特別企画
2004/05/12 00:00 更新

マイクロソフトのソリューションへの取り組み、そのすべてを網羅するイベントが全国規模で開催

今年も「the Microsoft Conference + expo 2004」が、6月2日 東京を皮切りに全国7都市で開催される。マイクロソフトの最新技術が一堂に会するこのイベントは、ITによってビジネスに変革をもたらしたいユーザー必見のセッションが満載となっている。

 2002年1月に、Microsoftのビル・ゲイツ氏が「Trustworthy Computing(信頼できるコンピューティング)」構想を掲げてから、早2年以上が経過した。この間にも、Windowsにまつわるさまざまな脆弱性が発見され、修正されてきた。SlammerやBlasterなど、Windowsプラットフォームをターゲットとするさまざまなワーム、ウイルス類も現れ、実際の被害報告もさまざま聞かれた。

 しかしながら、Windowsプラットフォームはこの過程で直面した問題点を糧に、着実にセキュリティ向上が図られているように思える。「セキュリティ」、「個人情報の保護」、「信頼性」、「一貫した対応」をキーワードに推し進められているTrustworthy Computingが、着実に成果を上げてきていると言えるのではないだろうか。特に、ユーザー任せになっていたセキュリティパッチだけに頼るのではなく、より良いパッチ管理ソリューションの模索や、ファイアウォールなどの防衛線を強化するなどの手段をも視野に入れ、トータルなセキュリティ向上のための方策がとられているからだ。

 今年、マイクロソフトでは、セキュリティに対する取り組みとして、3月にはSECURITY SUMMIT 2004を開催した。また、SECURE SYSTEM Training Tour 2004という、最新のセキュリティ技術を習得するための無料のトレーニングセミナーを全国47都道府県で開催しており、3月から6月までの間に300回以上をこなす。こうした取り組みがマイクロソフトの信頼性獲得に一役買っていることは間違いない。

 6月2日から東京を皮切りに全国7箇所で行われる、the Microsoft Conference + expo 2004(MSCE 2004)は、この「セキュリティ」に対する取り組みを含めて、マイクロソフトのこれからを知る良い機会となるだろう。

 MSCE 2004では、セッションをジャンル別に分類した「トラック」が6種類用意されている。やはり、最も注目されるのは「セキュリティトラック」だろう。マイクロソフトのセキュリティに対する方針や、新しい取り組みについて語られるセッションばかりでなく、今年後半までにリリース予定のWindows XP SP2で搭載される、PCをよりセキュアにする機能について語られるセッションがあり、また、企業内のWindowsベースのシステムに、最新の重要パッチを当て、適切な状態を維持するための作業を大幅に簡素化する、無償で提供されるWindows Update Serverといった製品などについても詳しく解説される予定だ。

 こうしたセキュリティに対するマイクロソフトの取り組みが評価された結果であろう、第9回目となる今回のMSCE 2004では、今までのMSCEときわめて異なる点がある。それは、基調講演のスピーカーだ。

 従来までは、基調講演となるオープニングセッション、キーノートは同社エグゼクティブなどの関係者によって執り行われてきた。今年はオープニングセッションのスピーカーこそ、米国帰りのマイクロソフト コーポレーション バイスプレジデント兼マイクロソフト株式会社 執行役 最高技術責任者 古川享氏であるが、それに続くキーノートは、社団法人 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)専務理事である細川泰秀氏による講演が予定されている。この講演では、JUASの調査データに基づき、企業が適切にIT投資を行うための考え方や方法、さらにはITの投資、推進を成功させるためのポイントについて語られる予定だ。

 細川泰秀氏は、富士製鐵株式会社(現新日本製鐵株式会社)、新日鐵本社を経て、新日鐵と日本 IBM が共同出資して設立した情報システムサービスのNS&Iに勤務、平成13年よりJUAS常務理事に着任、平成14年5月より専務理事を務めている。この略歴からお分かりのとおり、マイクロソフトとは関連のない、いわば部外者のスピーカーとなる。

 これは今までになかったことで、第三者機関によるマイクロソフトの信用度評価を裏付けるものと言えそうだ。ここ数年のマイクロソフトのセキュリティへの取り組みが、着実に実を結びつつあることを示しているとも言える。

