが、合併後我々は3つの製品群を持つことになります。

 製品の名前はまだ決まっていないのですが、仮にそう呼ぶとすると、1つめは「PeopleSoft Enterprise」というハイエンド製品になります。2つ目は「PeopleSoft Midmarket」、これは基本的に「J.D.Edwards 5」になります。そして3つめがAS/400システム向け製品「WorldSoftware」です。これらの製品サポートは継続されます。無理矢理にPeopleSoft製品に移行させるようなことはしません。

ロバート・デュカウスキーCEO

ロバート・デュカウスキーCEO


 OracleがPeopleSoftに買収を持ちかけていますが、PeopleSoftによればOracleはPeopleSoftの製品開発・販売を中止し、Oracle製品に移行させようとしています。これではPeopleSoftの顧客はパニックになり、途方に暮れてしまいます。

 我々は製品を存続させるとともに、ユーザーが別の製品に移行しやすいような機能を用意します。移行するかどうかは顧客の選択次第です。これもコンウェイCEOが話すと思いますが、Oracleの計画と我々の計画はまったく違います。

記者 PeopleSoftとの合併によって、J.D.Edwardsの顧客サービスに変化はあるのでしょうか。

デュカウスキー J.D.Edwardsは24時間365日のサポート、サービスプラクティスのコンサルティングなどを提供していますが、これらは合併によって一層強力なものになります。私は合併後は、顧客により多くの選択肢、より多くのオプション、より多くの機能を提供できるようになると考えています。

 J.D.EdwardsとPeopleSoftそれぞれの顧客が、現在持っている製品への要望は、両社の合併によって製品ラインアップが増えることで、一気に満たされると考えています。より多くの価値を提供できるようになるからです。

記者 合併はパートナーとの関係にどのような影響を与えるでしょうか。

デュカウスキー J.D.EdwardsとPeopleSoftは長年IBMとの間で戦略的パートナーシップを結んでいます。この2つのパートナーシップが合わさることでさらに強化されるでしょう。またPeopleSoftは、J.D.Edwardsのチャネル戦略に大きな関心を寄せています。J.D.Edwardsはチャネルパートナーを通じてかなりの製品を売り上げていますが、PeopleSoftはチャネルパートナーとうまくマネージメントしていくという知識やスキルを持っていません。長い目で見た場合、両社がパートナー戦略を同じくし、することは、業界のメジャーなパートナーとの関係をより深め、顧客のマーケットにおける機会を広げるという点において正しいことだと思います。

記者 日本の顧客に対してコメントをいただけますか?

デュカウスキー J.D.EdwardsとPeopleSoftの合併によって、これまでよりもずっとうまくやっていけると思います。我々の製品やサービスは、日本市場において非常に大きなビジネスチャンスがあります。ただ、J.D.EdwardsもPeopleSoftも日本市場において、相対的に見れば新参者です。J.D.Edwardsが日本に進出して10〜12年くらいにしかなりません。コンウェイCEOも日本が重要な市場であるということでは、同じ意見です。

 我々は日本の顧客に、ほかのいかなるアプリケーションプロバイダーも提供できない優れたソリューションを提供できます。日本の皆さん、自社のビジネスの競争力を高めたいと思ったら、J.D.Edwardsを呼んでください。チャンスをください。けっして失望はさせません。

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[佐々木千之,ITmedia]