エンタープライズ:特集 2003/09/08 20:00:00 更新

Microsoft Office Systemアプリケーションレビュー
第9回 多機能だが手軽なノート感覚のOneNote 2003

気軽にメモをとる感覚で利用できるのが、Office Systemの新しいアプリケーション、OneNote 2003だ。キーボード/手書き入力のどちらにも対応し、他のOfficeアプリからもドラッグ&ドロップでデータを取り込むことができる。

 OneNote 2003は、これまでのOfficeの製品ラインアップにはなかった新しいソフトウェアだ。日常の業務の中では、会議の議事録からちょっとした電話メモまで、さまざまな情報を記録する場面に出会う。このようなメモを統合的に管理できるソフトがOneNote 2003だ。タブレットPCで使用すれば、ペン入力の情報も取り込むことができ、WordやExcelなど他のOffice製品のデータもドラッグ&ドロップするだけで貼り付けられる。そして、入力した情報はまとめて管理でき、容易に検索もできるのだ。

 現在のところ、OneNote 2003はOffice Systemを構成するアプリケーションではあるものの、Office 2003のどのパッケージエディションにも含まれず、単体発売となる予定である。

手書き/キー入力で柔軟にメモをとれる

 キーボードからの入力とペンによる手書き入力の両方に対応し、柔軟にメモをとることができるのがOneNote 2003の特徴。メモはページ内のどこからでも、クリックしたところから書き始められる。入力したメモはブロックごとにまとまるので、ドラッグすれば自由な位置に配置できる。ペン入力の場合はペンの色や太さ、蛍光ペンなどに切り替えられるので、メモ情報を強調したり飾ったりできる。

 例えば、会議では必ずしも一連の流れで話が進むとは限らないが、OneNote 2003でとりあえず時系列にメモをとっておけば、あとから自由に並べ替えて整理できる。さらに、ノートの途中にスペースを挿入して新たな情報を追加することもできるので、その場で情報を整理しながらどんどんメモをとり続けることも可能だ。

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画面1■キーボード入力、手書きなどさまざまな方法でどんどん情報を記録していくことができる。ブロック単位でドラッグできるので、情報の整理も簡単だ。最初はドラッグするポイントがわからず手間取ったが、慣れればスイスイ整理できた。


 企画書などの書類を作成する際に、必要な情報をインターネットで検索して取り込むことは多い。OneNote 2003を使えば、Web上の情報も、簡単にメモに取り込むことができる。操作は、Webページから必要箇所をドラッグ&ドロップするだけだ。もちろん、テキストだけでなく画像などの情報も含めて貼り付けられる。

 さらに便利なのは、貼り付けたページのURLが「貼り付け元」として挿入されること。メモを見ながら、貼り付けた情報以外の関連情報も知りたくなったら、このリンクをクリックするだけでブラウザが起動し、該当ページを開いてくれる。

 他のアプリケーションで作成した情報を、OneNote 2003上にメモとして貼り付けることもできる。例えば、Wordで作成した文書、Excelの表、PowerPointのスライドなどは、ドラッグ&ドロップで貼り付け可能だ。また、メモ情報はOutlook 2003と連携してそのままメール送信できる。さらには仕事やフラグの情報も連携できる。メモのイメージをそのままHTML形式で発行する機能も用意されている。Webで公開したり、Windows SharePoint Services(WSS)サイトに格納するなどして、情報を共有することも可能だ。

Office_OneNote002.gif

画面2■ブラウザにページを表示し、必要な情報をドラッグ&ドロップするだけで貼り付けられる。貼り付け元へのリンクも自動挿入される。


 作成した文書はファイルとして保存するのが、これまでのアプリケーションの常識だ。ごくごく当たり前のことだが、改めて考えてみれば、データを作って、名前を付けてファイルとして保存する作業は、けっこうな手間だ。パソコン初心者の場合、ファイルの概念でつまづく人が多いとも聞く。

