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続報! ATOK/一太郎UNIX USER2004年12月号特別企画より転載(3/4 ページ)

12月22日にATOK/一太郎のLinux版が発売される。どのような製品となっているのか気になっている方は多いだろう。ここでは、開発版の情報をベースに、機能や仕組みなどについて紹介していこう。

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 これまでLinux上で動く一太郎といえば「一太郎Ark」があったが、これはJavaベースのソフトウェアなので、とくにLinuxだけに限らない。しかも、機能的にはシンプルに構成され、通常のWindows版一太郎とは大きく異なる。今回発売される一太郎 for Linuxが実質的に初のLinux版一太郎といっていいだろう。

 とはいえ、この一太郎 for Linuxも、Linuxネイティブなアプリケーションではない。本誌でも何度かお伝えしているように、Wine*上で動くWindowsプログラムである。単純な利用だけならWineが動作していることを意識しないで済むよう作られているが、どのように動いているか知っておくに越したことはない。まずは、その動作の仕組みから紹介していこう。

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 Wineは、Windows 3.1用またはWin32アプリケーション、DOSアプリケーションを、UNIXおよびXウィンドウシステム11環境で動作させるためのソフトウェア(ラッパー)である(図7)。一太郎 for Linuxは、カスタマイズされたWine環境と、Windows版の一太郎2004がWine上でうまく動作するよう調整されたものから構成されている。

図7
図7 Wineの仕組み(クリックで拡大します)

 ジャストシステム ビジネスアプリケーション製品開発部の竹野氏によると、Wineのバージョンは2003年末のものであり、このバージョンをベースに改良・不具合の修正を行ってきたという。修正内容の一部はWineの開発プロジェクトにフィードバック済みで、実際、WineのChangeLogを見ると、竹野氏の名前を発見できる。

 Wineの動作環境は、Windowsのファイルツリーを模した構成になっており、特定ディレクトリ下にWindowsでいうところのCドライブ以下と同じようなファイル構成を持っている。一太郎 for Linuxでは、/opt/JWD/Cディレクトリ*以下にWine環境が作られ、このProgram Filesディレクトリ下に一太郎のプログラム群が置かれる(図8)。

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 Wineに閉じた環境となるため、いくつかの制限もある。機能的な面では、日本語入力はWine環境への入力となるので、IIIMFは使えず、Xウィンドウシステム標準のXIM経由となる。そのため、アプリケーションからの情報が必要な機能である、再変換や縦書き入力時の縦書き候補表示などは利用できない。また、ファイルシステムへのアクセスやフォントの扱いも通常のLinuxアプリケーションとは異なる環境となる。

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 一太郎から見るとWindows上で動作しているような状態だ。ファイルシステムへのアクセスは仮想的なWindowsドライブの構成となる。これはあらかじめ割り当てられており、図9のようなマッピングがされている。/mnt/floppyはAドライブに、ホームディレクトリはDドライブ、CD-ROMドライブはGドライブにといった形だ。割り当ては、この画面のJS環境設定からカスタマイズ可能である。

図9
図9 Wine環境のドライブ割り当て(クリックで拡大します)

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