PeopleSoft買収決着、その背景にあるものは?(2/2 ページ)
急転決着したPeopleSoftへの敵対買収は、業界再編の潮流の中にあり、「完璧なインフラ」「一貫性のあるコンピューティング」を望む顧客の声にこたえるものだとOracle幹部は主張する。
やはり同じ日、日本人プレスとの共同インタビューに応じたOracle取締役会議長のジェフ・ヘンリー氏は、「ソフトウェア業界では業界再編が急速に進んでいる。例えば、データベースだが、1990年代初めはInformixやIngressといったさまざまなプレーヤーが乱立していたが統合されてしまった。それはTCOと複雑さを軽減できる完全なソリューションが欲しいという顧客の声を反映したものだ」と話し、PeopleSoft買収も業界の大きな潮流に沿ったものだとした。
今年1月のOracle AppsWorld 2004 San Diegoで同社は「Oracle Information Architecture」を明確に打ち出している。「グリッド」「Data Hub」「インテグレーションサービス」「ビジネスプロセス」「インフォメーションアクセス」というレイヤ構造を取り、自社製品を単一のアーキテクチャの下に体系化・統合化するのが狙いだ。
フィリップス社長はOracle OpenWorldのオープニングセッションでも「Oracle Information Architectureの下、400を超える製品の共通するサービスを整理してきた。すべてが一緒に機能する完璧なインフラ、一貫性のあるコンピューティングを望む顧客の声にこたえていく」と話した。
ヘンリー議長も「われわれにとって顧客が増えることは何よりも戦略的に重要だが、たくさんのアプリケーションを単一のアーキテクチャにまとめ上げることは顧客のメリットになる」とPeopleSoft買収の意義を説明した。
Oracleは、エリソン氏が公約した「過剰なくらいのサポート」を継続していく責任を負う一方、さらなる買収も検討している。豊富な機能を誇るSAPに追いつくには、業界別のソリューションを追加する必要があるからだ。
「買収によって補い、既存の製品ラインを強化し、進化したい」とヘンリー氏は話す。
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