エンタープライズ:ニュース 2003/11/05 15:03:00 更新


Borlandにとって「Kylix」は忘却の彼方に?

「続けるのか続けないのかはっきりしてくれ」というKylixユーザーの悲痛な叫びに、Borland首脳の答えは……。(IDG)

 Borland Softwareの開発ソフトウェア、「Kylix」は忘却界に置き忘れられたままだ。1年以上新しいリリースは出されておらず、Borlandはアップグレードがあるのかどうかも明らかにしていない。

 KylixはLinux用のRAD環境で、C++とDelphiの両方での開発をサポートする。今週カリフォルニア州サンノゼで開催されているBorConカンファレンスでは、Q&Aセッションで「BorlandはKylixをアップグレードするつもりがあるのか」と問いただしたユーザーがいた。

 「患者を蘇生させることができないのなら、いっそ呼吸器を外してもらいたい。植物人間の状態で生きながらえさせないでくれ」とその出席者は主張した。

 BorlandでDelphi 8製品開発ディレクターを務めるマイケル・スウィンデル氏は、Borlandはまだアップグレード計画については発表していないと答えただけだった。

 「(Kylixの)次のバージョンに関するロードマップは発表していない」とスウィンデル氏。アップグレードがあるのかという質問については、「それはどの製品についても言える質問だ」と受け流した。

 Borlandの最高技術責任者であるブレイク・ストーン氏は、自社の「C++Builder」がKylixを代替するものであると強調した。

 「われわれは、ユーザーの話を聞く。コミュニティがわれわれに伝えてくれることには耳を傾けており、その話を総合すると、彼らにはKylixとはかなり異なったソリューションが必要なようだ。C++BuilderはKylixユーザーが求めているテイストを持っていると思う」と同氏。それでも、Borlandはユーザーのフィードバックを聞いている、と言い添えた。

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