エンタープライズ:特集 2003/07/18 11:58:00 更新
C Magazine

[C Magazine連載]プログラムのレシピ(第1回)
デスクトップメモを作る (2/9)

C MAGAZINE 2002年9月号より転載

どんな機能を作るか
 ソフトウェアの世界には、数多くのメモ書きツールや予定管理ツールがあります。まずはいくつかのツールを使って、「このツールのこの機能はいい」とか「このツールのここが不満だ」といったように研究してみるといいでしょう。

 今回作るデスクトップメモは、次のようなコンセプトで作ることにしました。

●すぐ書けて、見やすい

 今回のツールの用途は、メモと簡単な予定管理です。実物のメモのいいところは、簡単に書けて、目立つところに置けて(あるいは貼れて)、用が済んだら捨てられることです。メモソフトウェアも同じ感覚で使いたいものです。

 そこで今回は、デスクトップ上に小さなメモをいくつも貼るタイプにします。個々のメモは独立したウィンドウなので、自由に配置が変えられて便利です。ちょうど、ディスプレイの中に付箋を貼る感覚ですね。また、タスクトレイにアプリケーションのアイコンを配置して、そこからポップアップメニューで新しいメモを作れるようにしましょう。

 メモの編集は、メモを直接クリックすれば内容が書き込めるようなユーザインタフェイスにします。同種のソフトの中には、メモは表示だけで、内容は別ダイアログを開いて編集する方式のものもあります。好みによりますが、個人的には直接内容を書き込めたほうが使いやすく思えます。

●見た目が楽しい

 「使っていて楽しい」ことも、よい道具の条件です。シンプルなメモもいいのですが、どうせなら見た目も楽しくしましょう。

 今回のメモでは、メモのタブ(「耳」というか「つまみ」というか、端の部分のことです)に好きな絵を使えるようにします。サンプルでは動物の絵を用意しましたが、何でもお好みの絵柄に変えられます。

 何種類かのタブを混ぜて使うこともできるようにします。これは見た目の楽しさだけではなくて、仕事/家事/遊びといった目的別にタブを分ければ、メモの分類にも役立ちます。

 ところで実物のメモにも非常に凝った絵柄のものがありますが、もったいなくて使えないってことはありませんか? その点もこのデスクトップメモなら心配ご無用です(←貧乏性)。

●日程管理ができる

 メモに予定を書いてただ貼っておいても、目を通さなければ意味がありません。でもメモがたくさんあると、結局毎日すべてのメモをチェックしなければならなくなって、手間がかかりますね。

 そこで今回のメモには、簡単な日程管理機能をつけました。これはメモの中に日付を書いておくと、その前日または当日に知らせてくれるというものです。

 日付は、メモの文章の中に「8月18日」や「8/18」といった形式で直接書き込むことにします。日付入力用のテキストボックスを用意するのも悪くないのですが、手軽さが損なわれるのでやめました。メモに日付入力部分を追加すると見た目もごたごたしますし、文章の入力スペースも狭くなりますから。

 予定の通知は、タブの絵を変化させることで行います。「通常状態」と「アクティブ状態」の2種類の絵を用意しておいて、予定の前日または当日には「アクティブ状態」に自動的に変化させることにしましょう。

[C Magazine連載]プログラムのレシピ(第1回)
(1)連載のはじめに
(2)どんな機能を作るか
(3)作成のポイント
(4)タスクトレイの操作
(5)メモの作成と表示
(6)メモデータの保存と読み込み
(7)タブ画像の選択
(8)日程管理機能
(9)まとめ
・実行ファイル/リソース一式(.lzh形式/1.32MB)
・リスト(.lzh形式/5.45KB)

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