ペタバイトを超える大量データ、あるいは非構造化データやリアルタイム性の高いデータなどの総称を指す「ビッグデータ」。IT業界ではすでにバズワードという段階を超えて、いかにビッグデータを分析、活用し、経営効果を高めていくかという点に議論が移りつつある。
あらゆる業界においてビッグデータの可能性が語られる中、昨年11月、三井情報(以下、MKI)とSAPジャパンが共同でユニークな取り組みを発表した。SAPジャパンのインメモリーコンピューティング「SAP HANA」を利用し、バイオサイエンス分野でのビッグデータ解析検証を始めるというものだ。まずは癌細胞のゲノム解析と、創薬開発プロセスにおける化合物データ解析に、ビッグデータソリューションを活用する実験をスタートするという。
本稿ではMKI 取締役 執行役員 CTO R&Dセンター センター長 加藤幸久氏に、バイオサイエンス業界をめぐる現状から、ビッグデータ活用が開く新しい可能性、そしてインメモリーソリューションとしてのSAP HANAの優位性について語ってもらった。
「超リアルタイムビジネスのお話」では、自転車にまつわるサプライチェーンを舞台にSAPの超リアルタイムビジネスで世の中がどのようにハッピーになるのか、花子ちゃんがご紹介します。
最近、街で颯爽とロードバイクやマウンテンバイクで駆け抜けていくシーンを見る機会が増えました。健康志向やエコブームだけではなく、東日本大震災で経験した交通障害も影響しているのでしょう。
かっこいい姿に惹かれて自転車購入を決断した時、どのような自転車を買えば良いのか、そのタイプや種類の多さに迷ってしまうのではないでしょうか。また、お気に入りの自転車があったとしても納品までに数週間かかると言われてしょうがなく別の自転車を買ったという話も珍しくありません。
実は自転車も自動車と同様にそのサプライチェーンはグローバルに及んでいます。自転車メーカーは国内外の部品メーカーから部品を調達します。そこからアジア諸国にある組み立て工場で半完成品の状態まで組み立てられてメーカー倉庫まで届けられます。最終的に消費者の好みに合わせてカスタマイズされた完成品を販売店へ納品し消費者の元に届けられていくのです。(場合によってはメーカーから消費者へ直販)
多国籍な企業がひとつの自転車に関わっているために、現状では一つの部品の納品遅れが原因となりサプライチェーンのリードタイムが長期化し、お客様が望むときに製品を届けられない、場合によっては販売機会を損失してしまうことにつながってしまいます。
さて、ご覧いただいたビデオでは自転車メーカーのREAL SPEEDとパーツメーカーのヨシノプロが登場します。パーツメーカーのヨシノプロはいまや世界中の自転車メーカーにギア等の様々な部品を供給しており、昨今の自転車ブームにのって自転車市場拡大を狙っています。そこで、以下の2点を実現するために超リアルタイムビジネスを取り入れることを決断しました。
1.部品不足等をなくし、自転車製造・物流にかかるリードタイムを圧倒的に短縮
2.初めて自転車を購入する人にその人の好みにぴったりな自転車を提案
ここでヨシノプロは他業界の超リアルタイムビジネス事例を参考にすることにしました。
スーパーマーケットの事例:
ヨーロッパのとあるスーパーマーケットでは、お客様の買い物を究極的に"楽"にすることを目的にシステム構築を進めています。オンラインサイトで、PCや携帯から注文をしておくと、2時間後以降、店舗で5分以内に全商品をまとめて受け取って帰ることができます。これを可能にするためにSAP HANAやSAP BIソリューションを活用して膨大な販売データなどを分析し、購買動向に基づいたレコメンドをすることができるようになっています。
食品卸業者の事例:
アメリカの食品卸業者では注文された食材を顧客の希望通りに届けるために、SAP HANAやSAP BIソリューションを活用して物流状況をリアルタイムに可視化しています。
他業界では既に超リアルタイムビジネスが実現されています。そしてSAP HANAを使えば、自社内に溜まっている過去の販売データだけでなく、"今"店舗で売れているもの、"今"ソーシャルで話題になっているもの等の"今"を知りサプライチェーン計画の組み換えを行ったり、営業・マーケティング部門は行動に移すことができるようになることが分かりました。また、物流の最適化にまで使えることが分かったのも収穫でした。
