エンタープライズ:特集 2003/11/24 19:40:00 更新

[JAVA Developer特別企画]2003年12月号
AxisによるAmazon Webサービス活用記 (1/4)

実用的なWebサービスが公開されはじめ、本格的なWebサービス時代を迎えようとしています。ただ、Webサービスという言葉が先行しすぎた感もあり、その理解度には個人差があるのではないでしょうか。本特別企画では、Webサービスクライアントの活用として、Amazon Webサービスを利用したサーバーサイドのコンテンツを作成し、Webサービスの利用法について紹介します。
JAVA Developer 2003年12月号より転載

1.WSDLに注目
 Webサービス にはさまざまな技術が使われており、すべてを理解するのは難しいものです。本企画では、Webサービスクライアントの作成をテーマにし、それに必要な知識、ソフトウェアについて解説します。具体的なWebサービスクライアントとしては、Jakarta Tomcat上にAmazon Webサービスを利用した簡単なWebアプリケーションです。
 Amazon Webサービスは、本、音楽CD、DVD、ゲームソフトなどをオンライン販売するAmazon.co.jpが提供するWebサービスです。カタログデータや各種検索機能などを提供しています。

●用意するもの
 Webサービスクライアントの作成に必要なものを整理します(表1-1)。なお開発および評価用のプラットフォームは、WindowsXPとします。

表1-1 用意したソフトウェア

Amazon Webサービス デベロッパーキット
デベロッパー・トークン
WSDL(AmazonWebServices.wsdl)
開発運用環境 J2SDK 1.4.2_01
Tomcat 4.1.27
Apache Axis 1.1

 Amazon Webサービスのデベロッパーキットは、Amazonのサイトからダウンロードします。ダウンロードしたら、適当なディレクトリに解凍してください。
 デベロッパー・トークンは、Webサービス利用時にパラメータの1つとして使用するもので、Amazonのサイトで申請し、メールで取得できるIDです。
 WSDLは、後ほど詳しく解説しますが、Webサービスの内容を定義したファイルです。ダウンロード先はデベロッパーキットを解凍してできたAPI GuideのIndex.htmlをブラウザで開き、「Getting Start」→「Accessing Amazon Web Services」→「Using SOAP」をクリック。「SOAP WSDL」で右クリックし、「新規を対象ファイルに保存」を選択してダウンロードします。

●SOAPとWSDL
 Apache Axis 1.1(以下、Axis)は、ApacheのWebサービスプロジェクトで開発が進められているSOAP(Simple Object Access Protocol)1.2の実装です。SOAPとは、非集中、分散環境における情報交換のための軽量なXMLベースのプロトコルのこと。簡単にいうなら、コンピュータ間でXMLデータをやりとりするフォーマットです。WebサービスはこのSOAPに対応しており、Axisを利用することで簡単にWebサービスアプリケーションが作成できます。
 Webサービスは、システム内部だけでなく外部からも利用可能にするしくみですから、Webサービスの内容を正確に記述した情報が必要になります。その情報が、WSDL(Web Services Description Language:Webサービス記述言語)です。WSDLには、XMLデータをやりとりするすべての定義が記述されています。Amazon Webサービスのデベロッパーキットにはしっかりとしたヘルプがありますが、WSDLを読むことができればヘルプの参照は確認程度ですみます。

図1-1
図1-1 SOAPを使ったWebサービスの概念図

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[松浦 武範,JAVA Developer]

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