e-ビジネス・オンデマンドで経営を革新――IBMのオンデマンド戦略
IBMのオンデマンド戦略では、ビジネス・トランスフォーメーションの領域を設けていることが、競合他社との大きな差別化ポイントになっている。ユーティリティ・コンピューティングを、e-ビジネス・オンデマンドのテクノロジー面での要素の1つに位置づけているIBMの取り組みをみていこう。
IBMは、ユーティリティ・コンピューティングを包含する上位概念として“オンデマンド”を提唱している。同社が推進するオートノミック(自律)・コンピューティングやグリッド・コンピューティングは、ユーザー企業のオンデマンド経営への移行、あるいはオンデマンド企業への変革を支援するためのインフラとして位置づけられ、“e-ビジネス・オンデマンド”技術として製品・サービスに組み込まれて提供されることとなる。
IBMのサム・パルミサーノCEOは、2002年10月末、取締役会長への就任が発表された翌日に大手顧客とアナリストの参加する集会で講演し、IBMは技術買収や研究開発、マーケティング活動などを含めて、ユーティリティ的な情報サービス提供を含むオンデマンド・コンピューティングの推進に100億ドル規模の投資を行なってきたと述べており、今後も積極的に推進していくとの意向を表明している。
コンピューティング環境や課金方式を指してオンデマンドあるいはユーティリティ・コンピューティングと称すことが多いが、同社のオンデマンド戦略では、ビジネス・トランスフォーメーションの領域を設けていることが、競合他社との大きな差別化ポイントになっている。では、ビジネス・トランスフォーメーションとはどういったものだろうか? 本記事ではビジネス・トランスフォーメーションで差別化を図るIBMのオンデマンド戦略を確認していこう。
本特集はソキウス・ジャパンが発刊している月刊誌「Open Enterprise Magazine」のコンテンツをPDF化したものを公開します。同特集は2003年12月号に掲載されたものです。 サイズ 514Kバイト次回はヒューレット・パッカードを取り上げる。「アダプティブ・エンタープライズ」構想を中心に進められている同社のユーティリティ・コンピューティングへの取り組みを確認していこう(5月24日公開予定)。
関連記事ユーティリティ・コンピューティングを知る――効率的なシステム活用へのアプローチ
[Open Enterprise Magazine]
Copyright (c) 2005 Socius Japan, Inc. All Right Reserved.