エンタープライズ:特集 | 2003/08/18 16:03:00 更新 |
Microsoft Office Systemアプリケーションレビュー
第4回 操作性が洗練されたIME 2003
Office 2003には日本語入力システムの新バージョン、IME 2003が含まれる。より快適に日本語入力を行うための機能が追加されている。
Office 2003の各アプリの変貌ぶりに比べると、IME 2003の変化は非常に少ない。日本語変換や操作性へのチャレンジはほとんどなく、外観・機能もほぼIME 2002と同じだ。その中で、操作環境の改善やインターネットを利用した新機能を見てみることにしよう。
Tabキーで拡大する候補リスト
変換候補が多い場合、Tabキーで候補リストを拡大する機能が用意された(または候補リスト右下の矢印をクリック)。この場合、一度に表示される候補は最大81個(9行×9列)となる。候補リスト内はカーソルキーで移動できる。

また、Office XPで導入されたナチュラルインプットの操作が改善された。文章の途中で文字を挿入したり修正するとき、変換精度が向上した。また、Escキーで読みに戻せるなど、IMEスタンダードの操作も取り入れられ、編集操作のカスタマイズも可能となった。
インターネットからダウンロードできる最新語辞書
時代によって変化する言葉、流行語、新語など、最近1〜2年間に出現した言葉を取り込んだ辞書がインターネットで提供される。ただし、現時点のベータ版では実際に試すことはできなかった。また、ベータ版に添付されている資料によれば、最新辞書を定期的に更新・提供するということだが、ユーザーが自分でダウンロードする形態をとるのか、Windows Updateのような自動更新の形態をとるのかは、試用時点では分からなかった。ちなみに、IME 2003のプロパティおよび辞書ツールをあちこち探してみたが、辞書をアップデートすると思われるコマンド・設定は見あたらなかった。
さらにIME 2003では、誤変換や登録単語をインターネット経由でマイクロソフトにレポートできる仕組みが用意されている。誤変換を報告するには、誤変換が起きた直後にパレットの[ツール]ボタンをクリックし、メニューの[誤変換報告]を選択する。もちろん、報告したからといってユーザーに直接のメリットがあるわけではないから、報告しなくてもまったく問題はない。
単語登録のダイアログでも、[登録と同時に単語情報を送信する]という設定が用意されている。もちろんこれも報告の義務はないが、特殊な人名、商品名などを報告することで、IMEの標準辞書に単語が収録される可能性はある。
インターネットを利用した新しい試みではあるが、はたしてどれほどの効果があるか未知数だ。いたずらの登録データが送られる危険、企業内の社外秘の言葉・フレーズが誤って漏れる危険など、不安材料もなくはない。
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[井上健語, 池田利夫(ジャムハウス),ITmedia]