特集
2004/04/23 17:45 更新
特集:第3回 Strutsをチーム開発に生かす「XDoclet」の活用 (1/8)
Struts利用で問題視される設定ファイルの肥大化、そして複数人でのファイル共有。これらの問題を解決すべく、XDocletは開発効率アップを実現してくれる。この特集では、Struts中級者へ向けた具体的な手法を解説していく。
Javaチャンネル特集「Strutsで作るWebアプリケーション入門」。第3回目は、活用方法のひとつ「XDoclet」と呼ぶツールを解説する。すでにStrutsをある程度触っている読者を対象とするため、基礎については第2回目までを参考にしてほしい。
2004年3月、Strutsはトップレベルプロジェクトへと昇格した
StrutsはApache Jakartaプロジェクトで開発されている、MVCモデル2アーキテクチャによるオープンソースのWebアプリケーションフレームワークだ。最近ではかなりの普及を見せており、JavaによるWebアプリケーションフレームワークのデファクトスタンダードとなりつつある。
また、Strutsは「Apache Software Foundation」のサブプロジェクトであるApache Jakartaプロジェクトで開発されていたが、2004年3月には「Apache Struts Project」として、Apache Software Foundationのトップレベルプロジェクトへと昇格した。このことからもStrutsがいかに世の中で注目を集め、開発者の間でも重要なプロジェクトとして認識されているかをうかがい知ることができるだろう。
アプリケーション開発におけるフレームワーク利用は、さまざまなメリットをもたらす。広く普及してくると、「スタンダードである」というメリットが相乗となる。書籍やWebによる多数の情報、そしてStrutsを使えるスキルを持つエンジニアが増えるとプロジェクトにも取り込みやすくなる、などのメリットだ。これらのメリットの相乗により、Strutsを採用するWebアプリケーションはますます増える一方だ。
しかし、Strutsの採用が増えるにしたがい、開発の現場では活用するがためのいろいろな問題が表面化してきている。この特集ではStruts中級者に向けた内容とし、「Struts設定ファイルの肥大化」、「設定ファイルを複数メンバーで共有メンテナンスする」際の問題点に焦点を当てた。この2点の問題に対し、「XDoclet」というツールを使うStruts開発手法を紹介していく。
ファイル生成ツール「XDoclet」がStruts活用の問題点を解決してくれる
「XDoclet」とは、オープンソースのファイルジェネレート(生成)ツールのことだ。Java Webアプリケーション、Strutsアプリケーション、EJBアプリケーション、Hibrenateアプリケーションなどに標準対応している。XDocletは、Javaソースコードや、ソースコードのJavadocコメントに記述されたXDoclet独自のタグの情報からJavaソースコードや設定ファイル等を自動生成するものだ。
たとえば、EJBコンポーネントを開発するには、1つのBeanにつき通常4〜10のファイル(ホーム/リモートインタフェースやデプロイメントディスクリプタなど)を作成しなくてはならない。EJBコンポーネントを開発にXDocletを利用すると、プログラマが作成するのはBean本体のソースコードのみでよく、ホーム/リモートインタフェースやデプロイメントディスクリプタなどはソースコードやJavadocコメントに記述されたXDoclet独自タグの情報からXDocletが自動生成してくれる。
このように、XDocletはEJBコンポーネント開発のためのツールとして知られているが、EJBだけではなくStrutsアプリケーション開発も強力にサポートするのだ。
XDocletにはweb.xml生成という機能もあるが、この特集では取り上げない。なぜならば、StrutsアプリケーションではServletはStrutsが標準で提供するActionServletひとつのみを使うことがほとんどであり、用意したweb.xmlへの変更はほとんど不要だからだ。
[阿島哲夫,ITmedia]
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