エンタープライズ:ニュース 2003/06/11 16:58:00 更新


Microsoftブランドのウイルス対策ソフト登場に、アンチウイルス会社ビッグ5の反応は?

Microsoftウイルス対策ソフト会社買収で激震のアンチウイルス業界だが、同社から事前にブリーフィングを受けていたビッグ5は意外に冷静だ。しかし、アナリストはMicrosoftの優位性を指摘する。(IDG)

 大手アンチウイルスベンダーらは、Microsoftが6月10日にRomaniaからGeCAD Software Srlを取得し、同社ブランドのアンチウイルス製品として提供すると発表したことに対し、慎重ながらも楽観的な反応を示した。

 アンチウイルス・ソフトウェア・ベンダーのビッグ5であるSymantec、Network Associates、Trend Micro、Computer Associates International、Sophosは、Microsoftの動きはウイルスと戦うことがサイバーセキュリティの鍵だということを同社が認めたということだと見ている。

 しかし、これらのベンダーはアンチウイルス技術を使うだけでオンラインが安全になるわけではないとも強調している。もしもMicrosoftが基本的なウイルス対策市場で大手に成長すれば、侵入探知、ファイアーウォール、セキュリティ管理アプリケーションといった重要な追加ソフトウェアの販売をめぐる勝負がこれらのベンダー間で繰り広げられることになるだろうと、彼ら自身、認識している。

 「われわれはこの買収が何を意味しているのか、完全に理解しておく必要がある」と市場リーダーであるSymantecの広報担当であるジュヌビエーブ・ハルデマン氏。「顧客はMicrosoft製OSについても、他のOSについても、総合的な危険防止策として独立系セキュリティ会社を頼りにしてくれると信じている」とハルデマン氏は語る。

 Computer AssociatesはMicrosoftの動きを「単純なアンチウイルス世界における、進化の第2ステップ」(同社セキュリティ戦略担当者、イアン・ハメロフ氏)と見る。しかし、アンチウイルスはトータルなセキュリティ戦略の一部分に過ぎず、Computer Associatesはほかの部分も販売している、と同氏は述べている。

 Microsoftはこの買収により、将来の競争相手になるわけだが、ウイルス対策ソフトウェアベンダーにとっては重要なパートナーでもある。ウイルスに対してトラップをしかけるには、MicrosoftのAPIにアクセスできなければならない。

 「Microsoftは依然としてわれわれの協力者だと考えている」とNetwork Associatesのジーン・ホッジズ社長は語る。

 APIへのアクセスを禁止するようなことをMicrosoftがすれば、顧客は怒りまくるだろうとホッジズ氏。「Microsoftがそのようなことをするとは思えない。Microsoftは自己利益に従い作業するだろうし、その自己利益に従えば、他のベンダーによるアクセスを認めるだろう」と同氏。

 Trend MicroはMicrosoftによるGeCAD技術の取得は、MicrosoftのTrustworthy Computingイニシアチブにおいて必要なものだと見ていると、発表の中で述べている。

 Microsoftは買収の件を公表する前にアンチウイルスベンダーに対するブリーフィングを行っており、否定的な反応が出ないように根回しをしたものと考えられる。Windowsにアンチウイルスソフトをバンドルするとなると、この競合市場は劇的に変化することになり、ウイルス対策ソフトがメインでない企業ですら、Netscapeがたどったシナリオをなぞる可能性がある。MicrosoftがInternet ExplorerをWindowsにバンドルしたことで、Netscapeのウェブブラウザは失速していった。

 「Microsoftが(ウイルス対策ソフトを)Windowsにバンドルすれば、状況は大きく変わるだろう」とホッジズ氏。

 Microsoftによれば、同社ではウイルス対策ソフトをWindowsや他の製品の一部として無償で提供することはなく、有料で販売するという。同社はウイルス対策ソフトの製品プランの詳細、時期や買収の具体的内容について明らかにしていない。

 このニュースには驚ろかないが、Microsoftはアンチウイルスソフトを自社製品向けに開発するに当たって技術的に大きな優位性を持つと、アナリストらは指摘する。

 「Microsoftは強力な優位性を持つ競争相手だ」とForrester Researchのアナリスト、ジャン・サングレン氏は話す。「バンドルしてしまえば、無料でついてくるわけだから、顧客は他の製品を買うようなことはせず、これでいいと考えるだろう」と同氏は指摘する。

 市場調査会社Gartnerによる最近の調査レポートによれば、全世界におけるアンチウイルスソフトウェアの市場は2001年に11億ドルの売上高があり、年複利成長率は11%で2006年には18億ドルに達するという。

 Microsoftは自社製品とOSが頻繁にウイルス作者のターゲットとなっていることから、ここ数カ月、ウイルス対策技術に注目していた。

 たとえば5月に同社はNetwork AssociatesとTrend Microとの間でVirus Information Allianceを結成し、Microsoft製品に関するウイルス情報をユーザーに提供し始めた。Microsoftはさらに、次期電子メールサーバのExchange 2003向けにウイルススキャン用APIを開発し、組み込む予定だ。

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[Joris Evers, Paul Roberts,IDG News Service]

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