エンタープライズ:ニュース 2003/11/11 15:05:00 更新


UML 2.0ベースのOMG認定資格試験が日本語で受験可能に

UML教育研究所とOMGは、認定UML技術者資格試験が世界130カ国で同時に提供開始されたことを明らかにした。UMLモデリング推進協議会の認定試験と相互に連携することでも合意している。

 UML教育研究所とマサチューセッツ州ニーダムのオブジェクト・マネジメント・グループ(OMG)は11月11日、共同で記者会見を行い、「OMG認定UML技術者資格試験」の「ファンダメンタル(基礎)レベル」が英語と日本語によって世界130カ国で同時に提供開始されたことを明らかにした。これにより国内100以上の会場において日本語で同認定資格試験が受験できる。

 また、この日、非営利特定法人である「UMLモデリング推進協議会」(UMTP/Japan)が11月25日から実施する「UMLモデリング技能認定試験」と相互に連携することでも合意した。OMGの認定試験がUMLの最新仕様である2.0をベースにその知識と技能をテストするのに対して、UMTP/Japanの認定試験はUMLに基づくモデリング技能などをテストする。この2つの認定試験は、UML(表現)とモデリング(内容)で住み分け、相互にその認定を推奨していくという。UMTP/Japanは今年5月、オージス総研、日本アイ・ビー・エム、東京国際大学などが代表発起人となって設立された。

韓国語、中国語への拡大も計画

 OMG認定UML技術者資格試験プログラムは、システム開発業務の発注にUML(Unified Modeling Language:統一モデリング言語)を活用するシステムアナリスト、プログラマー、システム開発者および設計者を対象とする。UMLは、ソフトウェア開発における設計表記法のデファクトスタンドード。OMGが提唱するMDA(Model Drive Architecture:モデル駆動アーキテクチャ)技術の中核となっている。

 UML教育研究所とOMGは今年4月、試験問題の開発や資格認定などの運営をOMGが統括する一方、日本を含むアジア太平洋地域においてはUML教育研究所がローカライゼーション、マーケティング、プロモーションなどを担当することで合意している。アジア太平洋地域は、2バイトを中心とした多言語環境にあると共に、インドや中国といった「世界のソフトウェアの工場」を抱えている。UML教育研究所では、中国語や韓国語によるローカライゼーションも計画している。

 来日したOMGのリチャード・ソーリー会長兼CEOは、「ファンダメンタルレベル試験の世界同時提供は、始まりに過ぎない。今後、さらに高度なインターメディエイトレベルやアドバンストレベルの認定資格試験も提供される」と話す。インターメディエイトが12月、アドバンストは来年1月からの試験開始が予定されている。

 なお、UML教育研究所では、来年4月30日までの受験料を通常3万円のところ、2万7000円に割り引くキックオフキャンペーンを実施するという。

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▼UML教育研究所

[浅井英二,ITmedia]