昔の商店主に顧客主義を学ぶ:コンタクトセンターが企業の顔になる(2/2 ページ)
昔の商店では店主が顧客の顔、名前、嗜好、家族構成に至るまで覚えていて、商売を繁盛させてきた。コンタクトセンターに求められるのも同じことなのである。
顧客の声を活用する
このように、顧客との間にはさまざまなコミュニケーション形態があり、すべてのチャネルから顧客の声を集める必要がある。そして、例えば、コンタクトセンターと呼ばれるようなワンストップの窓口を作り、こうして集めたすべての声を集約し、それを基点として、顧客への対応、社内へのフィードバックを行う方法である。
こういった考え方から、コンタクトセンターが非常に重要になってきており、かつ注目を浴びているのである。それを整理したものが図2である。コンタクトセンターに顧客情報とやり取りを集約することよって、商品やサービスの品質の向上、一貫した対応を迅速に行うことが可能になり、結果として満足度の向上が期待される。
また、社内的には、顧客の声をナレッジとして知的資産へと変換することで、新規顧客の獲得や維持(いわゆる、生涯顧客価値の最大化)、新規商品やサービスの開発、マーケティング活動へのフィードバック、基幹業務担当者へのフィードバックなどにつなげることができる。今日では、コンタクトセンターの担当者に商品欠品時の追加発注権限を持たせるなど、権限を委譲し、顧客対応を強化している企業も現れてきている。
ここまで、今日の企業活動において、コンタクトセンターの重要性がますます大きくなっていることを指摘した。その構築と運営の良否が、企業の発展に影響しかねない状況にまでなっているのである。
初回は、コンタクトセンターの重要性とその時代背景などをCRMの視点から考察した。概念的な話も多かったが、その重要性を理解していないと形だけの導入になってしまい、全く意味をなさなくなってしまう。
次回以降は、できる限り事例を挙げつつ、具体的な導入、運営のポイントを紹介していきたい。
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