エンタープライズ:ニュース 2003/08/07 20:37:00 更新


HPとIBMがLinuxを傷つける可能性を指摘したオープンソースの導師

オープンソースの擁護者として知られるブルース・ペレンス氏はSCOよりも重要な問題としてソフトウェア特許を取り上げ、IBMやHPがLinuxにとって潜在的な脅威になる可能性を指摘した。(IDG)

 Linuxにとっての最大の脅威はMicrosoftやThe SCO Groupなどの明白な敵ではなく、最強の支持者かもしれない。オープンソースの擁護者であるブルース・ペレンス氏はLinuxWorld Conference and Expoで8月6日に開催された記者会見の席上で述べた。

 オープンソース支持団体であるOpen Source Initiativeの共同創設者であるペレンス氏は、IBM、Red Hat、Hewlett-Packardの名前を口にした。HPは同氏が以前に所属していた会社である。

 「SCOは、われわれが手痛い敗北を喫しているソフトウェア特許問題に比べれば大したことはない」と同氏は述べた。これは、米国では1980年代に認められたソフトウェア特許をEUでも実現しようと、欧州議会で通過しようとしている法案のことを指している。

 SCOはLinuxのソースコードが自社の知的所有権を侵害していると主張し、IBMに30億ドル以上の損害賠償を訴えている。SCOはまた、Linuxのユーザーに対し、SCOにライセンス料金を支払わなければ訴えると脅しをかけている。

 ペレンス氏はInternet Engineering Task Force(IETF)に代表されるようなインターネットの標準化団体により定義される標準プロトコルを実装することにより、Linuxの開発者はこれらの標準にかかわる特許技術をめぐる訴訟に巻き込まれる可能性があると指摘する。

 数多くの特許を所有しているIBMやHPなどの会社はオープンソース開発者を訴えないと確約すべきだと主張する。「訴えられないという誓約がほしい」と同氏。「われわれにはすばらしい友達がいるわけだが、このすばらしい友達は、われわれを傷つける確固たる手段を持っているのだ」と同氏。

 しかし、IBMとHPがオープンソース開発者を訴えないという包括的契約は難しいだろうとペレンス氏は指摘する。同氏はこの記者会見により、特許保持者との話し合いが開始できればと考えている。「彼らが何を提供してくれるかをもっと知りたい」と同氏は述べた。

 IBMのe-Business on Demand担当ジェネラルマネジャーであるアービン・ウラダウスキー・バーガー氏はペレンス氏のコメントを聞いて驚愕した。「この問題はLinuxで起きたことがない」と同氏。IBMがWorld Wide Web Consortium(W3C)などのオープンソース団体と共同作業してきた歴史を見てみれば、開発者は安心するだろうと同氏は述べた。しかし、同氏はペレンス氏がIBMにコンタクトし、この問題について話し合うようにしようと激励した。

 HPのLinuxビジネス戦略担当者であるマイク・バルマ氏は、自社のソフトウェア特許に関してコメントしなかった。「われわれはLinuxをサポートしている」と同氏。「顧客が望むからサポートしているのだ」と同氏。

 この記者会見の中でペレンス氏はIBMの歴史的な仇敵であるComputer & Communications Industry Association(CCIA)と協力し、この問題に当たると発表した。CCIAは30年前に結成されたが、連邦商務省が行っていたIBMの独占禁止法に関する調査に対し、小規模なコンピュータベンダーの意見をまとめるというのがその結成理由の一つであった。

 CCIAはペレンス氏がオープンソースのロビー団体のOpen Source And Industry Alliance(OSAIA)を結成するのを助けている。この団体はオープンソースの開発者と企業の利益をワシントンDCで代弁することを目的としている。

 「われわれはオープンソースを中核的な議題として取り上げるグループを結成するのが重要だと考えた」とCCIAの相談役であるジェイソン・マーラー氏は記者会見の席で述べた。「われわれは悪い法案と政府の悪い決定に対する戦いに参加したいと考えている」と同氏。この団体のWebサイトはここ

 ペレンス氏がRed Hatを批判したのは、Red Hat Advanced Serverのサポートポリシーに関するものだ。このポリシーでは、顧客はRed Hatからしかサポートを受けることができない。「サードパーティのサービスプロバイダから一流品質のサポートを得られるようにすべきだ」と同氏。

 ペレンス氏は最後に、SCO ForumユーザーカンファレンスにおいてHPが“Premier”スポンサーとなったことを指摘し、SCOのイベントをスポンサーするとは自ら汚名を着るようなものと厳しく批判した。

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[Robert McMillan,IDG News Service]

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