レビュー
2004/05/13 13:55 更新


レビュー:VBユーザー獲得を狙う新たなIDE「Sun Java Studio Creator」 (1/3)

サンから新たなJava開発ツールの早期アクセス版リリースが行われている。コードネーム「Project Rave」と名づけられていたこの製品は、サンの思惑通りVisual Basicユーザー獲得へと結びつくだろうか? 検証してみよう。

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画面1■Sun Java Studio CreatorのWelcome画面


 2004年4月8日より、サン・マイクロシステムズ(以下、サン)からコードネーム「Project Rave」と呼ばれていた新たなJava開発ツール「Java Studio Creator」の早期アクセス版がリリースされた。狙いは、企業内ビジネスユーザーであり、Javaについて詳しくないものの手軽にアプリケーション開発を行いたい層へのアピールだ。製品版出荷は、2004年夏とアナウンスされている。

 この記事では、サンの新開発ツール「Java Studio Creator」によって、いかにJavaによるWebアプリケーションの開発が容易になるのか、またサンの狙いであるVisual Basicユーザの獲得につながるのか、という点について早期アクセス版を試用し、レビューしてみた。

コードネーム「Project Rave」はSun Java Studio Creatorへ

 「Project Rave」とは、2003年6月に行われた「JavaOne 2003」でサンによって打ち出されたキーワード「Ease of Development」(以下、EoD)を実現するための開発ツールである(関連ニュース)。「Project」という単語から誤解を招きやすいかもしれないが、これは「Java Studio Creator」のコードネームである。

 Java Studio Creatorは、先に述べたEoDを実現するために提供される開発ツールである。そのために、GUIの実装のしやすさやDBMSの操作の簡略化、設計からデバッグまでの一連の作業を統合させた環境を提供することに重点を置いている。またサンはProject Raveによって、これまでVisual BasicやVisual Basic.NET(以下、VB.NET)で比較的小規模な社内向けC/SアプリケーションやWebアプリケーション(ASP.NET)開発を行ってきた非Java開発者を、Java開発者へと迎える考えだ。当然、既にJavaを使いこなしているユーザにとっても生産性を大幅に向上させられるように工夫されている。それでは、どのようにJavaによるWebアプリケーション開発を容易にしていくのか? VB.NETによるWebアプリケーション開発と比較しながら検証してみよう。

 なお、Java Studio CreatorにはあらかじめPointBaseというDBMSが付属している。今回の記事においてもサンプルとして用意されているデータベースを用いた。

 また、アプリケーションサーバとしては「Sun Java System Application Server Platform Edition 8」が用意されている。これはサンがJava Studio Creatorで開発したWebアプリケーション向けJ2EE1.4対応アプリケーションサーバとして推奨している製品だ。また、デプロイメントサーバを開発環境と統合することで、開発からデプロイまでの一連の作業をシームレスに行うことができる。これはVB.NETとIISを連携させた開発環境と非常に近いものとなっている。

VB.NETによる開発との比較

 Java Studio Creatorの解説の前に、比較対象となるVBやVB.NETではどのようにC/Sシステムにおけるクライアントアプリケーション開発を行っていたのかという点について簡単にまとめておこう。恐らくほとんどの開発者は、次のような手順で行っているだろう(当然、開発によって順序は入れ替わることもある)。

1. GUIデザイン

2. イベントハンドラの記述

3. メインロジックの記述

4. テスト、デバッグ

 VB.NETでは「ボタンを押したときの処理は〜を行う」というような、直感的で分かりやすい開発スタイルとなっている。このため、初級者にとっても容易に、中上級者にとっては効率よく開発を進めていくことができる。さらに、比較的新たな技術であるASP.NETにより、いわゆるWebアプリケーションの開発においてもWindowsアプリケーション開発を行うかのような開発スタイルを提供した。今日では、旧ASPやCGIのようなHTMLとスクリプト言語が複雑に入り混じっているようなコードを記述する必要がない。

 これに対してJavaによるWebアプリケーション開発はどうだっただろうか。J2EEを開発に用いたWebアプリケーションでは、規模の大小に関わらず一定の手順を踏まえなければならなかった。単純なWebアプリケーションひとつ作るにも、JSPやJava Servlet、JavaBeansなど学ばなければならないことも多く、お世辞にも取り組みやすいとはいえない。また、フレームワークを用いることで生産性の向上を図ることも可能だが、大規模システムならともかく、中小規模では記述する設定ファイルの量などから工数が余計に掛かることもある。

 Java Studio Creatorでは上記の様な問題点を解消し、これまでVB.NETを主な開発言語として取り扱ってきたJava入門者にとっても、容易にサーブレットを利用した中小規模のWebアプリケーション開発が行える。

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[萩原 充,ITmedia]

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