エンタープライズ:特集 2003/08/19 10:26:00 更新

Microsoft Office Systemアプリケーションレビュー
第5回 表現力を高めたPowerPoint 2003

PowerPoint 2003では、作成したプレゼンテーション資料を1つのパッケージにまとめる新機能や、スライドショーのインタフェース強化などがポイントとなっている。

 PowerPoint 2003は、プレゼンテーション資料作成のための機能を追加して、表現力をアップしている。さらにプレゼン時の操作性も強化され、直感的に扱いやすくなっている。また、プレゼン資料とPowerPointビューアをそのままパックにしてCD-Rなどに保存できる「プレゼンテーションパック機能」が追加された。仮にPowerPointがインストールされていない環境であっても、CDさえ持ち込めばいつでもPowerPoint 2003のデータを再生し、プレゼンを実行できる。

どこでもできるスライドショー

 作成したプレゼン資料のファイルは、自分のパソコンだけで再生するとは限らない。取引先の企業に出向いたり、会場のパソコンを借りることもある。また、データだけ送って相手に見てもらうといったこともあるだろう。

 PowerPoint 2003では、作成したプレゼン用のファイルを「プレゼンテーションパック」として保存できる。CD-R/RWドライブ搭載のパソコンなら直接CDへ保存できるので、そのままプレゼン資料として持ち出せる。パックにはPowerPointビューアも同時に保存されるので、プレゼンに使用するパソコンにPowerPointが入っている必要はない。

 またファイルにはアクセス許可を設定できるので、特定のユーザーだけがファイルを開けるように設定しておくことも可能。簡便さとセキュリティの向上が同時に実現されている。

Office_powerpoint001.gif

画面1■[ファイル]メニューに追加された[プレゼンテーションパック]を選択すると、直接CDに保存することができる。


Office_powerpoint002.gif

画面2■保存時にはPowerPointビューア(pptview.exe)を作成される。これで、このCDさえ持ち出せばどこでもプレゼンできる。


 スライドショーの実行時には、これまでもメニューを呼び出すためのコントロールボタンを半透明で表示できた。PowerPoint 2003では、さらにボタンが追加され、「次へ」「前へ」「メニュー」「ポインタオプション」の操作が行えるようになった。操作性が向上し、誰もが直感的にスライド操作を行うことができる。

 「ポインタオプション」では「ボールペン」「フェルトペン」「蛍光ペン」のペン種が選択でき、インクの色も設定できる。プレゼンしながら強調したい箇所をマーキングできるのはもちろん、内容によってペンを切り替えられるので、メリハリの効いたプレゼンが可能。タブレットPCなら、ペン入力によるプレゼン操作やマーキングも行える。

Office_powerpoint003.gif

画面3■左下に表示されるコントロールに新たなボタンが追加されて、操作性が向上した。


Office_powerpoint004.gif

画面4■「ポインタオプション」ボタンを選択すれば、ペン種やインクの色、矢印のオプションなどを選択できる。


多彩な表現をサポートする機能も強化

 マルチメディア表現も強化され、プレゼン時の演出効果をより高めることができる。スライドにビデオを貼り付けた場合に「フルスクリーン表示」などのオプションを選択できるようになった。Windows Media Playerとの統合によって実現した機能だ。この他、ストリーミング再生、ビデオの再生コントロールなども行える。

 タブレットPCを使用しているなら、手書き文字をそのままプレゼン資料中に反映できる。手書き文字を使って重要な内容をより強調できるし、あらかじめカコミを入れておくなどの装飾も可能。もちろん、プレゼン実行中に、ライブでペン入力することも可能だ。

 また、Excelと同様にスマートタグを設定できるので、資料作成時には関連情報を素早く検索して、貼り付けることもできる。

Office_powerpoint005.gif

画面5■タブレットPCなら、ペン入力でプレゼン内容の強調したいところにあらかじめ書き込んでおける。


Office_powerpoint006.gif

Office_powerpoint007.gif

画面6〜7■スマートタグを利用できる。ボタンをクリックし、メニューを選択する。


 作業ウィンドウにはWordやExcelと同様に、新たな機能が追加されている。リサーチライブラリからオンライン辞書を参照して辞典を検索したり、各国語に翻訳することが可能だ。また、新規作成から「Office Onlineのテンプレート」を選択すれば、Web上のテンプレートを利用できる。ビジネスに役立つテンプレートもここから利用できる。さらに、利用したいテンプレートはキーワードで検索でき、検索結果を選択すれば、すぐにダウンロードして編集画面に表示できる。

 また、Windows SharePoint Services(WSS)を利用している場合、共有ワークスペースを利用し、登録したメンバどうしで保存した文書の編集作業が行える。発表直前のプレゼン資料をグループで仕上げるなど、共同作業もスムーズに行うことができる。このあたりのWSSとの連携は、他のOfficeアプリと同様である。

Office_powerpoint008.gif

画面8■新規作成時にはOffice Onlineのテンプレートを検索して呼び出すことができる。ダウンロードすればそのまま編集して使用できる。


Office_powerpoint009.gif

画面9■共有ワークスペースを用いて、WSSのメンバー間でプレゼン資料を作成できる。


関連記事
▼Windows .NETチャンネル
▼Microsoft Office Systemアプリケーションレビューへ戻る

[井上健語, 池田利夫(ジャムハウス),ITmedia]