エンタープライズ:ケーススタディ 2003/10/28 18:58:00 更新


富士ゼロックス、上海工場のSCMシステムをOracle EBSベースで構築

NECと日本オラクルは、富士ゼロックスが、上海市の工場に「Oracle E-Business Suite 11i」を利用したサプライチェーン管理システムを構築し、稼動を開始したことを明らかにした。

 NECと日本オラクルは10月28日、富士ゼロックスが、上海市の工場に「Oracle E-Business Suite 11i」を利用したサプライチェーン管理システム(SCM)を構築し、稼動を開始したことを明らかにした。

 富士ゼロックスは、中国における子会社である富士ゼロックス上海で、日本および海外で販売する複写機の生産を行っている。同社は、複写機生産量の約8割を占める中低速デジタル領域生産を、国内から上海へ移管する予定という。

 今回、上海工場の生産量を月3万台レベルまで拡大するにあたり、SCMシステムと会計システムを基盤システムとして構築した。富士ゼロックスは、新システムを利用して生産リードタイムを短縮し、生産コストの削減と納期短縮によるエンドユーザーの顧客満足度の向上を目指す。さらに、国内のシステムとの統合も図るとしている。

 同システムは、受注、在庫、購買管理およびSCM計画立案、組立生産管理などの業務を実現するSCMシステムと、資金管理と固定資産管理も含めた会計システムで構成されている。

 プロジェクトでは、Oracle E-Business Suiteの標準機能を全面的に適用し、追加開発を極力避けることにより、8カ月という短期間で本番稼動した。

 システム導入はNECを中心に、両社の現地法人を交えたプロジェクトチームで対応した。また、日本オラクルの中国事業開発部が、日本と中国の企業間を連携し、導入をサポートしたという。

 NECでは今後、この実績を基にして、中国における日系製造業企業をターゲットとした事業を展開する。一方、成長著しい中国やアジア太平洋地区での協力関係を深め、製造業ユーザーのグローバルサプライチェーン構築を支援するとしている。

 日本オラクルは、Oracle E-Business Suiteを核に、関連事業部門の増強や、Oracle NeOを中心としたパートナー企業との提携強化を通じ、販売およびサポート体制を強化していく。

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[ITmedia]