 OneNote 2003では、作成した文書を保存する手順は必要ない。入力した情報は定期的に保存され、アプリケーション終了時の状態も保存される。これは、紙のノートとまったく同じ感覚だ。ノートを開いたら(=OneNoteを起動したら)、以前書いた文字がそのまま残っている。当たり前のことが、OneNoteではそのまま実現されている。

ペン入力のデジタルインクをテキスト化、音声メモとの連動も

 タブレットPCを使ったペン入力では、描画モードと文字の手書きモードを選択できる。地図や説明図など、図形のメモを残したいなら描画モードを利用し、文字のメモを残したいなら手書きモードを利用する。いったん入力した後、ペン入力のモードを切り替えることも可能だ。

 手書きで入力した情報はそのままテキストに変換できる。変換のための操作はちょっと面倒だが、認識率はかなり高く、かなり悪筆である著者の文字でもほぼ正しく変換してくれる。手入力した文字がテキスト情報を持てるのは、後述する検索機能を実行する際にも生きてくる。

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画面3〜4■手書き入力した文字を矢印キーで範囲指定し、「インクをテキストに変換」を実行する。手書き文字がテキスト情報に変換された。


 会議の議事録を作成するときやインタビューのメモを取るときなど、ICレコーダーやカセットに録音しておけば、情報を落とすことがなく確実だ。ところが、長時間の録音を行った場合、必要な発言がどこに入っているかわからず、場合によっては始めから聞き直す羽目になる。OneNote 2003では、手書きやテキスト入力のメモと、パソコンに付属するマイクから録音した音声を連動させることができる。メモの領域を選択して再生操作を行えば、メモをとったときの発言内容を再生できる。

 手書きは便利だか、やたらとメモを取っても必要な情報が見つかりにくければ意味がない。OneNote 2003では、重要な情報に「ノートフラグ」を立てることができる。フラグはユーザー設定で追加もできるので、自分なりに分類して設定していけばわかりやすい。さらに、作業ウィンドウに「ノートフラグの概要」を表示すれば、フラグの種類によって情報をグループ化表示できる。

 文字から情報を探したいなら、検索機能を利用する。このとき、テキストだけでなく、テキスト情報を持たせた手書き文字も検索の対象になる。メモ内のあらゆる情報を検索できるのだ。このほかに、重要箇所を自動的にアウトライン化する機能もある。内容を自動的に解析し、アウトライン化して、階層の折りたたみ・展開も可能である。

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画面5■内容に応じてフラグを設定していけば、必要な情報を見つけやすくなる。


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画面6■「資料」という単語を入力して検索を実行した。キー入力した文字も、手書き文字も検索対象となり、反転表示された。


 メモをひたすらズラズラと書いても、管理できてしまうのがOneNote 2003の特徴だが、より効率的に利用したいなら「セクション」と「ページタブ」を活用して、情報を分類していくとよい。

 メモ情報の大きな分類はセクションで管理しておく。すべてのセクションは、OneNote 2003を起動時にタブに分類されて表示されるので、クリックするだけですぐに切り替えられる。ここにもファイルの概念は必要ない。さらに、同セクション内で個別の情報を整理したいなら、ページタブを追加できる。こちらもタブをクリックするだけで、ノートのページをめくるように、情報を探すことができる。

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画面7■新しいセクションのタブを追加した。セクションの名前およびセクションの色は自由に設定できる。


デスクトップ上の付箋として手軽に利用

 OneNote 2003にはMini OneNoteというツールが付属している。タスクトレイからクリックするだけで起動でき、デスクトップ上に付箋のように表示しておくことができる。とっさのメモやちょっとした思いつきなどは、ここに書き込んでおけばOK。書いた内容は、もちろんドラッグ&ドロップするだけでOneNote 2003上に貼り付けられるから、あとからまとめて整理していくことができる。

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画面8■タスクトレイのアイコンをクリックすると、Mini OneNoteが起動する。付箋感覚で利用でき、常に表示しておいても邪魔にならない。


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[井上健語, 池田利夫(ジャムハウス),ITmedia]



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