エンタープライズ:特集 2003/07/18 17:54:00 更新

Microsoft Office Systemアプリケーションレビュー
第1回 Microsoft Office Systemの全体像

新しいOfficeの正式な製品名は、Microsoft Office 2003だが、それとともに「Microsoft Office System」という言葉を見聞きする機会も増えてきた。マイクロソフトはこの言葉を、いったいどのように定義しているのだろうか。

 今秋、新しいOfficeが登場する。すでに、Webや雑誌上にはさまざまな情報が出ているが、新しいOfficeの全貌を正確につかんでいるユーザーは、はたしてどれほどいるだろう。大半のユーザーは、新しいOfficeのイメージをつかみ切れていないのではないだろうか? 名前が示すとおり「システム」へと進化したOfficeだが、システムを構成する個々のパーツ、つまり我々がよく知っているはずのWordやExcelの輪郭はいまひとつはっきりしてこない。そこで、本特集では各パーツ、つまりWordやExcel、PowerPointといった個々のアプリケーションソフトにフォーカスし、その輪郭を少し強引に描いてみようと思う。遠回りのようでいて、案外それが、今度のOfficeを知る近道かもしれない。

Office Systemの全体像とは

 とはいえ、まずは新しいOfficeがどのような全体像をもっているのかという説明が必要だろう。図1はOfficeの全体像を示したもの。ご覧のように、「Microsoft Office System」という言葉は、WordやExcelだけではなく、新しく登場するアプリケーションのOneNoteやInfoPath、サーバサイドで動作する共同作業(コラボレーション)のためのWindows SharePoint Services(WSS)やSharePoint PotalServer 2003(SPS)なども含めた上位概念を指す。さらに言えば、WSSやSPSはWindows Server 2003を前提としているから、図1の最下段にはWindows Server 2003も控えていることになる。

Microsoft Office System

図1■Microsoft Office Systemは、Office 2003を中核として、さまざまなサーバ製品やサービスから構成された有機的なプラットフォームだ。


 図1の左上に位置するのが「Microsoft Office 2003」だ。ここにはWord、Excel、PowerPointなどおなじみのデスクトップアプリが含まれる。「Office」という言葉で多くのユーザーがイメージする像がココだ。「今度のOfficeはどうよ?」と聞かれたとき、聞く側の意識は図1の左上にある。一方、説明する側は、図1の左上でないところを力説しようとするから話がややこしくなる。全体像がぼやけて見える原因は、そんなところではないか。

 本特集でも、扱うのは「Microsoft Office System」、つまり図1のすべてだ。まずはWordやExcelなど、左上のとっつきやすいところから1つ1つチェックしていく予定だが、「木を見て森を見ず」にならないよう、ここではもう少し全体のイメージを固めておこう。

キーワードは「XML」「コラボレーション」「インフォメーションワーカー」

 新しいOfficeを理解するキーワードとして、「XML」「コラボレーション」「インフォメーションワーカー」の3つをあげたい。これらを順に解説していこう。

 Office2003では、各アプリケーションが密に連携しながら1つのシステムとして動作する。XMLは、このシステムを循環するいわば血液のような存在だ。Excelで作ったテーブルをWSSの共有ドキュメントとして保存し、それをWordの文書中に取り込んで利用する。あるいは、InfoPathで作ったフォームで情報を収集し、Excelに落とし込んで分析し、FrontPageで編集してWebサイトにアップする……等々。

 こういったシナリオを描くには、情報がシステム内をスムーズに流れることが大前提だ。そこで、汎用性の高いデータ形式であるXMLが登場するというわけだ。ここで言う「システム」は、もちろんMicrosoft Office Systemを意味するが、同時に業務システム、ビジネスプロセス、社外パートナーとのシステム連携など、企業内・外のより広い意味の「システム」も含まれることとなる。

 第二のキーワードはコラボレーションだ。ポイントとなるのは、Windows SharePoint Services(WSS)およびWindows SharePoint Potal Server 2003(SPS)というソフトウェアだ。WSSはいわゆるWebベースのグループウェア。お知らせ、掲示板、ToDoなど、グループの共同作業をサポートする。SPSは企業内に複数存在するWSSを束ね、より大きい企業ポータルWebを構築するツールだ。