 MSCE 2004では、セキュリティトラックのほかにも、計5つのトラックが用意されている。「システムインフラストラクチャトラック」、「コラボレーションインフラストラクチャトラック」、「アプリケーションインフラストラクチャトラック」、「デベロッパートラック」、そして「ケーススタディトラック」だ。これらのトラックで行われるセッションでは、さまざまな立場で、さまざまな悩みを抱えている担当者の、問題解決となる鍵が示される。

 システムインフラストラクチャトラックでは、主にITProと呼ばれる、情報システムやITインフラ、Webサイトなどの企画、設計、構築、運用に携わる人々をターゲットとして、サーバOSやクライアントOSに関連した内容がメインとして説明される。また、Windows Storage Server 2003、Virtual Server 2005、Microsoft Operations Manager 2005といった新製品の説明もある。さらに、TCOやセキュリティ、パフォーマンスや運用管理について、WindowsプラットフォームとLinuxを対比させ、WindowsとLinuxのどちらをプラットフォームとして選択するべきかといった説明も行われるので、ITProの方々には必見のトラックとなるだろう。

 コラボレーションインフラストラクチャトラックでは、ITProはもちろん、ユーザーの視点から見て、チームワークで業務をこなす場合に重要となるコラボレーション環境について解説が行われる。例えば、Microsoft Office Editionsはもちろんのこと、SharePoint Portal Server 2003の活用方法は、従来のワークフロー管理やグループウェアなどに疑問を感じているユーザーにとって、新しい発見となるだろう。このトラックでは、日本向けに開発されたGroupBoard、それを含むSmall Business Server 2003についての説明も行われる予定だ。

 アプリケーションインフラストラクチャトラックでは、ITProやデシジョンメーカー(意思決定権者)の参考となる、企業業務におけるアプリケーション構築の鍵が示される。例えば、ポータルと基幹システムの連携や、システムどうしを結びつける役割をするXML Webサービスについて、また、フォルトトレラント(無停止型)サーバの構築など、現実に即したソリューションが提示される。このトラックでは、新しいSQL ServerであるSQL Server 2005(コード名でYukonと呼ばれていたもの)やBizTalk Server 2004、Host Integration Server 2004などの新製品についても説明されるので、新しいテクノロジを求めているデシジョンメーカーの方々には興味深いものとなるだろう。

 さらにデベロッパートラックでは、開発者向けに、スマートクライアントおよびWebアプリケーションをキーに、Visual Studio .NETと.NET Frameworkによる優位性、高生産性といった特徴が解説される。.NET Framework上での開発に慎重な開発者も、ASP.NETのパフォーマンスに疑問を持っている開発者も、一度は確認しておいて損はない内容だろう。マイクロソフトが提唱するスマートクライアントがどういうものか、詳しく知りたい向きにも役に立つ。

 そしてケーススタディトラックでは、ITPro、ユーザー、デシジョンメーカー、開発者それぞれが抱える問題点の解決ヒントとなる、10以上のユーザー事例が紹介される。実際にユーザー企業からスピーカーが出て話される内容は、真に実践的な内容が期待できるはずだ。

 MSCE 2004では2日間の期間中、トータル50以上のセッションが行われる。これらのセッションは、それぞれの立場でさまざまな問題点を持っている参加者に分かりやすいよう、上記の6つのトラックに分類されている。

 ITProの一員としてネットワーク管理を行っている方々であれば、どうしてもセキュリティ確保の問題は避けて通れない問題だ。Windowsプラットフォームのセキュリティ確保のためにできること、また、マイクロソフトに期待できることを見分けるためにも、MSCE 2004のセキュリティトラックは役に立つだろう。

 進化し続けるIT技術と、自社のITインフラとのギャップに悩んでいたり、他社とのシステム相互接続で問題を抱えているITProやデシジョンメーカーの方々は、システムインフラストラクチャトラックやアプリケーションインフラストラクチャトラックが、問題解決の道しるべとなってくれるに違いない。

 チームワークを得意とするプロジェクトメンバーを自負するシステムユーザーであれば、コラボレーションインフラストラクチャトラックで解説される、新たなコラボレーションスタイルが、より効率的なチームワークに助言を与えてくれるだろう。

 もし、具体的なソリューションに興味があるなら、ぜひ、ケーススタディトラックを探してほしい。きっと探しているソリューションが見つかるだろう。

 MSCE 2004で扱われる内容は、ITPro、ユーザー、デシジョンメーカー、開発者など、それぞれの立場で直面している問題への解決策となるに違いない。参加は事前登録制なので、こちらのページから登録を行い、ぜひ足を運んでいただきたい。

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[宮内さとる,ITmedia]

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