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2004/02/11 07:08:00 更新


「10GbEの受け入れは進んでいる」とファウンドリー

米Foundry Networksの共同設立者でありフェローのリー・チェン氏が来日。10GbEはバックボーンテクノロジーとして確実に受け入れられつつあると語った。

 ファウンドリーネットワークスは、第4世代のASIC「Terathon」を搭載したテラビットクラスのレイヤ3スイッチ「BigIron MG8」とメトロルータ「NetIron 40G」向けに、新たに3種類のモジュールを追加した。

 同社は先に、両製品向けに4ポートの10ギガビットイーサネット(XENPAK)を備えたモジュールをリリース済みだ。これに対し今回提供されるのは、40ポートのギガビットイーサネット(ファイバー)を搭載したモジュールのほか、より低コストなギガビット・オーバー・カッパー(GoC)に対応した10/100/1000Mbps×40ポートのモジュールと、XENPAK対応の10GbE×2ポートのモジュールだ。これらモジュールの追加によって、ネットワークのニーズに合わせ、柔軟でコストパフォーマンスに優れた構成が可能になるという。

 この発表と前後して来日した、米Foundry Networksの共同設立者にしてフェローのリー・チェン氏は、日本国内でも既に4つの案件でBigIron MG8が採用されたことを踏まえ、「10GbEはバックボーンにおいて、GoCはアグリゲーションレイヤにおいて、それぞれ普及しつつある」との見方を示した。

チェン氏

「過去数年の不況によって、強いところが生き残ることになった。今後の市場だが、とりあえず今のところは順調そうだ」というチェン氏

 「確かにこれまでは、価格が10GbE普及の障壁になっていた。その大半は、オプティカル部品のコストだ。しかしXENPAKの登場によって価格は下がり、10GbEの導入が進んでいる。この動きはGoCによってさらに加速されるだろう」(チェン氏)。

 こうした動きが進めば、キャリアやサービスプロバイダーだけでなく、大規模企業においても10GbEに対するニーズが高まってくるだろうとチェン氏は言う。「価格が下がれば需要は付いてくる。この市場において、ファウンドリーはリーダーの地位を確保していきたい」(同氏)。

 そのためのフラグシップ製品が、BigIron MG8だ。チェン氏いわく「真に10ギガに対応したノンブロッキングスイッチ」であり、遅延は10ミリ秒以下、ワイヤスピードでのACLをサポートするほか、sFlowによるモニタリングなどをサポートしている。この製品を軸に、過去最高額を記録したという2003年以上の売り上げを狙うという。

パフォーマンスとコストと機能と

 「グリッドに代表される分散コンピューティングが普及すればするほど、ネットワークトラフィックも増加する。遊んでいるコンピューティングパワーをうまく活用し、ミッションクリティカルな用途に利用していくには、強力なネットワークインフラが必要だ」(チェン氏)。

 こういった動きを踏まえれば、今後も常に帯域は必要とされ続けるだろうと同氏は言う。ファウンドリーでは、同社が掲げる「Power of Performance」というコンセプトのとおり、40Gbps、さらにはその先に向けた製品強化を続けていく計画という。

 一方で、「市場は成熟しており、スピードだけでは要件を満たせない」(チェン氏)のも事実。コストパフォーマンスの追及はもちろんのこと、物理的、ネットワーク的な冗長化や、sFlow、IronView Network Managerを通じて提供する管理機能、デバッグ機能やトラフィックトレースといったさまざまな機能が求められるようになっているという。特に日本でのニーズを踏まえ、2004年後半にはIPv6のサポートを計画しているということだ。

 また、「セキュリティは非常に大きな問題であり、さまざまなレベルがある。1社だけで解決できるものではなく、業界全体の取り組みが必要だ。理想を言えば、1カ所に集中させるのではなく分散したセキュリティが必要だ」(チェン氏)。

 チェン氏はまた、機器のセキュリティ機能を強化するだけでなく、レイヤ4〜7レベルのセキュリティにフォーカスした、アプライアンスタイプの製品をリリースする方針も示唆した。詳細はまだ明らかにできないが、今年後半に、小規模オフィスや家庭での利用を視野に入れたセキュリティ製品の投入を計画しているという。

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[高橋睦美,ITmedia]

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