 新しいOfficeでは、作業ウィンドウを介してWSS/SPSを利用する機能が提供される。作ったドキュメントを作業ウィンドウを介してWSSの共有エリアに保存したり、作業ウィンドウから他のWSSのメンバーに直接メッセージを送ったりといったことができる。

 さて、XMLとコラボレーションの2つを解説したが、この2つを支える土台として「Windows Server 2003」が存在する。つまり、XMLという血液を循環させる心臓、コラボレーションを可能にする頭脳がWindows Server 2003というわけだ。

 最後のキーワードがインフォメーションワーカーだ。マイクロソフトの説明によれば、「情報を収集し、それを適切な形に加工するとともに共有化し、高い付加価値を持った成果を生み出すユーザー」ということになる。何だか分かったような分からないような説明だが、要するに、新しいOfficeのターゲットユーザーをイメージしやすくするため、マイクロソフトが用意した言葉だと思えばよい。より簡単に言えば、コンピュータを利用して情報の操作を行っている人としてもよいだろう。イメージできるかどうかは別として、とりあえず自分がインフォメーションワーカーだと思ったら、以降の記事を参考にしてほしい。少なくとも、新しいOfficeをイメージする助けにはなるだろう。

Microsoft Office 2003

Microsoft Office Word2003

日本語ワードプロセッサ。閲覧モードなどの新機能を用意。ワープロとしてはWord2002から大きな変化はない。

Microsoft Office Excel2003 表計算ソフト。XMLへの対応を強化。
Microsoft Office Outlook2003 予定表、連絡先なども管理できる電子メールソフト。画面デザインの変更、ジャンクメールへの対応など、今回のバージョンアップでは最も強化されたアプリの1つ。
Microsoft Office PowerPoint2003 プレゼンテーションソフト。ビューアやスライドショー機能の強化、プレゼンテーションパックによるCDへの保存など。
Microsoft Office Access2003

データベースソフト。XMLのインポート/エクスポート機能の拡張、SharePoint Servicesとの統合など。

IME2003

日本語入力・変換プログラム。拡大可能になった候補リスト、ナチュラルインプットの強化、最新辞書の搭載など。

 

Microsoft Office InfoPath2003 新アプリケーション。Microsoft Office Systemの情報を収集・管理するプログラム。動的フォームの作成、フォームへの入力、およびXML対応システムとビジネスプロセスへのフォームの送信という3つの主要な機能を持つ。
Microsoft Office OneNote2003 新アプリケーション。TabletPCで真価を発揮する新しいアプリケーション。手書きメモをデータベース化できる。ワープロ、メモ帳、アイデアプロセッサ、データベースなどの特徴を併せ持つ新種。
Microsoft Office FrontPage2003 ホームページ作成・Webサイト構築ソフト。HTMLエディタおよびサイト管理機能のいずれも大幅に強化。
Microsoft Office Publisher2003 プロレベルのマーケティング資料や書類等を作成できるデスクトップパブリッシングソフト。
Microsoft Office Visio2003 ビジネスおよび技術ダイアグラム作成プログラム。これまでは開発・設計部門での利用が多かったが、テンプレートの拡充など、一般ビジネスユーザーへの浸透をねらった機能強化が図られた。
Microsoft Office Project2003 プロジェクト管理ソフト。プロジェクトの進捗管理、コスト管理、メンバー管理などを一元管理する。

補完的な製品

Microsoft Windows SharePoint Services(WSS)
従来のSharePoint Team Servicesの後継。Webサイト上でお知らせ、掲示板、文書共有などを実現。Officeアプリの作業ウィンドウとも連携する。
Microsoft Office SharePoint Portal Server 2003(SPS) SharePoint Servicesの上位に位置し、SharePoint Servicesによって作られたサイトを集約してポータルサイトを構築する。
Microsoft Windows Server 2003 SharePoint Services、SharePoint Potal Server 2003を動作させるのに必要。
Microsoft Exchange Server 2003 Outlook 2003のExchangeキャッシュモードを利用したり、SharePoint Services、SharePoint Potal Server 2003のメール機能に必要。

 

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[井上健語, 池田利夫(ジャムハウス),ITmedia]



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