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2004/01/29 16:35:00 更新


「欧米より日本の方がはるかに進んだ環境」、シスコがメトロ向けスイッチの新製品

シスコは、メトロイーサネットをターゲットにしたスイッチ新製品および機能拡張モジュールを発表した。広域イーサネットサービスやIP-VPNサービスのシェア争いでしのぎを削る国内通信事業者に対し、独自に差別化したサービス提供を可能にすることを狙った製品。

 シスコシステムズ(シスコ)は1月29日、メトロイーサネットをターゲットにしたスイッチ新製品および機能拡張モジュールを発表した。広域イーサネットサービスやIP-VPNサービスのシェア争いでしのぎを削る国内通信事業者に対し、独自に差別化したサービス提供を可能にすることを狙った製品。

 2月から販売を開始する新製品は、メトロイーサネット向けアクセススイッチ「Cisco Catalyst 3750 Metro」。階層型QoSやトラフィックシェーピング、VLAN IDマッピング、Ethernet over MPLS、MPLSなどといった機能を提供する。レイヤ2/3およびMPLS VPNなどで、SLAに基づいた収益性の高いサービスを可能にするとしている。

 「メトロネットワークは、欧米より日本の方がはるかに進んだ環境、日本で実績を残すことが世界をリードすることになると考える。現在、企業向けのブロードバンドサービスはATMやフレームリレーとなどから急速にイーサネットベースのサービスにシフトしてきている」とシスコの山中理恵氏(市場開発担当執行役員)。

 一方、通信事業者に対するユーザーからの要求に目をやると、単に高帯域を求める段階からQoSやリアルタイムモニタリング、SLAなどより高度なものへとシフト。これらニーズを満たすサービスを実現できる機能を提供しようというのが、今回発表した製品で狙うところだ。「帯域が増えたことで使われるアプリケーションが変わってきたことに注目する必要がある」(山中氏)

 現在、通信事業者は激しいマーケットシェア争いを繰り広げており、そのためには全国に多くの接続ポイントを持つことが重要となる。山中氏は「階層化QoSなどこれだけの機能をこの価格で提供できる製品はこれまでなかった」と、Catalyst 3750 Metroであれば、低価格かつ高機能で提供できるため競争力の高いエッジのソリューションになるとも予測する。

 Cisco Catalyst 3750 Metroの価格は、AC電源対応が127万9000円、DC電源対応が146万1000円。機能を付加するソフトウェアオプションのIP Services Feature Licenseが54万8000円、Adcanced IP Feature Licenseが219万3000円。

 ほか、新製品とともに発表されたのは、Cisco Catalyst 6500/Cisco 7600用の拡張モジュール「48ポート ミックスメディア ギガビットイーサネットモジュール」および、ハードウェアベースでMPLS/EoMPLSを高速に処理する「Supervisor Engine 720-3BX」。オプティカル製品として、Cisco ONS15454用のインタフェースカード「MLシリーズ」と、長距離伝送を可能にする10GE LAN-PHYなどを搭載した「10G/OC192マルチレートトランスポンダー」。

 価格は、Cisco Catalyst 6500/Cisco 7600用48ポート ミックスメディア ギガビットイーサネットモジュールが548万4000円、Supervisor Engine 720-3BXが731万2000円、Cisco ONS15454用のMLシリーズが34万9300円、10G/OC192マルチレートトランスポンダーが128万6000円。

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[堀 哲也,ITmedia]

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