SAPのSOAテクノロジー売り込みにユーザーの反応はさまざま:SAPPHIRE '05 Boston Report(2/2 ページ)
5月中旬、ボストンで開催されたSAPPHIRE '05でSAPは「Enterprise Services Architecture」(ESA)を売り込んだが、ユーザーらはさまざまな反応を見せている。
同社は現在、ERPであるSAP R/3とデータウェアハウスを構築するBW(Business Warehouse)を稼動させている。ピシュラ氏はNetWeaverを導入することで、SAP独自のABAPソースコードを使いやすくしてくれるだろうと話す。ポータルによってユーザーごとに適切なデータを提供するシンプルなユーザーインタフェースをつくることができたりするからだ。
Respironicsはまた、SAP Business Oneも稼動させている。Business Oneは中堅および中小規模の企業の要求を満たすERPでmySAP Business Suiteとは異なるアーキテクチャーだ。ピシュラはBusiness OneがSAPアプリケーションファミリーの一部としてどのように進化していくのか疑問を抱いており、インテグレーションのためにVisual Studio開発ツールを必要とするのではないかと心配している。同社にはそうしたマイクロソフトのスキルセットが不足しているからだ。
バリューベースの価格については、今のところ判断できないが、「前向きに話を聞きたい」とピシュラ氏。同社はmySAP価格スキームを早くから採用し、階層的な価格体系からフラットレートに移行していると指摘する。彼は同社がSAPのソフトウェアに対して「恐らく割高の料金を支払っている」と感じているという。
疑問を呈するユーザーも
一方、カリフォルニア州プレザントヒルのC&H SugarでCIOを務めるゲーリー・ウォルデン氏はNetWeaverに特別な意義を見出さない。この砂糖精製会社はSAP R/3を利用している。
概念的にはなるほどと思えるものの、「今も理解に努めているところだ」とウォルデン氏は話す。
完全なワークフローを構築するということに関して、何かをソフトウェアベンダーらにもたらす潜在力がNetWeaverにはあるが、技術的な問題も多いと話すのは、ボストンのコンサルタント会社、B2B Analystsのアナリスト、デビッド・ドブリン氏。
「パズルのピースをよく確かめながら正しく組み合わせていかなければならない。幾つかのピースだけをばらばらに選んでもうまく稼動させることはできない」(ドブリン氏)
彼はまた、NetWeaverによって、SAPは単にビジネスアプリケーションを販売するのではなく、サービスビジネスへと踏み込むことになると話す。
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