Microsoft Intune導入後、設定のブラックボックス化や端末実態とのギャップに悩むケースがあります。運用が形骸化する原因や、Active Directory環境での考え方などをQ&Aで解説します。
「Microsoft Intune」(以下、Intune)は、「Windows」端末との親和性の高さから企業のデバイス管理基盤として普及しており、「Microsoft 365」のライセンスに含まれていることをきっかけに使い始める企業もあります。ただ、導入後に「Active Directory」(以下、AD)中心の管理から抜け切れなかったり、前任者の退職で設定がブラックボックスになったりと、運用面でつまずく例が散見されます。
クラウドネイティブの根本宗一郎氏と辻󠄀宗己氏(ともに情報システムセキュリティアドバイザー/デバイススペシャリスト)の知見を基に、Intuneの運用を最適化するポイントと同社の「Intuneマネジメントサービス」の特徴をQ&A形式で解説します。
Q Microsoft Intuneの設定がブラックボックス化したまま、運用が停滞・形骸化してしまうのはなぜですか?
A 過去の設定経緯が不明瞭な上に導入目的も曖昧だと、設定の妥当性や変更の要否を判断する基準がなく、既存設定を変えない現状維持に判断が傾きやすいためです。
クラウドネイティブの根本宗一郎氏は、問題が大きくなりがちなのは「目的を曖昧にしたまま導入を進めてしまうケース」だと指摘しています。「Intuneの導入目的を明確にしないと、設定の妥当性を判断できません。IT環境や業務の在り方が変化すれば設定の最適化が必要になりますが、判断基準となる目的がなければ変更の要否を決められません」(根本氏)
過去の設定経緯が不明瞭で、運用管理の目的もはっきりしない状態では、設定を変えたときの影響範囲を推測しにくくなります。その結果、既存の設定には手を付けないという判断に傾き、運用が停滞します。この状態のまま将来のOSアップデートなどで仕様や機能が変わると、必要な設定更新ができず、機能の停止やセキュリティ設定の不備といったリスクが表面化します。
導入時に見落とされがちなのが、エンドユーザーの業務や操作性への影響です。Intuneで統制を強めると、端末の初回登録作業やPCのログイン方式の変更、ローカル管理者権限の制限などが伴います。根本氏は「これまではエンドユーザーが自由にできたアプリケーションのインストールや設定変更などが、Intuneのローカル管理者権限の制限によって実行できなくなる場合があります」と述べ、業務で使っていたアプリケーションが使えなくなり、業務に支障を来すケースも想定されるといいます。導入前にエンドユーザーへの影響範囲を検証しておけば、情報システム部門と事業部門の負担を抑えられます。Intuneの導入をゴールにせず、導入後の運用とポリシーの見直しまでを計画に含めることが、デバイス管理のモダン化を進める重要なポイントです。
Q Microsoft Intuneの管理画面で設定したはずの内容が、端末に正しく反映されていないことはありますか?
A あります。運用支援の現場では、「Windows Autopilot」による端末セットアップの失敗や、更新プログラムの割り当て漏れでOSアップデートが全体の6割程度にしか適用されていなかったケースが確認されています。
Intuneの運用では、管理画面で想定した設定と端末側の実態にギャップが生じることがあります。他にも、「BitLocker」による暗号化が一部の端末に限られている、ローカル管理者パスワードが全端末で共通になっているといった「設定の不備」があり、これらはそのままセキュリティリスクになります。根本氏も「管理画面上では設定できているつもりでも、割り当て漏れや競合によって、端末が意図した状態になっていないケースはよくあります」と語っています。
こうしたギャップは、導入後の監視・保守体制の不備から生まれます。辻󠄀宗己氏は「初期導入時に設定したポリシーを定期的に確認する運用フローが構築されておらず、メンテナンスが滞っているケースが見受けられます。IT担当者が他の業務に追われて、設定の不備を検知する仕組みが欠如している状態です」と指摘しています。運用改善の第一歩は、現状の構成を正確に把握し、設計上の意図と実態との差分を可視化することです。
Q Active Directoryが残る環境でMicrosoft Intuneを使う場合、デバイスをActive DirectoryとMicrosoft Entra IDの両方に参加させるハイブリッド構成を続けてよいのでしょうか?
A 導入時にデバイスのハイブリッド構成を選んだとしても、長期間続けることが自社にとって最適とは限らず、2〜3年後の環境変化を見据えて構成を決める必要がある、というのが専門家の見解です。
オンプレミスのADが残る環境でIntuneを使う場合、デバイスをどの方式で管理するか、AD時代のグループポリシーをそのまま引き継ぐのか、パスワードレス認証のようなクラウド前提の仕組みをどう取り入れるのかといった点が、十分に検討されないまま決まっていることがあります。最適解はデバイスの種類や業務要件、将来のシステム構成によって異なるため、中長期的なIT戦略から逆算して決める必要があります。
既存のオンプレミス環境を縮小するか廃止するかによって、デバイス管理の要件は変わります。オンプレミスシステムへの依存が一部の業務に限られる場合は、それ以外のデバイスを「Microsoft Entra ID」(以下、Entra ID)とIntuneの統合管理へ段階的に移すクラウドシフトのアプローチが有効です。その際は、既存環境の機能を「残すもの」と「クラウドへ移行するもの」に分けて要件を定義しておきたいところです。
辻󠄀氏は「ADに依存した構成のまま移行の時期を迎えると、その制約によって、切り替え時のエンドユーザーへの影響やIT管理者の作業負荷が大きくなりかねません。設計・導入の段階から将来の移行を見据えて環境を整備することで、移行時の負担を抑制できます」と述べています。オンプレミスインフラを維持するかどうかの判断は、システム構成や業務要件によって変わります。大切なのは、初期構成をそのまま踏襲せず、現在の要件に対して最適かどうかを定期的に検証するプロセスを運用に組み込むことです。
Q クラウドネイティブのIntuneマネジメントサービスは、どのような支援を、どの段階から受けられますか?
