お客の声をひも解く企業がネット時代を「獲る」:コンタクトセンターが企業の顔になる(4/4 ページ)
インターネットが普及し、消費者が考えるネット購買の商品レンジは日に日に広がっている。この時代に企業が他社への差別化を図る上で最も重要になるのがコンタクトセンターである。
コンタクトセンターは2極化?
さて、最近のコンタクトセンターの状況であるが、普及期、成長期の進化を経て、安定期/変革期の2極化に入っていると推察している。
ITRでは毎年「国内IT投資動向調査」を行っているが、過去の結果をみると、コンタクトセンター分野への投資意欲は、「営業支援」「財務会計」といったほかのアプリケーション分野と比較すると決して大きいとは言えない。すでに普及が進んだことから、今からコンタクトセンターを新たに導入する企業は多いとは言えず、すでに導入した企業も現状を維持するという姿勢である。
コンタクトセンターを運営する企業が、既存システムに100%満足しているわけではないだろう。だが、ある程度の顧客サービスレベルを維持できていると判断し、システムとしては安定期に入っている状況と考えられる。
一方、投資動向調査で特徴的だったのは、コンタクトセンター分野への投資が少しずつだが毎年着実に伸びていることだ。さらに、意欲/実績ともに堅調な伸びを示している点も注目できる。実は、投資動向の調査では、投資意欲は高いものの翌年調査すると投資の実績はそれほど伸びていなかった、という結果が多い。
このような中で、コンタクトセンターにおいて投資意欲に実績が伴っていたということは、この分野に確実に投資を行う企業が一部に存在するということだ。
コンタクトセンターを取り巻く技術環境は、IP化により大きく変わろうとしている。ここで、顧客サービスを重要な企業戦略ととらえ、さらなる改善策を打ち出す企業と、現状を維持する企業との間で、サービスレベルの2極化が進むのではないだろうか。
第2回では、コンタクトセンターにおけるさらなる進化について、考察したい。
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上村陽子
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