セキュリティとTCO削減がCitrix MetaFrame Access Suiteの追い風に
特定のアプリケーションと密接に結びつけて導入してきたCitrixユーザーが多かったが、ここへきて外的要因や新しい技術の登場が、システム基盤としてMetaFrame Access Suiteの重要性を際立たせている。「情報漏えい」と「VoIP」だ。
依然として「サーバベーストコンピューティング」のベンダーという印象が根強いシトリックス・システムズ・ジャパンは、販売キャンペーンやセミナーをテコにし、「アクセスインフラストラクチャ」のベンダーへの脱皮を図る。
アプリケーションや情報へのアクセスをよりセキュアで柔軟にしてくれるアクセスインフラストラクチャの市場規模は、2007年には216億ドルに達するとみられている(IDCの市場定義によってCitrix Systemsが試算)。
同社は5月、日本市場でも「Citrix MetaFrame Access Suite」を発表し、企業にアクセス戦略立案の必要性を訴えてきた。海の向こうでは10月初め、フロリダ州オーランドの「Citrix iForum 2004」でアクセスインフラストラクチャの核となる8つの機能がメッセージとして打ち出されたが、日本のユーザーの実情を踏まえ、先ずはアクセス戦略の必要性から再度啓蒙していきたいとしている。
「日本のMetaFrame Presentation Server(旧MetaFrame Server)ユーザーは、個々のアプリケーションと密接に結びつけて導入している。すぐに“アクセスインフラストラクチャ”を理解してもらうのは難しいと思う」と話すのは、シトリックスでシニアプロダクトマーケティングマネジャーを務める今野尚昭氏。
しかし、ここへきて外的要因や新しい技術の登場が、システム基盤として同社のMetaFrame Access Suiteを検討してもらうきっかけとなってきた。「情報漏えい」と「VoIP」だ。
セキュリティは待ったなし
相次ぐ情報漏えい事件を受け、来春から個人情報保護法が施行される。企業は待ったなしでその対策を迫られている。MetaFrame Presentation Serverをインフラとして導入すれば、例えば、コンタクトセンターのオペレーターは個人情報を単にイメージとして目にしているだけで、ローカルストレージに保存することも制限できる。MetaFrame Access Suiteの一部となっているMetaFrame Secure Access Managerを組み合わせれば、ロールによってアプリケーションやデータへのアクセスをさらにきめ細かに制御できるようになる。
VoIPとアクセスインフラストラクチャの関連性は、少し分りづらいが、CitrixテクノロジーのコアともいえるICA(Independent Communication Architecture)のプロトコルを考えてほしい。極めて効率的に画面のイメージを端末側に送り、キーボードからの入力を受け取るICAでは、狭い帯域幅で快適にアプリケーションと情報をサービスできる。
電子メールを考えてみるだけでもそれはよく分るだろう。サーバとクライアントのあいだで巨大なデータのやり取りが必要ないからだ。サーバ上で稼動するメールクライアントがサーバからメールを受け取る、つまりサーバ内のデータのやり取りで済んでしまう。コスト削減を狙ってVoIPの導入が始まると、同じ帯域幅を共有するデータは少なければ少ない方がいい。
もちろん、クライアントソフトウェアは1つのイメージを共有するため、アップデートやパッチが頻繁に出されるアプリケーションの保守にも効果が極めて高いことは言うまでもない。企業が、例えばInternet Explorerの設定を統一して使わせたい場合にも有効だ。
「セキュリティとTCO削減という2つのポイントから市場を拡大できると期待している。先ずはシステムの基盤としてMetaFrame Presentation Serverを導入してもらい、アクセスストラテジーの立案へとユーザーらを促していきたい」と今野氏は話す。
シトリックスでは、Citrix MetaFrame Access Suiteの販売促進を狙い、年内は約30%オフとなる期間限定特別価格を設定しているほか、12月中旬には東京と大阪で「ITリスク管理」と「サーバベーストコンピューティング」をテーマにセミナーも開催する予定だ。
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