エンタープライズ:ニュース 2003/07/31 06:18:00 更新


生まれ変わった「ZENWorks 6」スイートはポリシーベースのリソース管理が特徴

ノベルは、ディレクトリサービスと連携しながら、PCやサーバ、PDAなど、企業内のさまざまなITリソースを管理する「Novell ZENworks 6 Suite」を発表した。

 ノベルは7月30日、PCやサーバ、PDAなど、さまざまなITリソースを管理するための製品「Novell ZENworks 6 Suite」(ZENworks 6)を発表した。ZENWorksはこれまで「for Servers」「for Desktops」といった具合に、管理対象別に個別の製品がリリースされてきたが、バージョン6では一連の機能を統合し、スイート製品として提供される。

 ITが業務を支えるツールとして広く利用され、適用領域が広がり、複雑化するにつれ、管理に要する手間やコストも増大するようになった。この問題意識はもはや業界共通ともいえ、管理負担を少しでも軽減すべく、複数のベンダーからさまざまな統合運用管理ツールやインベントリ(資産)管理ツール、リモートコントロール用ソフトウェアなどが提供されている。

 ノベルによると、ZENWorks 6はこれらツールが提供する機能を包括的に提供するという。具体的には、デスクトップPCやサーバのインベントリ管理をはじめ、ソフトウェア/ファイルならびにパッチの管理と配布、遠隔PCの制御、「iFolder」によるユーザーデータのバックアップ、OSやWebブラウザに関する個人設定の移行、アプリケーションライセンスの管理、さらにはネットワークの監視など、カバーする範囲は幅広い。

 しかも一連の情報は、単なる“電子化しただけの静的な資産台帳”として保管されるわけではない。同社のディレクトリサービス「Novell eDirectory」を組み合わせることにより、必要に応じて適切なリソースやサービス、アプリケーションを提供できるようになるという。

 つまり、あらかじめ定めておいたルールと、ユーザーが誰であり、どういった部署に所属し、どんな権限を持っているかという属性を元に、ネットワーク内のどこにいようとも、必要なソフトウェアを配布することができる。もし人事異動があれば、不必要になったアプリケーションのアンインストールと、新部署/役職で必要なソフトのインストール、設定変更などが自動的に行われる仕組みだ。異動のたびに、必要な機器やソフトの配布を待たされる、といったことはなくなるという。

 ノベルではこれを「ポリシーに基づくダイナミックな自動管理」「機器単位の管理ではなく、ユーザーに基づく管理」と表現し、ZENWorks 6の最大の特徴としている。これは、ソフトウェアライセンス数の最適化にもつながるし、ポリシーに基づくセキュリティの適用を容易にするものでもある。何より、状況に応じて変化する事業を支え、生産性の向上を図るには、ポリシーに基づくITリソース管理が必要だという。

 他にZENWorks 6では、NetWare以外のマルチプラットフォーム対応、インターネット経由のリモート管理などがサポートされている。ただ後者を利用するには、専用の「ZEN Middle-tier Server」を構築する必要がある。

 ZENWorks 6の動作環境は、サーバコンポーネントはWindows NT 4.0/2000もしくはNetWare 5.1以上。管理対象は、サーバがWindows NT 4.0/2000とNetWare 4.2以上、Solaris 8やLinux、クライアントPCはWindows 98/NT 4.0/2000およびXP、PDAはPalm OS 3.0以上やPocket PC搭載機などとなっている。

 価格はオープンプライスで、利用端末数ではなくユーザー数に準じたライセンス体系で販売される。従来個別に提供されてきた各ZENWorks製品を購入するよりも半額以下の価格になるといい、目安としては1万8000円程度となる。8月6日より提供が開始される。

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[高橋睦美,ITmedia]