エンタープライズ:ニュース 2003/06/27 22:07:00 更新


LANDesk Management Suiteは資産管理ツール兼セキュリティ支援ツールに

先日リリースされたLANDesk Management Suiteの新バージョンは、これまで提供してきたクライアント管理機能だけでなく、企業のリスク管理を支援するための新機能をサポートしている。

「これまではセキュリティというと、ウイルス対策に代表されるように、とかく外からの攻撃から自社システムをいかに守るかという話になりがちだった。しかしこれから取り組むべきは、内側から外側に出て行くものを適切に管理することだ」――LANDesk Softwareの代表取締役を務める井手龍彦氏はこのように述べる。

井手龍彦氏

「もっと内側のセキュリティやリスク管理に気を配るべき」と述べた井手氏

 同社は先日、クライアントPCやサーバなどの情報資産を一元的に管理するためのツール「LANDesk Management Suite」の新バージョンをリリースした。今年初めに続く、速いペースでのリリースだ。

 このバージョン7.0では、本来許可されていないアプリケーションのインストールや起動を監視し、実行を強制的にブロックするソフトウェアライセンス監視機能がサポートされた。さらにOSの配布機能が強化され、ソフトウェア本体だけでなくユーザー個々の設定データまでも移行できるようになった。またMacintoshがサポートされたこともポイントだ。

 LANDesk Management Suiteはこれまで、各種インベントリやソフトウェアを含めたクライアントPC管理とソフトウェアの配布、ヘルプデスク機能を提供する資産管理ツールと捉えられることが多かった。しかし今後は、セキュリティ対策とリスク管理を支援するツールとしての意味合いを強めていくという。

 最も分かりやすいのは、そのソフトウェア配布機能だ。これまで多くの企業が、パッチが公開されたにも関わらず脆弱性の残ったままのOSやアプリケーションを使い続けた結果、ウイルスや不正アクセスの被害にあってきた。それを防ぐには、適宜パッチや修正プログラム、最新のウイルス定義ファイルを適用する必要がある。LANDesk Management Suiteはまさに、こうした作業を少ない労力で、一元的に実行するためのツールと表現できる。

 「さまざまな情報を見ていると、OSなどのセキュリティホールは週に1回、ウイルスともなれば2〜3日に1回のペースで発見されている。こうした状況では、パッチや定義ファイルの適用をクライアントに任せきりにすることはできない」(井手氏)。

 LANDesk Management Suiteは、各種資産管理によってリスク管理の元となる現状把握を行うとともに、パッチなどの配布・適用状況を管理することでセキュリティ対策を強力に支援できると同氏は言う。それも、「その両方を同じインタフェースで提供し、しかも既存のネットワーク構成に影響を与えない」(井手氏)ことが特徴という。最近ではマイクロソフトも、パッチの効果的かつ確実な適用を支援するためのサーバ製品をリリースしているが、「異機種混合環境で配布作業を行える点がLANDesk Management Suiteの特徴。むしろ補完し合える関係になると考えている」と言う。

 新機能のソフトウェアライセンス監視だが、これは従来とは大きく異なる考え方に沿って実現されたものだ。つまり、「同時使用」の監視から、「インストールベース」の監視へと切り替えたという。

 この機能では、システム内のソフトウェアの利用状況を正確に記録できる。つまり、どのマシンがいつ、どのくらいの時間アプリケーションを利用したかといった情報を記録し、ライセンス違反が発生していないか、また逆に必要以上に多くのライセンスを購入していないかなどをチェックできる。

 だが最大の特徴は、アプリケーションの実行拒否が可能なことだろう。本来企業ネットワークでは動作が許されないようなアプリケーションを自動的に検出し、管理者側で停止させることができる。

 こうした機能を搭載した理由を井手氏は次のように説明する。「顧客を訪ねると行く先々で、P2P型のアプリケーションである日突然ネットワーク容量がいっぱいになり、システムが停止に至るといったトラブルの話を聞いた。こうしたアプリケーションでは、発信元を突き止めるまでに時間がかかる。もしその間、システムがずっと止まるとなれば、それは大きなビジネスリスクと言える」。そしてこうしたリスクをヘッジするためにも、性悪説に立ち、外から中に向けての動きだけでなく中から外に向かう流れを監視し、万一に備えて記録をきちんと残しておくべきだと言う。

 LANDesk Management Suite v7.0の価格は、10クライアント版が19万円から。8月より販売が開始される予定だ。

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[高橋睦美,ITmedia]