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続報! ATOK/一太郎UNIX USER2004年12月号特別企画より転載(4/4 ページ)

12月22日にATOK/一太郎のLinux版が発売される。どのような製品となっているのか気になっている方は多いだろう。ここでは、開発版の情報をベースに、機能や仕組みなどについて紹介していこう。

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 Wine自体はXウィンドウシステム上で動作するが、その中で動作するアプリケーションが使えるフォントは、Windowsディレクトリ下などに用意された仮想Windows環境のものだけである。OS側に用意されているフォントはそのままでは利用できない。OS標準のフォントをWine環境で利用するには、Wine環境のディレクトリへ、ファイルをコピーしたり、リンクしたりといったことが必要となる。

 一太郎 for Linuxでは、Wine環境内に、通常の一太郎にバンドルされているJSフォント群のほか、MS明朝/ゴシックと互換性のある*リコー製TrueTypeフォントをJLフォントという名前で用意している。

 フォントの互換性に関しては考慮されており、Windows上で作成したドキュメントを読み込む場合、一太郎/Wine環境上にないフォントは自動的にマップされるようになっている(図10)。また、フォントマッピングの設定は変更でき(図11)、たとえば、MS明朝の表示はJL明朝に置き換えるが、Windows上で作業しているのと同じになるよう、JL明朝で表示していてもフォント名をMS明朝とするといった設定も可能だ(図12)。この機能をうまく使えば、WindowsとLinuxの両方が混在していてもドキュメントのやり取りがスムーズにできるだろう。

図10
図10 Windowsで作成した文書を読み込んだときのダイアログ。フォントが置き換えられる(クリックで拡大します)
図11
図11 フォントマッピングの設定。Windowsとの互換性向上のため、和文2書体、欧文2書体を用意している(クリックで拡大します)
図12
図12 実際に使われているのはJLフォントだが、MS明朝/ゴシックがあるかのように扱える(クリックで拡大します)

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 WindowsではOSが統合された描画・印刷機構(GDI)を持っているため、アプリケーションはOSへ印刷したいイメージを渡せばいいだけになっている。一方、LinuxではOSに統合された描画・印刷機構がないため、通常は各アプリケーションで印刷イメージをPostScript*として作成し、それを別の印刷システムが処理するといったことが必要である。最近は印刷システムとしてCUPS*が普及してきており、WineからもCUPSを利用できる。

 一太郎 for LinuxもLinux環境の事情に合わせ、印刷ダイアログでは、CUPSを経由する通常の印刷のほか、チェックボックスにチェックを入れることで、PostScriptファイルを出力できるようになっている。

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 以上をまとめると、一太郎 for Linuxは、次のようなイメージとなる。

 一太郎 for Linux =
   Wine 2003年末版
  +Windows版一太郎2004
  +Windows互換フォント
  +ATOK for Linux

 一太郎 for Linuxの製品にはATOK for Linuxが同梱され、動作環境は前述のATOK for Linux(表1)と同じだ。対応フォーマットはリスト2で、一太郎2004では、とくにWord文書との互換性を強化している。そのほか、一太郎2004の目玉である、積み木の組み合わせのように文書を扱えるシンキングバーなど、一太郎自体の特徴や以前のバージョンとの比較については、次のURLを参照していただくといいだろう。

http://www.ichitaro.com/2004/verup/spec.html

リスト2 対応フォーマット

一太郎ファイル(電子署名付きの暗号化した一太郎ドキュメント*.JSTDには未対応)
テキストファイル
HTMLファイル
Microsoft Wordファイル(バージョン5〜2003)
リッチテキストファイル
表計算ファイル(読み込みのみ:三四郎、Excel、ロータス123)

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