エンタープライズ:ケーススタディ 2003/09/03 22:24:00 更新


ピープルソフト加賀山社長、「ERPの日本標準になる」

日本ピープルソフトの加賀山進社長は、これまでERP導入企業は大手製造業が主体だったが、今後は流通やサービス業、金融、政府系機関へと裾野が広がるとする「ERP第2の波」の到来を強調している

 日本ピープルソフトは9月2日に、同社の加賀山進社長の就任一周年に伴い、同社の今後の事業戦略について説明するプレスブリーフィングを開催した。同氏は、これまでERP導入企業は大手製造業が主体だったが、今後は流通やサービス業、金融、政府系機関へと裾野が広がるとする「ERP第2の波」の到来を強調した。大企業に強いPeopleSoftと、中規模企業市場に強みを持つJ.D.Edwards(JDE)が統合することで、SAPが独走しつつある日本のERP市場での存在感を高める考えだ。

people.jpg
「PeopleSoftは米国のERP市場ではトップ。SAPが圧倒的な力を持つ日本市場で、PeopleSoftを世界標準から日本標準にする」と話す加賀山氏。JDEと統合後も日本法人の社長として任命されることが決まっている。

 世界中を驚かせた米Oracleとの統合計画について加賀山氏は、米PeopleSoftのクレイグ・コンウェイCEOの「終わったと私は確信している」との発言に触れ、実現の見込みが少ないことを強調した。米独占禁止法により司法省が買収を認可しないことや、米30州の司法関係が異議を申し立てていること、JDEの買収で株数が増えたことなどをOracleにとってのハードルとして挙げた。さらに、欧州の司法関係からも異議を申し立てる動きがあることにも触れている。

 同氏は、今後の展開として、製品のフルライン展開と顧客満足度の向上を掲げる。会計や人事といった基本的なモジュールだけでなく、CRM、SCMビジネスインテリジェンスといった、企業の主要業務をすべてサポートする考えだ。また4月に、日本独自の品質改善組織であるTokyo Test Center(TTC)を開設し、顧客満足度アップを目指すという。

米TOYOTAのPeopleSoft利用方法

 米TOYOTAは米PeopleSoftの主な導入企業として知られている。

 TOYOTAでは、38種類のPeopleSoftモジュールが稼動する一方、8種類のモジュールは、パッケージではカバーできない内容であるため、トヨタが自社開発した。

 自社開発をする際に力を発揮したのが、開発プラットフォームとして利用された「PeopleTools」だ。38種類のパッケージと、8種のカスタムアプリケーションを、PeopleToolsという共通基盤で統合することにより、将来的にシステムを拡張するときにも、プラットフォームとしての一元性を保つことができるしている。

関連記事
▼ケーススタディチャンネル
▼激震するアプリケーション業界

関連リンク
▼日本ピープルソフト

[怒賀新也,ITmedia]