A 現状診断(アセスメント)から設計・構築、運用マネージドまでを体系化しており、企業のフェーズに応じてどの段階からでも利用できる点が特徴です。
クラウドネイティブは、情報システム部門が抱える課題全般を支援してきた知見を生かしてIntuneマネジメントサービスを提供しています。支援範囲は5つのメニューで構成されています。入り口となる「現状診断(アセスメント)」は期間2〜4週間で、現行の設定やポリシーを診断し、ゼロトラストの観点から評価した上で、最適化の方針をレポートで報告します。続く「スタートアップPoC」は1〜2カ月で、パイロット環境の構築やゼロタッチ展開の検証、設定・アプリ配布の検証などを行います。
同社が特に推奨する「環境設計・構築(スタンダード)」は2〜3カ月の期間で、Intuneのポリシー設計、Windows Autopilotや「Apple Business」との連携、ゼロタッチ展開の構成、マルチOSの統合管理設計などを手掛けます。3〜6カ月の「ゼロトラスト統合構築」では、IntuneとEntra ID、条件付きアクセスを組み合わせた構築や他製品との連携、ゼロトラスト全体の設計に踏み込みます。導入後を支える「運用マネージドサービス」は月次契約で、ポリシー変更やOSアップデート管理、月次レポートと定例会を提供し、EDR運用サービスとのセット提案も用意しています。
どの段階からでも利用できる理由は、サービスの成り立ちにあります。根本氏は「『導入から数年がたち、現在の構成のままで問題ないか確認してほしい』という現状診断の相談が増えています。もともと当社は、導入支援やオンプレミス環境からの移行、導入後の問い合わせ対応といった支援を個別に提供していました。これらを時系列で整理して体系化したのがIntuneマネジメントサービスです」と説明しています。
※サービス内容は2026年9月時点の情報に基づきます。
Q Intuneマネジメントサービスを提供するクラウドネイティブには、どのような実績や強みがありますか?
A ID管理、認証、セキュリティの専門チームが連携してシステム全体を最適化する体制と、日本マイクロソフトの認定を受けた専門性、実機で確かめてから提案する姿勢が強みです。
クラウドネイティブは、ID管理、認証、セキュリティなどの専門チームを社内に擁し、チーム同士が連携してシステム全体の最適化を支援しています。数万人規模の大手企業に対しても、管理画面で見落とされがちな設定漏れや、数千台規模のOSアップデート適用失敗などを能動的に検知し、改善提案をした実績があります。支援先は数名規模のスタートアップから数万人規模の企業まで幅広く、規模や導入段階を問わず相談できます。
同社はEntra IDやIntune、Windows Autopilotといったモダンなデバイス管理の技術に関する専門性を持つ企業として、日本マイクロソフトから「ゼロタッチデバイス管理パートナー」と「GIGAソリューションパートナー」の認定を受けています。その上で、実績と実体験に基づく助言を強みとしています。辻󠄀氏は「公式ドキュメントをうのみにせず、実際の動作や影響範囲を実機で確かめてから提案することを徹底しています」と話します。こうした取り組みが評価され、辻󠄀氏は2026年に「Microsoft Top Partner Engineer Award 2026」(Security部門)を受賞しました。
根本氏は「当社はデバイス管理だけでなく、システム全体を踏まえた現状把握から設計、運用まで提案できます。目の前の課題を解決することはもちろん、将来どう在りたいかを見据えて、情報システム部門とエンドユーザーの双方が業務を円滑に進められる状態を一緒に考え、伴走していきたいと考えています」と話しています。
Intuneは導入して終わりのツールではなく、運用の過程で構成を継続的に見直し、意図した状態へ近づけていく基盤です。根本氏は「よく『ベストプラクティスを教えてほしい』と聞かれますが、環境も目的も企業ごとに違うので、答えは一つではありません」と述べ、「何のためにIntuneで管理をするのか」という導入目的に立ち返って判断基準を明確にする必要があるとしています。
適切な管理状態を維持できてこそ、Intuneはエンドユーザーが安全に業務を進められる環境を支えるツールになります。現行のIntuneの構成や運用体制に不安がある場合は、Intuneマネジメントサービスの「エンドポイント現状診断」で、棚卸しとリスクの可視化から伴走してもらうのも一つの方法です。
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提供:株式会社クラウドネイティブ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2026年12月3日