エンタープライズ:ニュース 2003/12/05 13:31:00 更新


ジュニパーがNECと戦略的提携、ルータをOEM供給へ

ジュニパーネットワークスはNECとの協力関係を強化し、自社ルータをNECにOEM供給していく方針を明らかにした。

 ジュニパーネットワークス(ジュニパー)は12月4日、NECとの協力関係を強化することを明らかにした。NECはこれまでジュニパーと販売代理店契約を結んでいたが、その関係を強化。今後はジュニパーのルータ製品をOEM(相手先ブランドによる製造)調達していく方針だ。

 ジュニパーではこの発表に合わせて説明会を開催した。米Juniperの会長兼最高経営責任者(CEO)を務めるスコット・クレンズ氏は、今回の戦略的提携に関して、「NECの製品およびサービスとジュニパーのそれとは補完しあうものであり、市場にフィットしていくと思う」と述べている。

 ただし、具体的にどの製品をNECにOEM供給し、いつごろ供給が開始されるかは今のところ未定。顧客の声を汲み取りながら検討していくという。

 ジュニパーでは、いわゆる伝送網や電話交換機、音声関連の技術に加え、モバイル分野でのNECの技術に期待しているという。またジュニパー日本法人の代表取締役を務める大須賀雅憲氏によると、単にOEM供給するだけで終わるのではなく、個別の要件に合わせたチューニングやカスタマイズなどにも取り組んでいきたい考えで、既に具体的な顧客も浮上しているということだ。

 いずれにしても背景には、通信事業者やキャリアが次世代のコアネットワークを目指して取り組みを進めていることがあるだろう。高速なIPバックボーンに強みを発揮してきたジュニパーと、従来型電話網に関して国内で多くのノウハウ、技術を蓄積してきたNECが組むことにより、「市場における地位をさらに向上できるだろう」とクレンズ氏は述べている。

 クレンズ氏はまた、通信市場全体の動向について「ジュニパーが5四半期連続で成長を続けていることに見られるように、IPを中心とした次世代ネットワーク市場は、爆発的にではないにせよ今後も順調に成長していくだろう。一方、従来型のネットワークは縮小している。このため、通信業界全体として見ればフラットだといえるかもしれない」。そして、この成長する次世代コアネットワークに向けて、複数のアプリケーションやサービスに十分なインフラを提供できるようにすることを目指した「インフラネット構想」を推進していくとした。

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[高橋睦美,ITmedia]