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2004/05/06 22:22 更新

基調講演:
IT部門の努力と価値がイコールになっていない、とバートンCMO

「VERITAS VISION 2004」は2日目を迎えた。基調講演には、ジェレミー・バートンCMOが登場。米Veritasの最新製品のデモンストレーションを披露した。

 フェドーラ帽にこげ茶の革ジャン、ロープで基調講演の壇上に降り立ったのは、インディ・ジョーンズならぬ、米Veritas Softwareのジェレミー・バートンCMO(チーフマーケティングオフィサー)。「VERITAS VISION 2004」は2日目の基調講演を迎えた。

 VISIONカンファレンスでは、すっかり恒例となった映画のパロディと合わせて製品紹介を行う同氏の基調講演。今年のタイトルは「The Utility Jones Trilogy(3部作)」。悪しきハードウェアベンダーの思惑に、ユーティリティ・ジョーンズが立ち向かい、ミッションクリティカルなアプリケーションのパフォーマンス劣化にとらわれた管理者を救い出す。そして、ITの聖杯を探す冒険に出るというストーリー。このショートムービーが流れるたび、会場はヒートアップした。

ジェレミー・バートン氏

同氏が今年ターゲットにした映画は「インディ・ジョーンズ」だった


 演出は派手だが、バートン氏は的確に企業の情報システムが抱える問題を指摘する。「今のITの管理にはオートメーションがない。労働集約型のマニュアル作業が多すぎる。IT部門の努力と価値がイコールになっていない」

 本来、ITは価値を生み出すものであるにもかかわらず、現在の複雑化した環境は運用管理コストの増大を招いている。この複雑性は、クライアント/サーバのモデルの登場により、重要性を増したネットワークの拡大によって起こされ、拡大と共に複雑性は年々増していく傾向にある。このため、多くの管理者を必要とし、それは直接コストとして跳ね返ることになる。

 この問題を解決するものとして、Veritasはユーティリティコンピューティングという新しい概念に移行していくことを求めている。マルチベンダーのハードやプラットフォーム環境で構築さているデータセンターであってもVeritasの管理ソフトであれば、管理手法を一つに簡素化できるのが、同社の戦略の大きな特徴だ。バートン氏はこのモデルを「ITの聖杯」だと表現する。

 同氏は、ユーティリティのモデルに近づくための具体的な製品として、可用性の観点からは同社の「VERITAS CommandVentral Avalability」を紹介。障害の起こったメールシステムの可用性を実現するために、ウィザード形式で、データセンターごと他のサイトに短時間で移行するデモを行ってみせた。

 またeコマースサイトのパフォーマンスに問題が生じた例を用い、Webサーバ、アプリケーションサーバ、データベース、ストレージの構成の中から、同社が昨年リリースしたアプリケーションパフォーマンス管理製品「VERITAS i3」を使いボトルネックを分析。I/Oに生じた問題を「VERITAS Storage Fundation」により高速なストレージにDBのファイルを移して解決して見せたデモを披露した。ちなみにこの二つの製品は、現状別々のコンソールで利用しなければならないが、今後コンソールが統一され、単一のコンソールから一連の流れを行えるようになる予定だ。

 また、同社の製品の統合の要となっており、開発に多大な力を注いで切るCommandCentralのファミリには、今回のVISIONカンファレンスで発表されたAvalaviltyとStorageに加え、Jereva Technologesの買収により手に入れたサーバの仮想化技術の「Opforce」が「CommandCentral Server」という形で登場することになるという。

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[堀 哲也,ITmedia]

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