エンタープライズ:ニュース 2003/09/24 21:42:00 更新


シマンテック、性能を強化した統合セキュリティアプライアンスの新シリーズ発表

シマンテックはセキュリティアプライアンス製品「Symantec Gateway Security」を強化し、パフォーマンスやポート構成を拡張した新シリーズを発表した。

 シマンテックは9月24日、統合型セキュリティアプライアンス製品「Symantec Gateway Security」の新バージョンを発表した。

 この日リリースされた「Symantec Gateway Security 5400シリーズ」は、ファイアウォールやIPSec VPNゲートウェイ機能を備えた企業ゲートウェイ向けのアプライアンス製品。他に不正侵入検知・防御(IDS/IDP)やウイルス対策機能、URLに基づくコンテンツフィルタリング、スパム対策機能を搭載しており、これらの機能は追加ライセンスの購入によって利用できる。なお、最新のウイルスや不正侵入手法の検出に必要となるさまざまな定義ファイルは、同社のLive Updateを通じて提供、更新される仕組みだ。

 シマンテックではかねてより、先月猛威を振るったMSBlastのように、従来のウイルスとは異なるタイプの「複合型の脅威」への対処が必要と指摘してしてきた。複数の機能を統合したSymantec Gateway Security 5400シリーズは、包括的な防御を提供し、そうした脅威から企業を保護すると同社は説明する。

 昨年4月に発表した前バージョン、Symantec Gateway Security 5200/5300シリーズなどと比べると、VPN(3DES)アクセラレータの搭載などによってパフォーマンスを強化し、ギガビットクラスのスループットに対応した。また上位モデルは、最大8個のギガビットイーサネットを搭載しており、柔軟なネットワーク構成を取れるようにしている。

 Symantec Gateway Security 5400シリーズのラインアップは以下のとおりだ。

モデル名最高ノード数ポート構成ファイアウォール時のスループットVPN(3DES)時のスループット
5420500ファストイーサネット×6200Mbps90Mbps
54402500ギガビットイーサネット×61.4Gbps400Mbps
54412500ギガビットイーサネット×4、1000BASE-SX×21.4Gbps400Mbps
54604500ギガビットイーサネット×81.8Gbps600Mbps
54614500ギガビットイーサネット×2、1000BASE-SX×61.8Gbps600Mbps

 ゲートウェイ部分のセキュリティ機器には高いアベイラビリティも求められる。ここが止まってしまえば、セキュリティ対策はおろか、ネットワーク接続すら不便を強いられるからだ。Symantec Gateway Security 5400シリーズでは、コールドスタンバイはもちろん、アクティブ-アクティブの冗長/負荷分散構成も可能となっており、この機能も追加ライセンスの購入によって利用できる仕組みだ。

 また、Webブラウザベースの管理インタフェースを採用するとともに、同社がかねてから提唱しているセキュリティ管理の枠組み、Symantec Enterprise Security Architectureにも対応。オプションとなる「Advanced Manager」を利用すれば、数百台規模のSymantec Gateway Securityに対し、一元的なポリシー設定、管理が可能だ。また同じくオプションの「Event Manager」では、複数のSymantec Gateway Securityが出力するイベントやアラートを集約し、グラフィカルなレポートにまとめることができる。

 ファイアウォール/VPNを搭載したセキュリティアプライアンス市場は、ワームのまん延などを受けて拡大傾向にある(9月20日の記事参照)。導入、運用の容易さと、それに伴うメンテナンスコストの低さなどが大きな理由だ。最近ではさらに、ウイルス対策やIDS/IDPなどが加わり、多機能化が進みつつある。

 シマンテックではこれらの機能を単体のソフトウェア製品としても提供しているが、「企業によっては個別のソフトウェア製品を必要とする場合もあれば、透過的なオールインワンタイプのソリューションを求める場合もある。当事者である顧客のニーズ、仕様に合致したものを提供していく」(同社代表取締役社長の杉山隆弘氏)とし、さまざまな選択肢を提供できる点が強みになるとしている。

 価格はモデルと保護対象となるノード数、利用する機能に応じて決定される。モデル5420でファイアウォール/VPN機能のみ利用する場合は50ノードで56万3000円から、ウイルス対策はじめフル機能を利用する場合は97万5100円からなどで、既存ラインアップに比べ、特にエントリモデルで有利な価格構成という。発売は10月7日から。

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[高橋睦美,ITmedia]