エンタープライズ:特集 2003/10/23 20:25:00 更新

Microsoft Office Systemアプリケーションレビュー
第15回 Microsoft Office Systemまとめ&価格データ

10月24日、Office 2003のパッケージがいよいよ店頭に並ぶ。Officeレビューの最後に、価格や製品ラインナップをもういちどまとめておこう。

 10月24日、Office 2003のパッケージ販売がスタートする。一部、先行販売されているアプリケーションもあるが、やはり店頭にパッケージが並ぶ10月24日が、Office Systemの本格的な船出だろう。そこで最終回の今回は、価格情報や購入に際しての注意点をまとめた。

戦艦級Office、出港す

 本連載も今回で終了だ。連載開始が7月18日だから、ほぼ3ヶ月に渡って新しいOfficeを個々のアプリケーションごとにレビューしてきたことになる。連載の冒頭では、「大半のユーザーは、新しいOfficeのイメージをつかみ切れていないのではないだろうか」と書いた。さて、3カ月後の今はどうだろうか? 新しいOfficeのイメージはつかめただろうか?

 少なくとも、今度のOfficeが「Office System」の名前のとおり「システム」であること、しかもそれが、サーバも巻き込んだかなり大がかりな仕掛けを伴っていることは、ご理解いただけたと思う。もはやOfficeは、スタンドアロンで利用する素朴なデスクトップ・アプリケーションの枠には収まりきらない存在なのだ。イメージとしては、まさに戦艦である。

 10月24日は、この戦艦Officeの中核となる「Office 2003 Editions日本語版」のパッケージ販売開始日となるわけだ。9月1日より始まっていたボリュームライセンス販売とあわせ、用意される製品群を表1にまとめた。

表1■ Office 2003 Editions日本語版の製品構成

Professional Enterprise Edition 2003 Professional Edition 2003 Standard Edition 2003 Personal Edition 2003
パッケージ製品での提供
提供なし
ボリュームライセンスでの提供
提供なし 提供なし
Word 2003
○(注) ○(注)
Excel 2003
○(注) ○(注)
PowerPoint 2003
○(注)
Access 2003
Publisher 2003
InfoPath 2003
HomeStyle+
IME 2003
Picture Manager
Document Imaging/Scanning

(注)Standard Edition 2003、およびPersonal Edition 2003の製品は下記機能に対応していない。

・ユーザー定義の XML スキーマへの完全対応 (Word/Excel/Access)

・Information Rights Management のアクセス制限の設定( Word / Excel / Outlook / PowerPoint )

・データシートコントロール機能(Excel/Access)  

 注意したいのは、ここにはOneNote 2003やVisio 2003、FrontPage 2003などが含まれていないことだ。これらは単体での提供となる。また、パッケージ版に含まれないInfoPath 2003、無償でダウンロードできるWindows Share Point Services(WSS)など、「Office System」を構成する製品群はけっこう複雑だ。繰り返しになるが、10月24日に発売開始されるのは、一般ユーザーにもなじみの深いWord 2003やExcel 2003など、Office Systemの中核的なソフトウェアをパックにした「Office 2003」である。

 また、今回の連載では触れられなかったが、インスタントメッセージング用のサーバ製品 Microsoft Office Live Communications Server 2003(11月4日 発売)など、Office Systemのキープレーヤーの登場が、10月24日以降に控えていることも忘れてはならない。

 以下では、Office 2003を中心に、本連載で扱ったアプリケーションを購入する際に参考になりそうなトピックをまとめておく。

パッケージ版はPersonal/Standard/Professionalの3ラインアップ

 パッケージ版は「Personal」「Standard」「Professional」の3つが用意される。各パッケージの内容は先の表1のとおりだ。ここでは、3つのパッケージの価格をまとめておく(表2)。

 なお、ショップ等で販売されるPCへのプレインストール版はPersonal Editionとなるので、店頭のマシンで目にするOffice 2003には、「Word 2003」「Excel 2003」「Outlook 2003」「Home Style+」が入っていることとなる(IME 2003やPicture Managerなどのツール類はすべてに含まれる)。特にHome Style+によって、Outlook 2003の外観が大きく変化する点には注意したい。

Pac01.jpg

写真1■Microsoft Office Professional Edition 2003 日本語版


Pac02.jpg

写真2■Microsoft Office Personal Edition 2003 日本語版


表2■3つのパッケージ版の価格

Professional Edition 2003 通常パッケージ

5万9800円

(5万2500円)

