アイデンティティーとポリシーでITリソース管理を自動化するNovell ZENworks:BrainShare 2005 Report(2/2 ページ)
「Linux」+「アイデンティティー」にフォーカスするNovellがBrainShare 2005でZENworks Suiteの新製品を発表した。「ZENworksのROIは1000%」とマレイ副社長は話す。
こうしたライフサイクル全体を管理できるのもZENworksを際立たせている。マレイ氏は、OSの移行を例に説明する。
「OSを移行する場合、先ず、どんなアプリケーションが稼動しているか理解しなければならないし、ハードウェアがOSの稼動要件を満たしているかどうかも分らなければならない。また、壁紙も含めたエンドユーザーのパーソナリティーも引き継ぐ必要がある」(マレイ氏)
すべての技術や製品の基盤をLinuxで標準化しつつあるNovellにとっては、特にWindowsからLinuxへの移行支援が戦略的に重要になる。しかし、エンドユーザーの立場からすれば、Windowsの使い勝手の良さを失いたくないし、使い慣れたアプリケーションもある。運用管理者は、可能な限り、それまでの古い環境と似た環境を用意しなければならないだろう。しかも、自動的に、だ。
「WindowsからLinuxへの移行を自動化できるのか? 既にWindowsのバージョンアップではパーソナリティーを含めて移行できるし、2006年の出荷を目標にWindowsからLinuxへの移行機能も開発中だ。現在でもツールセットと手作業によって可能で、2004年のBrainShareでその機能をデモしている。現実味のあるものだ」(マレイ氏)
マレイ氏は、Microsoft OfficeのようなWindowsアプリケーションによって作成されたデータの移行がチャレンジのひとつであることを認めているが、「Microsoft Officeの高度な機能を必要としているユーザーがいることは承知している。しかし、高度なマクロを組んでいない、シンプルなデータであれば、OpenOfficeもサポートしている。だから、当初、われわれは比較的限られたアプリケーションしか使わないユーザー層をNovell Linux Desktopのターゲットにしている」と話す。
洗練された管理ツールがLinux配備を加速
新しいNovell ZENworks 7 Suiteは、Linuxサーバ上で動作するZENworksからもWindowsクライアントを管理できるようになったが、先ごろ、ドイツのCeBITで発表された「ZENworks 7 Linux Management」もLinuxクライアントのライフサイクル全体を管理する製品として注目度は高い。もちろん、このZENworks Linux Managementもスイートを構成する製品のひとつだ。
「Linuxが洗練されて企業に配備が広がるに伴い、同様に洗練された管理ツールが求められている。これまでそれが欠けていたため、企業はデスクトップへのLinux配備をためらっていたといえる。最初の日から管理を始めるのが正しいやり方だからだ」(マレイ氏)
これまでにもLinuxデスクトップの管理ツールはあったが、どちらかというとパッチ管理に近いものだった。ZENworks 7 Linux Managementは、Linuxやアプリケーションの導入から始まり、Linuxデスクトップのライフサイクル全体を効率的に管理できる。また、Novellが当社ターゲットにする、例えば、コールセンターの端末のような用途では、ポリシーに基づいて特定の環境に固定し、アプリケーションやデスクトップを変更できないようにすることもできるという。
なお、ZENworks 7 Suiteの出荷は第2四半期の予定。
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