ヨシノプロは始めにSAP HANAを使ってお客様のニーズに合った自転車を提案する仕組み作りを行いました。自転車販売店のリアルな在庫情報を収集し、各自転車メーカーがその情報を利用できるようにしました。また購買履歴や検索履歴、ソーシャル上の人気等のビッグデータを瞬時に分析するサービスを構築し自転車メーカーがクラウド上で利用できるようにしました。各自転車メーカーはそれらの情報を活用しWeb上で自動的にお好みの自転車を提案できるようになる訳です。
さらに自転車メーカーはこれらの情報からリアルタイムに需要予測を行うことができるようになり、部品の発注や自転車の製造を最適化することもできるようになりました。これにより欠品による販売機会損失を防ぐことができるようになります。
最後にヨシノプロは部品メーカーから物流会社までのサプライチェーン上でのデータのやり取りをSAP HANAのリアルタイム同期機能(SLT)を使い、リアルタイム連携する仕組みを整えました。これによりサプライチェーンのリードタイムを圧倒的に短縮し、お客様を待たせることなく欲しい自転車を届けることができるようになりました。
なお、これらシステムの構築にあたり、ヨシノプロは全ての情報にモバイル端末からアクセスできるようにしました。少し話は逸れますが、2011年のアメリカのブラック・フライデーではセール品を求めてショッピングに来た人たちの多くがスマートフォンを見ながら商品を探していたそうです。お客様は欲しいものを欲しい時にモバイルで探す時代です。よって、ヨシノプロもSAPのMobileソリューションを使ってお客様をはじめあらゆる関係者が各種情報にモバイルでアクセスできるようにしました。これにより真の超リアルタイムが実現することになる訳です。
以上のようにヨシノプロは他業界の実例を参考に自転車サプライチェーンを改革し、自転車に関わる人たちにとってハッピーな世界を作り上げました。これにより自転車に乗るかっこ良いお父様方が街に増えるのは間違いありません。
*上記システムで使われるSAPソリューション
SAP HANA:今までより10,000倍も高速に大量データを分析することができるインメモリーデータベース。各システム間で高速にデータレプリケーションすることもできる。(基幹システムからBIシステムへのリアルタイムデータコピーや、各拠点にあるシステムのデータをリアルタイムコピーして一つに集約等)
SAP BusinessObjectsソリューション:各種分析やレポートを簡単かつグラフィカルに行うBIソリューション群。
SAP Mobileソリューション:各種SAPソリューションをモバイル端末でリアルタイムにアクセスしたり、モバイル端末を簡単に一括管理するソリューション群。
従来のリレーショナルデータベースでは数分かかっていた何億件もの膨大なデータ処理をインメモリーコンピューティングSAP HANAなら数秒というスピードで可能になりました。大量データの収集/分析が超リアルタイムで実現することで、単なる業務効率化やスピードアップを超えた、新たなビジネススタイルや業務プロセスを生むことができます。インメモリーコンピューティング技術がなぜそんなに早いのか、数分で分かりやすくご紹介します。
以下のチャプターでわかりやすくご紹介します
00:00 | 想像を超える1万倍速のパラダイムシフトとは? |
01:58 | 新しいデータベース技術が必要な理由 |
02:58 | インメモリーコンピューティング SAP HANAが革新的な訳 |
05:08 | SAP HANAが可能にする超リアルタイムビジネスの姿 |
06:56 | 非常にコンパクトでコスト面に優れたSAP HANA アプライアンス |
07:50 | エンディング |
提供:SAPジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2012年3月15日
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データ量の急激な増加を受け、企業はその膨大なデータ管理と活用に悩みを抱えている。今後一層、業務システムに対して、経営層から現場の管理職、ユーザーまでの全員が、Google検索のようなレスポンスの速さを求めるようになる。その処理速度を実現するのが、インメモリーコンピューティングテクノロジーである。
本調査は、オックスフォード・エコノミスク社が2011年3月に、世界13カ国の525名のビジネスリーダーを対象に実施したものである。
SAPのインメモリーテクノロジーはお客様の”超リアルタイムビジネス”を支援します