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2004/03/31 14:14 更新


「Asianux」はベータ版の段階に、パートナープログラムも発表

ミラクル・リナックスとRed Flag Softwareが共同で開発を進めるアジアのエンタープライズシステム向けLinuxディストリビューション「Asianux」のβ版がフリーズされた。同時にパートナープログラムも発表されている。

 ミラクル・リナックスとRed Flag Software(中国名:北京中科紅旗軟件技術有限公司)は3月31日、両社が進めるアジアのエンタープライズ向けLinuxディストリビューション「Asianux 1.0」のベータ版が開発完了したことに合わせて、認定アプリケーションプログラム「AsianuxCertification Program」を発表した。

Asianuxの製品は6月にリリース予定

 Asianux1.0は、ミラクル・リナックスとRed Flag Softwareが共同で開発したアジアのエンタープライズシステム向けLinuxディストリビューション。両社は北京にあるオラクル中国開発センター内に結成された共同チームで、それぞれの技術を共有補完し、カーネルやライブラリなどの中核部分を開発している。

 Asianuxの位置付け的にはUnitedLinuxと同様のものと考えればよい。そのため、両社から発売される際は、ローカライズを行ったうえで、それぞれのブランド名「MIRACLE LINUX V3.0」、「Red Flag DC 4.1」として提供される。

 また、UnitedLinuxが実際にはSUSE Linuxベースであったのに対し、Asianuxはミラクル・リナックスの「MIRACLE LINUX V2.1」とRed Flag Softwareの「Red Flag DC 4.0」、Red Hatの「Red Hat Enterprise Linux 3」をベースとしたものになる。Red Hatとの差別化ポイントを挙げるなら、独自のパートナー制度によるハード/ソフトの動作検証やサポートが挙げられるだろう。

 当初の予定では、3月にはベータ版、5月には製品として発表するとしていたが、若干の遅れが出ているようで、現時点で、製品のリリースは6月中旬を予定している。

早期検証で中国市場を狙うベンダー各社

 本日合わせて発表された「Asianux Certification Program」は、ISV、IHV各社がAsianux上で製品の検証行うことを支援するパートナープログラム。ミラクル・リナックスとRed Flag Softwareは、同プログラムの参加パートナーに対し、最新のAsianuxベータ版、技術情報、サポート、Red Flag Software、ミラクル・リナックス製品への早期評価を含む様々な資料を提供していく。

 これにより、パートナー各社は、既存製品の互換性の検証、Asianuxの新機能を利用した新製品の開発などを行えるようになる。

 同プログラムへの参加は、「MIRACLE LINUX V3.0」と「Red FlagDC4.1」という両ディストリビューションへの対応が一度に行えることを意味しており、今後、アジア圏における同プラットフォームの成長、さらにいえば、中国におけるLinux市場進出の足がかりとして捉えることができる。

「対応するソフトウェアやハードウェアを増やすことは、アジアにおけるエンタープライズLinuxを拡大推進していく上で、重要だと考えています。より多くのパートナーと協業し、Asianux上でのソリューションを広げることで、顧客の選択肢を増やします」(ミラクル・リナックス、代表取締役社長佐藤武氏)

 なお、同プログラムには、Oracleをはじめ、NECシステムテクノロジー、NECソフト、コンピュータ・アソシエイツなど40社以上の大手企業が現時点で参加を表明している。

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[西尾泰三,ITmedia]

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