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2004/05/13 20:43 更新


新たなアクセス戦略を具現化するシトリックス、MetaFrameのスイート製品を発表

シトリックスは、多様なアクセス環境から社内システムスへ柔軟に接続できるソフト製品群「Citrix MetaFrame Access Suite」を発表した。田中社長は「情報へのアクセスに注力しているのは唯一シトリックスだけ」と話す。

 シトリックス・システムズ・ジャパンは5月13日、多様なアクセス環境から社内システムスへ柔軟に接続できるソフトウェア製品群「Citrix MetaFrame Access Suite」を発表した。

 同スイートは、同社のフラッグシップ製品の最新版「MetaFrame Presentation Server 3.0」を基盤として、Webブラウザからあらゆる社内システムへのアクセスを可能にする「MataFrame Secure Access Manager 2.1」、シングルサインオン環境を可能にする「MetaFrame Password Manager 2.5」、リアルタイムにファイルを共有し共同作業環境を構築できる「MetaFrame Conferencing Manager 3.0」の4コンポーネントで構成される。

 このうちSecure Access ManagerとPassword Managerの2つは、今回新たに投入される新製品。また、基盤となるPresentetion Serverおよび、Conferencing Managerは最新版にバージョンアップした。

田中正利氏

昨年からアクセスに注力していると話す田中社長


 基盤製品のPresentetion Server 3.0では、ユーザーがデバイスを変更したりしても、以前使用したセッション画面を維持するSmoothRoaming機能を搭載しモバイル利用での利便性を高めた。また、同社のSpeedScreenテクノロジーを拡張し、動画やFlashなどのマルチメディアコンテンツ再生時のパフォーマンスを大幅に向上させながら、サーバの負荷や帯域幅の最適化を図っている。Conferencing Managerでは、同一ネットワーク外のユーザーも共同作業のセッションを共有できるようになった。

 新製品のSecure Access Managerは、SSLを使い暗号化された形でWebブラウザから社内情報システムに接続できるようにするソフト。特別なクライアントソフトを必要とせず、Webブラウザから安全に企業内のアプリケーションを利用できる。HTTP/HTTPSのほか、シトリックス独自の通信プロトコルICA(Independent Computing Architecture)をトンネリングでき、アプリケーションと情報を集約するポータル機能も提供する。

 もう一方の新製品Password Managerは、パスワードで保護されたアプリケーションやデータへのサインオンを可能にするPresentation Serverの追加ソフト。WindowsログオンからWebまで幅広いアプリケーションに対応したのが特徴という。

 出荷開始はPresentation Server 3.0およびConferencing Manager 3.0が5月13日からで、Secure Access Manager 、Password Managerが6月28日からを予定。ライセンス価格は、それぞれ24万7000円(5同時ユーザー)、8万4150円(5同時ユーザー)、49万3000円(20同時ユーザー)、30万2600円(20指定ユーザー)からとなっている。

 シトリックスは、サーバベースドコンピューティングを提唱してきたが、近年「アクセス」という言葉をビジネス戦略として使用している。田中正利社長は「情報システムはアプリケーションが増えて複雑化する中、それに接続するユーザーのアクセス形態も複雑化している。アクセスという切り口で情報システムを整理しなおすことが大切。情報へのアクセスに注力しているのは唯一シトリックスだけ」とその理由を説明した。この複雑化したアクセス環境を戦略的にまとめ上げられる製品として投入したのが、MetaFrame Access Suiteという。

 「サーバベースドコンピューティングは既にシトリックだけの言葉でなくなった。これからはシトリックスといえば、アクセスインフラストラクチャーを提供する企業としていきたい」(同氏)

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[堀 哲也,ITmedia]

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