特集
2003/12/05 22:09:00 更新


特集:第1回 Webアプリケーション開発、運用プラットフォーム「Cosminexus」を知る (1/3)

特に金融系への実績が多いWebアプリケーションサーバプラットフォーム「Cosminexus」。この特集では、全3回構成で同製品を中心とするプログラミング手法を実践解説していこう。第1回目は、製品の生い立ちから構成などだ。

Webアプリケーションの開発や運用などを担うソフトウェア

 「Cosminexus」(コズミネクサス)は、日立製作所(以下、日立)の製品です。この製品名には、「広く、人やコンピュータをつなぐ」という思いが込められています。

 全3回で構成していくこのJava特集「Cosminexusではじめる業務指向スタイル開発」は、第1回目でCosminexusの生い立ちや製品構成、それぞれの役割などを紹介します。第2回目では、Cosminexusのインストールや環境設定と基本動作の解説、そして第3回目ではCosminexusを利用したJSP/Servletプログラミングの実践手法にまで踏み込む予定です。この特集は、Cosminexusで基本的なプログラムが行えることをゴールとしています。

1997年のCosminexus前身から始まり2002年にはバージョン5をリリース

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図1■Cosminexusの各バージョンごとに実現されてきた主な事項


 日立のJavaに対する取り組みは早いものでした。1997年の段階でWeb、Java、CORBAなどの標準技術を企業情報システムへと活用できるようコンセプト発表をしています。1998年には、このコンセプトを具体化する製品としてCosminexusの前身「日立アプリケーションサーバ」がリリースされています。これは、eマーケットプレイス「TWX-21」(Trade Winds on Extranet-21)を支える技術やノウハウを基としており、信頼性の高いものであったといえます。

 続くVersion 2では、主にメインフレームを中心とした既存システムやERPなどのパッケージを連携させるEAI(Enterprise Application Integration)機能をサポートしました。変化スピードが速い現代では、情報システムを一から開発していたのでは間に合いません。EAIは、新しいビジネスプロセスに基づいたシステムを構築する際、既存システムやパッケージを活用し、開発スピードの高速化、そして開発コストも軽減させるものです。EAI機能はこれ以降、Cosminexusの大きな特徴の1つとなりました。

 さらにネットビジネスの本格的な普及が始まった2000年には、日本で最初にJ2EEブランドを取得したアプリケーションサーバとしてVersion 3がリリースされています。この時に名付けられたのが「Cosminexus」というわけです。

 その後、インターネットが急速に普及し、企業活動の中でその活用は不可欠となってきました。こうした状況を踏まえ、日立は2001年にインターネット技術を活用し、企業や組織や人が柔軟に協調しながら最大の価値を追求するビジネス形態「コラボレイティブEビジネス」というコンセプトを発表しました。これを具体化するためのEビジネスプラットフォームとして、「Cosminexus Version 4」をリリースしています。

 そしてコラボレイティブEビジネスの本格展開が始まったといえる2002年、「タフ&スピーディー」というキーワードと共にWebベースの基幹システム構築機能を強化した「Cosminexus Version 5」の提供を開始したのです。

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[友永佳津子,ITmedia]

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