企業ごとに格差が広がるコンタクトセンターの現状:コンタクトセンターが企業の顔になる(1/4 ページ)
ネット購買の増加などによりコンタクトセンターの重要性が増す中、ここでも企業ごとに「勝ち組」と「負け組」というように、2局化が進んでいる。
オンラインムック「コンタクトセンターが企業の顔になる」。
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第2回は、国内コンタクトセンターの平均的な姿を確認しながら、コンタクトセンターが直面する課題と今後の方向性について考えてみたい。
国内コンタクトセンターの実態
コンタクトセンターというと、ヘッドフォンを付けた制服の女性オペレーターが数百名並ぶ、テレビコマーシャルで流れるような映像を思い浮かべるかもしれない。しかし、国内のコンタクトセンターの過半数は50席以下という調査結果が、「コンタクトセンター白書2005」(月間コンピュータテレフォニー)で報告されている。
図1に示すように、最も多いのが10〜30席未満、500席以上は全体の5%という状況だ。某大手企業のコンタクトセンターを訪問した際、そこも一般的なオフィスに普通に並べられたデスクのなかの10席程度をコンタクトセンターにしており、制服ではなく普通の服を着たオペレーターの女性が次々に掛かる電話の対応をしていた。
同社では、このような設備を全国の複数拠点に持っているという。効率化を目指して複数のコンタクトセンターを統合化するという事例が最近増えてはいるが、市場全体を見渡すと、中小規模のコンタクトセンターの方が多数派のようだ。
クオリティの維持
コンタクトセンターの規模にかかわらず、運営者に求められているのは、コンタクトセンターのクオリティの維持、向上である。ではクオリティとはどのような指標で測られるのだろうか。
一般的には、放棄呼率(掛かってきた電話にもれなく対応できたか)、応答時間(短時間で顧客の要望に回答できたか)、一次対応完了率(たらい回しにしなかったか)、顧客満足度(実際の利用者がコンタクトセンターの対応に不満を持っていないか)、といった指標が用いられている。
図2は、コンタクトセンター運営者が最も重視している品質基準であるが、何よりも放棄呼率を重視していることは一目瞭然である。これは、利用者への調査で「なかなか電話がつながらない」「電話の待ち時間(呼び出し時間)が長い」という不満の多さためだろう(図3)。
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