「Cognos 8 BI」をプレビュー、CPMに照準を合わせるCognos(2/2 ページ)
Cognosはフロリダ州オーランドの「Cognos Forum 2005」で次期製品「Cognos 8 Business Intelligence」をスニークプレビュー。ライバルらに先駆け、「CPMのリーダー」へ名乗りを挙げた。
Cognos 8 Business Intelligenceは単にレポートと分析がシームレスに統合されるだけではない。これまでOLAPツールのPowerPlayは、分析ツールと多次元データマート(Cube)が一体として提供されてきたが、Cognos 8ではReportNetを基盤とすることでその両者を分離できる。定評のある分析ツールがさまざまなRDB、Cube、業務アプリケーションをそのままデータソースとして活用できるメリットは大きいだろう。
OLAPには、多次元のキューブを構築するMOLAP(Multidimensional OLAP)やRDBをベースにするROLAP(Relational OLAP)、両者の仕組みを合わせたHOLAP(Hybrid OLAP)という幾つかの形態があるが、Cognos 8 Business IntelligenceはBIが新たな次元に入ったことを意味する。
計画やスコアカードの機能もスイート化
アッシュ氏は、CPMによって企業が業績を高めていくためには、BIのほかに、変化し続けるビジネス環境に対応できる「計画」機能や企業全体が全社の戦略や目標に向かって足並みをそろえるための「スコアカード」機能も必要だと話す。
「私はこの会社でCFOも務めたが、ほぼ毎週といえるほど質の高い計画を立案しなければならなかった。それが成長のカギとなる。また、スコアカードも全社戦略を社員に理解してもらい、足並みをそろえるには重要だ」(アッシュ氏)
CPMはプロダクトではなく、ビジョンだ。一般には「PDCA(plan-do-check-act)サイクル」の方が分かりやすいかもしれない。計画、実行、評価、改善というプロセスを繰り返し、質を高めていく業績管理手法と言っていい。
Cognosは、BIに続き、Enterprise PlanningやMetrics ManagerもCognos 8スイートの一部として統合していく計画だが、アッシュ氏はパートナーの重要性を指摘することも忘れなかった。
「より良い業績を目指す旅の途中にある顧客らにとって、必要なのは単にテクノロジープラットフォームだけではない。ソリューション、実証されたベストプラクティス、そしてパートナーのエコシステムが欠かせない」とアッシュ氏。
この日、Cognosは同社の製品群を利用したソリューションを開発・提供するパートナーを対象にした「Powered By Cognos」イニシアチブを立ち上げた。当初から参画するDeloitteは、Cognosと共同で「Supply Chain Performance Accelerator」と呼ばれるソリューションを提供し、顧客が社外も含めたサプライチェーンのパフォーマンスを最適化できるようにするという。
同プログラムには、Deloitteのほかにも、Accenture、Aviana Global、BearingPoint、JCB Partners、JSC Global Solutions、Redwood Analytics、SSA Global、Vaultus Mobile Technologiesが名を連ねている。
ガートナーによれば、今年、6億5000万ドル規模のCPM市場は、2009年になると9億ドル以上に拡大するという。
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