エンタープライズ:インタビュー 2003/10/11 04:40:00 更新


Interview:PeopleSoftのラング氏、「3、4年後にはツールセットもJDEと共有化する」

現在、PeopleSoft最大のテーマは、J.D.Edwardsとどのように融合していくか。同社のプロダクトマーケティング担当バイスプレジデント、マーク・ラング氏に、同社の今後の展開について聞いた。

 米PeopleSoftは、カリフォルニア州アナハイムでユーザーカンファレンス「PeopleSoft Connect 2003」を9月中旬に開催し、登録者ベースで1万人もの参加者を集めた。最大のテーマは、PeopleSoftとJ.D.Edwardsがどのように融合していくか。同社のプロダクトマーケティング担当バイスプレジデント、マーク・ラング氏に、同社の今後の製品展開について聞いた。

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3月にも来日したマーク・ラング氏。

ZDNet 今回J.D.Edawardsとの統合について、製品の側面から見た場合、今後どのようになっていきますか?

ラング 「PeopleSoft Enterprise」「PeopleSoft EnterpriseOne」「PeopleSoft World」という3本の製品ラインが共存していくのは既に発表されたとおりです。

 今後18〜24カ月の間に、もともとのPeopleSoft製品であるEnterpriseと、J.D. Edwards 5の後継となるPeopleSoft EnterpriseOneのそれぞれのアーキテクチャおよびコードをベースとして、機能を統合していきます。


 同社は、両製品の強みと弱みを「いいとこ取り」することで相互に補完し合う考え。例えば、SRMなどEnterpriseOneに足りなかった機能をEnterpriseから取り入れたり、逆にEnterpriseは、これまで弱かった生産管理の部分をEnterpriseOneから持ってくることで、両製品としての質を高めていく。


ラング さらに、これは構想段階の話ですが、36〜48カ月後には、PeopleSoftが持つツールセットであるPeopleTools 8と、JDE 5を共有する計画があります。これにより、システムの開発段階から環境を統一できるようになるという。

ビジネスプロセス最適化が重要

ZDNet PeopleSoftが大企業向けが得意で、J.D.Edwardsは中堅企業に強いと一般に言われますが、両市場についてどう感じていますか?

ラング 大企業ではまだ、業務ごとに組織管理がバラバラであることが多く、それを統合することに関してのニーズが高い。そこで統合の方法を人材の配置の最適化などHCM(Human Capital Management)に求め、それを売り上げや利益の拡大にまで持っていこうという動きがあります。今後大企業がさらなる効率化を達成するためには、こういったHCMなども含めたビジネスプロセスの最適化が求められてきます。

 一方、J.D.Edewardsの顧客にも多い中堅市場では、「(大企業と比較して)より少ない予算、より高い要求」という点が求められます。したがって、こちらでも、高い効率性を実現するには、ビジネスプロセスの最適化が非常に重要なキーワードになってきます。

ZDNet 「統合」現在業界のテーマの1つになっています。

ラング 「Composite Apps」という考え方に注目しています。例えば、人を採用をする場合、入社希望者の検索、書類のやり取り、面接、採用といったプロセスがあったとします。もし、HCMシステムなどがすべてプロセスを管理していなければ、スムーズな採用活動を実施できません。

 話を広げれば、人事だけでなく、IT、購買部門、サプライヤーなど、すべての関係者が組織を越えてつながらなければ、本当の効率性は望めません。当然、ここでも接続や連携がテーマになります。

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[聞き手:怒賀新也,ITmedia]