| エンタープライズ：ニュース | 2003/06/17 22:11:00 更新 |
ネットワーク市場でのプレゼンス拡大を目指す日本HP、新製品を投入
日本ヒューレット・パッカード（HP）は6月17日、ネットワーク製品群「HP ProCurveシリーズ」に新製品を追加した。コストパフォーマンスやサポートなどを武器に、国内市場でのプレゼンス向上を図る。
日本ヒューレット・パッカード（HP）は6月17日、ネットワーク製品群「HP ProCurveシリーズ」に新製品を追加した。代理店を支援するサポート部隊や直販機能の充実と合わせ、国内ネットワーク市場でのプレゼンス向上を図る方針だ。
イーサネットスイッチがこれだけ一般的なものになった昨今、スイッチング性能や機能だけで差別化を図るのは困難になってきた。ともすればポート単価の競争に陥りがちだ。これに対し日本HPでは、コストパフォーマンスの高さという基本線を抑えながら、「アダプティブ・エッジ・アーキテクチャ」に沿ったアプローチと、「ライフタイム保証」に代表される手厚いサポートなどを特徴として打ち出していくという。
このアダプティブ・エッジ・アーキテクチャとは、「コアですべてをコントロールする代わりに、エッジ側にインテリジェンスを持たせ、そこでポリシーの実装とコントロールを行うもの」（同社）。ポリシー配信を自動化することで管理を簡素化し、運用に要するコストを削減できるほか、ネットワーク全体にわたる一元的なセキュリティ、モビリティを実現するという。そして今回リリースされた新製品群はいずれも、アダプティブ・エッジ・アーキテクチャの一環を成すものと位置付けられている。
日本HPによると、現在、国内でのネットワーク製品の売り上げは20億円程度。成熟化にともない困難さが増す市場ではあるが、「ライフタイム保証により、製品を使い続ける限りずっと無料の電話サポートが利用でき、故障時には代替機の翌日発送が行われるほか、ソフトウェアのバージョンアップも基本的には無料で提供される」（同社プロカーブネットワーキングビジネスマネージャの小川裕康氏）というサポート内容やTCOの低さを武器に、「3年以内に100億円のビジネスを目指す」という。
無線LANのセキュリティとローミングを両立
新製品はいずれも企業ネットワークをターゲットとしたものだ。このうち「HP ProCurve Switch 2626」は、有線LAN向けのコンパクトなレイヤ2スイッチで、24ポートの10BASE-T/100BASE-TXと2ポートのギガビットイーサネット（10/100/1000BASE-Tもしくはmini-GBICスロット）を搭載できる。価格は19万2000円だ。
一方「HP ProCurve Secure Access 700wlシリーズ」は、無線LAN環境の制御を念頭に置いた製品群だ。既に幾つか登場してきているワイヤレス・スイッチ製品の一種と言えるだろう。
同シリーズは、ネットワークエッジで無線LANのアクセスポイントを収容し、さまざまなコントロールを行う「Access Controller 720wl」と、コアネットワーク側に配置され、720wlと連携しながらユーザー管理を行う「Access Control Server 740wl」、それに720wlと740wlの機能を兼ね備えた「Integrated Access Manager 760wl」の3機種から構成されている。
これらの製品を活用すれば、アクセスポイントの機種や性能に関係なく、企業ネットワーク全体としてユーザーを認証し、アクセスポイント間でローミングを実現しながら適切なポリシーを適用させることが可能という。802.1xベースの認証が可能なほか、「Virtual Lobby」機能を利用すれば、一時的に無線LANを利用するゲスト向けに、単純なWebベースの認証を行うことも可能だ。このVirtual Lobbyを利用すれば、同じ無線LAN環境を用いながら、正式な認証を経たユーザーとは別のVLANにアクセスを振り分けることができる。
価格はAccess Controller 720wlが120万円から、同740wlは180万円から、同760wlは240万円から。10月1日に出荷が開始される予定だ。ただ当面これらの製品は、ライフタイム保証のサポート外になるという。
日本HPでは他にも、マルチベンダー環境におけるVoIPサポートやIEEE802.3af準拠のPoE（Power over Ethernet）機能のサポートなど、引き続き機能の拡充を図っていくという。
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日本ヒューレット・パッカード[高橋睦美，ITmedia]
