エンタープライズ:特集 2003/10/17 20:00:00 更新

Microsoft Office Systemアプリケーションレビュー
第13回 企業内の複数プロジェクトもまとめて管理するProject 2003

複雑になりがちな企業内のプロジェクトとそれに関わるリソースの管理を、なじみのあるOfficeアプリケーションのユーザーインタフェースで実現できるのがProject 2003だ。

 Project 2003は、今回のOffice Systemの中では少々異質な印象を受けるソフトである。その役割を単純に言ってしまうと、企業内のプロジェクトを効率的に管理するツールということになる。だが、それでピンとくる人はそれほど多くないだろうし、説明としてあまりに大ざっぱすぎる。そこで本レビューでは、Project 2003が生まれた背景を交えながら、Project 2003がどんなソフトであるかをレポートしよう。「プロダクトマネージャ」と呼ばれる職種の方や、プロジェクトマネージメントに関心のある方はもちろん、自社内のプロジェクト管理のあり方に何らかの不満・不備を感じている方には、ぜひ注目してほしいソフトである。

「Project」はマイクロソフトによるEPMソリューション

 マイクロソフトの説明によれば、Project 2003は同社が提供するEPMソリューションであるとされる。EPMとはEnterprise Project Managementの略で、マイクロソフト独自の用語ではない。米国のプロジェクトマネジメント(PM)分野で著名なPaul C. Dinsmore氏が、1999年に書いた『Winning in Business With Enterprise Project Management 』という著書が、この言葉の起源のようだ。簡単に言えば、組織における複数のプロジェクトとリソース(ヒト、モノ、コスト)に対して、これらを総合的に管理するソリューションを研究する分野ということになるのだろう。

 そして、このEPMを必要とする企業に対してマイクロソフトが提案するソリューションが、Project 2003という製品群である。Project 2003は、次の4つの製品から構成される。

Project Standard 2003

Project Professional 2003

Project Server 2003

Project Web Access

 このうち、「Project Standard 2003」はサーバと連携しないスタンドアロンでの利用を前提とした製品だ。残りの3つは、サーバアプリケーションも含んだトータルなEPMソリューションを提供する製品群ということになる。もちろん、Project 2003のメインは後者の製品群である。

Office_project001.gif

画面1■Project Professional 2003の画面。ガントチャートによって各タスクが水平バーで分かりやすく表示されている。


StandardとProfessionalの関係

 前述のとおり、Project Standard 2003はスタンドアロンでの利用を前提としている。具体的には、プロジェクトの管理者やビジネスマネージャが、単体のプロジェクトを管理する機能が用意されている。サーバアプリケーションであるProject Server 2003とのデータ交換はできない。

 一方のProject Professional 2003は、Standardのすべての機能を含んだ上で、サーバとの連携機能を持つ。具体的には、Project Server 2003と連携させたポートフォリオ管理、スキル別のリソース管理、プロジェクトコラボレーションなど、強力なエンタープライズ プロジェクト管理機能を利用できる。逆に言うと、Project Professional 2003を利用するのであれば、Project Server 2003およびProject Web Access(後述)は必須ということになる。

 Project Professional 2003を利用する場合、データを管理するサーバ側に必要となるのがProject Server 2003だ。Project Server 2003は、プロジェクトやリソースに関する情報をサーバ側で集中管理し、メンバー間のコラボレーションをサポートするプラットフォームとして機能する。Project Server 2003データの保存・検索・入出力を行うときは、Project Professional 2003や後述するProject Web Accessを使ってProject Server 2003に接続することになる。Project Server 2003のシステム要件は次のとおり。

【Project Server 2003のシステム要件】
 Windows 2000 SP3以上
 メモリ256MB以上(512MB以上推奨)
 SQL Server 2000 SP3以上

 Project Web Accessは、Internet Explorerを使ってProject Server 2003に接続する機能だ。Project Professional 2003のスケジュール機能は必要としないが、サーバ上の情報にはアクセスする必要のあるユーザーが利用することになる。とは言うものの、Project Web Accessはとても多機能だ。自分に関わりのある、現在進行しているプロジェクトを一覧表示して進捗を確認したり、進捗レポートの提出、タスクの表示・作成など、さまざまな作業ができる。

 操作性はWindows SharePoint Services(WSS)のチームWebサイトとほぼ同じだ。WSSに触れたことがあれば、WSSと同じインタフェースでスケジュールを表示したり、自分のタスク管理ができるようになると考えてよい。なお、Project Web Accessを使用するには、Project Server 2003 Client Access License (CAL)というライセンスが必要となる。

Office_project002.gif

画面2■Project Professional 2003を起動すると、最初にサーバに接続するダイアログが表示される。


Office_project003.gif

画面3■IEを使ってProject Web Accessのurlにアクセスした。まずログオン画面が表示される。


Office_project004.gif

画面4■Project Web Accessの画面。IEを使って自分に関わるプロジェクトの情報にアクセスできる。


主な新機能

 ここでは、Project 2003の主な新機能を箇条書きでまとめておこう。なお、マイクロソフトのOffice Webサイトには、新機能・拡張機能および技術的な詳細情報をまとめた文書が用意されている。導入を検討される際はチェックするとよいだろう。

  • InternetExplorerを使って「標準リソース」に定義された特定のスキルを持つスタッフをデータベースから抽出可能になった。
  • メンバーが進捗状況を入力するタイムシートに入力可能期間を設定し、過去にさかのぼって実績を変更したり、誤入力が起きるのを防ぐことができるようになった。
  • Outlookの予定表にProject Server 2003のタスクをインポートできる。Outlookから進捗状況の報告もできる。
  • プロジェクトセンタービュー、リソースセンタービュー、タイムシートビューをグリッドとして印刷できるようになった。
  • WSSとの統合によりドキュメント管理機能が実装された。ドキュメントのチェックイン/アウト機能も用意された。
  • タスクに関するリスクを発生確率と重要度から分類して、プロジェクトごとに一括管理できるようになった。
  • プロジェクトを作成するウィザードである「プロジェクトガイド」が用意された。印刷ウィザードも追加され、スケジュールを1枚のレポートとして印刷できるようになった。
  • 新しい作業ウィンドウにWebトレーニング、テンプレートギャラリーなどのリンクが用意された。
  • Word、PowerPoint、VisioへProjectの画面イメージをコピーするウィザードが用意された。
  • プロジェクトのバージョンを比較し、差異レポートを作成する機能が用意された。
  • データをVisioにエクスポートしてWBSチャートを作成できる「Visio WBSチャートウィザード」が用意された。
  • 複数のサーバに対してデータベースを分割する機能が追加され、さらに大きな規模でProject Serverを実装できるようになった。

Office_project005.gif

画面5■プロジェクトのテンプレートも用意されている。


Office_project006.gif

画面6■Visio WBSチャートウィザード。データをVisioにエクスポートしてWBSチャートを作成できる。


Office_project007.gif

画面7■Office製品への図のコピーウィザード。Word、PowerPoint、VisioへProjectの画面イメージをコピーするウィザード。


表1■Project 2003の価格表

品名 パッケージ種類 推定小売価格
Project Standard 2003 通常パッケージ 7万4800円
アップグレードパッケージ 3万9800円
アカデミックパッケージ 2万1800円
Project Professional 2003 通常パッケージ 13万7000円
アップグレードパッケージ 6万8800円
アカデミックパッケージ 5万8800円
Project Server 2003 通常パッケージ 30万1000円


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[井上健語, 池田利夫(ジャムハウス),ITmedia]



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