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2004/05/05 10:05 更新
基調講演：
究極はITとビジネスの整合性、ユーティリティコンピューティングでの優位性示すVeritas
「VERITAS VISION 2004」が開幕した。企業がITのユーティリティモデルに移行するうえでのVeritasの強みを強調。ユーティリティ化による究極の目標を達成するためには、ストレージから始めるのが良いという。
米国時間5月4日、ネバダ州ラスベガスのベネチアンホテルでVeritas Softwareの年次カンファレンス「VERITAS VISION 2004」が開幕した。
基調講演のホスト役を務めるジェレミー・バートン氏（チーフマーケティングオフィサー）は、過去最高の3400名の参加者を集めたと発表し、「ユーティリティコンピューティングを始めるのは、今だ」と話す。先に発表された2004年第1四半期の売上も前年同期比で24％アップし、年々成長を見せるなど、Veritasを勢いづかせる要素はいくつもある。
遡ること1年前、同社はユーティリティコンピューティングの実現というビジョンをこのVISIONカンファレンスで打ち出した。得意としてきたストレージ管理だけでなく、サーバ／アプリケーションレイヤを含めた使用量、コストを透明化して運用することで、ITインフラ全体をサービスとして提供できるユーティリティモデルを訴え始めた。このビジョンを具現化していくために、昨年のPrecise Software、Jereva Technologiesの買収に続き、今年に入ってもアプリケーションの仮想化技術を持つEjasentを買収するなど、動きも激しい。
開幕基調講演では、ゲイリー・ブルーム会長兼CEOが、企業がユーティリティモデルに移行するうえでの同社の強みを強調した。
同社のアドバンテージを発揮するものとして真っ先に挙げたのは、マルチベンダーに対応しているヘテロ戦略だ。「多くのベンダーが同様の（ユーティリティコンピューティング）のビジョンを持っている。だがシングルベンダーに縛られないのは唯一、Veritasだけ。これはつまり究極的な柔軟性があるということだ。顧客には選択の余地があるというのが重要だ」とブルームCEO。
同社が4月に行った調査結果からもこの戦略の正しさが支持されている。98％のCIOがシングルベンダーの独占的なシステム環境よりもマルチベンダー環境の方がコストメリット生まれると答え、97％がシングルベンダーのスタックを望まないと回答した。そして、96％が異なるハードウェアプラットフォームをシンプルなプロセスで簡単に運用管理できるソフトウェアを求めているという結果が出た。「企業は、マルチベンダー環境でユーティリティコンピューティングを実現していきたいと思っているのだ」と同氏。
この複雑化した環境をどのようにユーティリティモデルにシフトしていくのか？ ブルームCEOはその道筋を5つのステップで説明する。
まずは、複雑化しているシステム環境の状況を「発見（Discover）」し、複雑かつ分散した環境を「統合（Consolidate）」。管理手法を「標準化（Standardize）」して、これを複数ベンダー製品に対して共通適用すれば、「自動化（Automate）」により運用コストを劇的に削減できるという。その後、ITを「サービス（Service）」として提供するモデルに移行すれば、同氏が"究極の目標"と表現するITとビジネスの整合性がとれ、無駄な運用コストがなくなるというわけだ。
だが、その道程は短いものではないことは、Veritasも理解している。これを今から始めるなら「まずはストレージのユーティリティ化から行うのが一番だ」とブルームCEOは言う。ユーティリティにもっとも近いところにあるのがストレージだからだ。
Veritasは、ユーティリティの実現に向けて段階的という発想を重視しており、製品を組み合わせて段階的にユーティリティモデルにシフトしていけるように、ストレージ、サーバ、アプリケーションの3レイヤに分けて、可用性、パフォーマンス、自動化製品、とそのポートフォリオを拡充している。例えば、先に買収したEjasentの持つUpScaleの技術は、アプリケーションのアベイラビリティを担う製品と位置づけられてくる予定だ。
ちなみにブルームCEOはユーティリティ戦略を推進していくうえで、今後もアクティブM＆A戦略をとっていく姿勢も示した。
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Veritas Software[堀 哲也，ITmedia]
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