ネットワールドがAWSソリューションのディストリビューターとして存在感を高めている。取り扱い商材拡大と取引パートナーのAWS活用を促進する新たな取り組みの狙いと強みを聞いた。
ネットワールドがAmazon Web Services(AWS)を軸にクラウド領域の事業を拡大している。もともとVMwareの日本法人設立以前からVMware製品を取り扱うなど、プライベートクラウド/ハイブリッドクラウド構築や運用支援を得意とする同社だが、近年はAWSシステムの構築や再販、運用支援にも注力している。2024年には「CloudNeW for AWS」をスタートさせ、AWSアカウントの再販やAWS移行を支援する技術サービス「CloudPath Services」などに取り組んできた。「AWS Marketplace」においても「Channel Partner Private Offers」(CPPO)モデルを活用して独立系ソフトウェアベンダー(ISV)製品の再販を手掛け、AWSディストリビューターとしての存在感を強めつつある。
その同社が2025年6月、AWS Marketplaceにおける「Designated Seller of Record」(DSOR)モデルを活用したISVソリューションの再販をスタートさせた。従来のビジネスモデルの課題を解消し、同社と取引するパートナーとISV双方にメリットを生む仕組みを提供できるという。
DSORモデルに乗り出した理由について、ネットワールドの猪原伯光氏は、「もともとAWS MarketplaceにはISVが直販する場というイメージがありましたが、今後は当社のようなディストリビューターなどのチャネルを経由する販売が大きく成長するという見方もあります。DSORモデルを利用することで、これまで当社とAWS Marketplaceで取引のなかったAWSリセラー(以下、リセラー)やISVと組んでAWS Marketplaceでのビジネスを拡大していきたいと考えています」と語る。
AWS Marketplaceは、ISVが提供する各種ソリューションの検索からトライアル、購入、デプロイや管理がワンストップでできるデジタルストアフロントだ。エンドユーザー企業はAWS Marketplaceを介して各ソリューションを直接調達でき、契約や支払い手続きもAWS経由に一本化できる。AWS Marketplaceに登録されているソリューションは、原則としてAWSが規定するセキュリティとコンプライアンスの要件を満たしている点も調達を効率化する意味でメリットが大きい。
前述の通り、ネットワールドは2024年4月からAWS Marketplaceにおいて特定の顧客を対象にISV製品と自社サービスとを組み合わせて、特別な価格条件で再販するCPPOモデルの取引を扱ってきた。
今回新たに提供するDSORモデルは、窓口をディストリビューターに一本化し、リセラーとISVの間の取引管理を簡素化させる仕組みだ。こうして生まれた余剰リソースを生かせばリセラーは取り扱い商材の増加を、ISVは販路拡大を図るチャンスを得られるだろう。取引を簡素化できる上、複数の製品をネットワールドおよび同社の取引パートナーに一本化すれば価格面でもメリットが出る可能性がある。
ネットワールドの嶋田悟氏は「契約手続きを簡素化でき、コストパフォーマンスも高められるのがDSORモデルの最大のメリットです」と話す。
ISVがAWS Marketplaceに直接出品する際は、AWSとの契約の他、請求処理や技術サポートの提供、販売チャネルの管理も担う必要がある。グローバルベンダーであっても日本企業の商習慣への対応は必須だ。ネットワールドはDSORモデルで再販を手掛けるディストリビューターとして、AWS Marketplaceにおける販売促進を支援する。
「AWS Marketplaceへの出品は当社が代行します。既に出品されている製品であっても当社経由で販売することで、通常よりも有利な条件を顧客に提示可能です」(嶋田氏)
同社はすでにDSORモデルによるISV製品再販の第1弾として「CrowdStrike Falconプラットフォーム」の取り扱いを開始した。
「今後さらに取り扱い製品を拡充し、取引パートナー拡大につなげたいと考えています」(猪原氏)
さらにネットワールドは、パートナーのAWSビジネス拡大支援にも力を入れる。
「『AWSビジネスブーストプログラム』は、短期集中型でAWSビジネスの立ち上げから拡大までを支援するプログラムです。パートナーのティア昇格や認定資格の取得などを包括的にサポートします。AWSから直接トレーニングを受けた企業だけが提供できるもので、日本ではネットワールドが提供しています」(嶋田氏)
これに加え、120種類以上のクラウド移行支援メニューも用意する。例えば2025年6月には「Amazon Elastic VMware Service」(パブリックプレビュー版)の技術検証を実施しており、またVMware製品群のクラウド移行アセスメントサービス「CloudPath Services Assessment」の無償提供を間もなく開始する。VMwareとAWSの両方に深い知見を持つネットワールドが移行を伴走支援するサービスになる見込みだ。
「当社はAWSビジネスに参画してからわずか1年でアドバンストティアに昇格できました。これは技術力の高さと支援実績の豊富さが認められたためです。当社のAWS認定資格保有者はすでに100人を超えています。この技術力を生かし、導入支援やクラウド移行支援サービスといった包括的な支援メニューである『CloudPath Services』をAWS Marketplaceに出品することも検討しています」(猪原氏)
嶋田氏は「当社はAWS Marketplaceの市場開拓におけるリーダーとして、AWSと共同でビジネスを盛り上げたいと考えています。AWSビジネスの立ち上げや拡大を検討されている方は、ネットワールドにご相談ください」と呼びかけた。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2025年9月7日