アップグレード パッケージ

3万7800円

(3万2700円)

アカデミック パッケージ

3万2800円

(2万8900円)

Standard Edition 2003 通常パッケージ

5万2800円

(4万5980円)

アップグレード パッケージ

2万8000円

(2万4350円)

Personal Edition 2003 通常パッケージ

4万4800円

(3万8900円)

アップグレード パッケージ

2万1800円

(1万8900円)

各パッケージ版の価格はマイクロソフト資料による推定小売価格

括弧内は10/23時点でのオンライン書店 アマゾンでの価格

 Office 2003を構成するアプリケーションは単体製品としても販売される。単体での販売開始は11月14日となっている。各アプリケーションの価格は表3のとおりだ。各アプリケーションとも、「通常パッケージ」「アップグレードパッケージ」「アカデミック パッケージ」が用意されるが、唯一、Outlook 2003のみは通常パッケージのみとなる。

表3■Office 2003の各アプリケーションの単体価格

Word 2003 通常パッケージ

2万4800円

アップグレード パッケージ

9500円

アカデミック パッケージ

7800円

Excel 2003 通常パッケージ

2万9800円

アップグレード パッケージ

1万6000円

アカデミック パッケージ 1万2800円
Outlook 2003 通常パッケージ

1万2800円

PowerPoint 2003 通常パッケージ 2万4800円
アップグレード パッケージ 1万3800円
アカデミック パッケージ 1万2800円
Access 2003 通常パッケージ 2万9800円
アップグレード パッケージ 1万6000円
アカデミック パッケージ 1万2800円
Publisher 2003 通常パッケージ 1万6800円
アップグレード パッケージ 8800円
アカデミック パッケージ 7800円

 ユーザー定義のXML(Extensible Markup Language)スキーマへの対応とIRMへの対応が必要なら、Professional版が必須となる。Personal版とStandard版には、この2つの機能は含まれないので注意したい。ただし、XMLスキーマへの対応機能は「Word 2003」「Excel 2003」「Access 2003」の単体パッケージに含まれる。また、IRM機能は「Word 2003」「Excel 2003」「Outlook 2003」「PowerPoint 2003」の単体パッケージに含まれる。

単体でのみ提供されるFrontPage/OneNote/Visio

 単体でのみ提供されるのは、FrontPage 2003、OneNote 2003、Visio 2003の3つとなる。OneNote 2003は学生をターゲットとした安価なアカデミックパッケージが用意される。Visio 2003はStandard版とProfessional版の2つに分かれている点に注意。各アプリケーションの価格は表4のとおりだ。

表4■FrontPage 2003/OneNote 2003/Visio 2003の価格

FrontPage 2003 通常パッケージ

2万2800円

アップグレード パッケージ

1万800円

アカデミック パッケージ

1万800円

OneNote 2003 通常パッケージ

2万4800円

特別優待パッケージ(注)

1万2800円

アカデミック パッケージ 5800円
Visio Standard 2003 通常パッケージ

2万2800円

アップグレード パッケージ 1万4400円
アカデミック パッケージ 1万3800円
Visio Professional 2003 通常パッケージ 6万4800円
アップグレード パッケージ 3万1000円
アカデミック パッケージ 3万0000円

(注)Office XPならびにMicrosoft Office 2003 Editionsのパッケージ製品またはプレインストール版を所有するユーザーを対象とした1年間限定のパッケージ

InfoPathはボリュームライセンス版のProfessional Enterprise版か単体で

 InfoPath 2003は、ボリュームライセンス版のProfessional Enterprise版に含まれている。パッケージ版の「Personal」「Standard」「Professional」のいずれにも含まれない点に注意したい。ただし、単体パッケージでは用意されている。単体の価格は表5のとおりだ。

 なお、Project 2003については、第13回でレビューした。価格はそちらを参照してほしい。

表5■InfoPath 2003の価格

InfoPath 2003 通常パッケージ

2万4800円

アカデミック パッケージ

1万2800円

WSSはすでに提供開始

 最後にサーバ関連では、Windows SharePoint Services(WSS)日本語版が10月2日より正式に提供されている。マイクロソフトのサイトでダウンロード可能だ。Windows Server 2003を利用しているなら、ぜひ利用しよう。

 Windows SharePoint Potal Server(SPS)に関しては、価格も含め、第12回でレビューしたとおりだ。

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[井上健語, 池田利夫(ジャムハウス),ITmedia]