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“場当たり”的なサーバ選びから脱却せよ!――HP Integrityサーバの実力“過去”からの脱却――エンタープライズ・サーバー選択の新常識

日本ヒューレット・パッカードは、現在、3つのサーバ製品群を持つ。このうち、インテル® Itanium® 2プロセッサを搭載した「HP Integrityサーバシリーズ」は、なぜエンタープライズサーバ領域で高い支持を得ているのか? その理由と、同製品の今後について聞く。

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日本ヒューレット・パッカードには、現在、3つのサーバ製品群がある。

 インテル® Xeon® プロセッサなどを搭載したIA-32サーバ「HP ProLiantシリーズ」、かつて買収したタンデム・コンピュータズの流れを汲む「HP NonStopサーバ」。そして、ヒューレット・パッカードがインテルと共同開発した64ビット・アーキテクチャのインテル® Itanium® 2 プロセッサを搭載し、HP-UX、Windows、Linuxの3つのOSに対応したエンタープライズサーバの「HP Integrityサーバシリーズ」の3つである。


HP、Compaqの合併後、両社のプロダクトは3つのサーバ製品群に統合された

 「HP Integrityサーバは、ひとことでいえば新世代の統合基盤を実現するエンタープライズサーバ」――エンタープライズストレージ・サーバ統括本部ビジネスクリティカルサーバ製品本部サーバプロダクトマーケティング部・森成隆部長は、HP Integrityサーバの役割をこう表現する。

 日本ヒューレット・パッカードにおけるHP Integrityサーバの位置づけ、そして、その事業戦略について聞いた。

トップシェアを維持するHP Integrityサーバ

 日本ヒューレット・パッカードでは、Itanium プロセッサ/RISCベースのサーバ市場においては、PA-RISCアーキテクチャのHP 9000サーバから、ItaniumアーキテクチャのHP Integrityサーバへ移行を推進してきていたが、最近はHP Integrityサーバの出荷台数が、HP 9000サーバのそれを逆転している。この2006年第1四半期には、四半期ベースでも50%を突破するのは確実視されており、HP Integrityサーバがエンタープライズサーバ領域において、現在最も高い評価を得ている製品であることがうかがえる。

森 成隆氏
エンタープライズストレージサーバ統括本部 ビジネスクリティカルサーバー製品本部 サーバプロダクトマーケティング部 部長 森 成隆氏

 この状況を森部長は次のように分析する。

 「景気の回復感を背景に、情報化投資意欲が増加するなど市場環境が好転したことに加え、当社が得意とする通信分野や金融分野における大型投資が相次いでいることも追い風となった。さらに、パートナー各社からも弊社の取り組みを評価いただき、これまで当社がカバーできていなかったユーザー層や、新たな利用提案が相次いでいる」と森部長は語る。

 専門誌の調査では、UNIXサーバ分野におけるパートナー満足度1位を獲得するなど、同社の支援策はパートナーからも高く評価されている。これも同社のシェア拡大に大きく貢献したというわけだ。


HP Integrityサーバの製品ラインアップ。2005年12月にはブレードサーバ「HP Integrity BL60p」も発表。スケールアップ型システムだけでなく、スケールアウト型システムでも統合ニーズに応えようとしている

HP Integrityサーバの3つの特徴

 もちろん、HP Integrityサーバそのものが持つ機能や特性に対する評価が高いのは明らかだ。

 「いまや企業情報システムにおいては、統合が重要なキーワードになっている。また、CIOや情報システム部門担当者には、コスト削減のプレッシャーがかかるとともに、短期間に新たなビジネスの創出にも柔軟に対応するという課題が突きつけられており、これらの要求に耐えうる信頼性、柔軟性、俊敏性を兼ね備えた情報システム基盤が求められている。こうした数々の要求に応えられるところに、HP Integrityサーバの価値がある」(森部長)

 では、HP Integrityサーバは、具体的にどのような価値をユーザーに提供するのだろうか。森部長は、その要素として3つのポイントを挙げる。

 1つめは、アジリティ(俊敏性)の向上だ。

 「エントリーとなるブレードから、ハイエンドとなる128ウェイのサーバに至るまで、トップクラスのパフォーマンスを発揮することに加え、UNIX、Windows、Linux のマルチOSが同一の筐体内で稼働することによる統合環境の実現や、各種アプリケーションなど既存の資産も利用可能であることなどが、柔軟で、俊敏性のあるシステム構築を可能にしている」(森部長)

 また、同社が持つ先進的な仮想化技術のほか、Instant Capacity(iCAP)、Temporary iCAP(TiCAP)、Pay Per Use(PPU)などの名称で知られる独自のユーティリティプライシングソリューションの存在も、ビジネスの変化に対し、ITを迅速に変更できるHP Integrityサーバの大きな優位点となっている。


独自のユーティリティプライシングソリューションも3種類用意されている。いかなる状況にも俊敏に対応する同ソリューションは今後いっそう注目されるだろう

 仮想化技術に関しては、HP Virtual Server Environment (VSE)が最大の特徴と言える。エンタープライズ環境で仮想化を実現するために必要な「インテリジェント制御」「パーティショニング」「アベイラビリティ」といった機能を、モジュールとして組み合わせて提供。「高い信頼性の上で、いますぐに提供できる仮想化ソリューションとして実現している点が他社と大きく異なる」と森部長は胸を張る。

 2つめは、投資効果の最大化を実現している点だ。先に触れた既存資産の維持や、多数のアプリケーションへの対応。そして、HP-UX においては製品リリースから最低10年間サポートすることを明示しており、長期にわたる利用にも不安はない。

 HP-UX11iでは、PA-RISCとItaniumアーキテクチャ間で、データ、ソースコード、バイナリの互換性を実現している。また、ハードウェア的にも同一筐体内で既存のPA-RISCシステムからItaniumアーキテクチャへとアップグレードが可能なため、それまでの投資を無駄にすることなく、スムーズな移行を可能にする環境が整っている。

 一方、管理ツールでは、HP-UX、Windows、Linuxの3つのOSを統合管理するツールとして、HP System Insight Manager(SIM)を提供している。加えて、定評のあるHP OpenView管理ソリューションも、HP Integrityサーバならではのインテリジェントな管理環境の実現に寄与している。システム管理の一元化、自動化を可能にする管理ソリューションが充実していることは、運用コストを大幅に低減できることを意味する。

ミッションクリティカルを強力にサポート

 そして、3つめのポイントがミッションクリティカルへの対応だ。

 ミッションクリティカル領域で多くの実績を持つHP-UXおよびPA-RISCサーバで培った技術、サービスを継承。自己管理/診断/修復機能や、冗長化や動的構成の実現。さらにハイアベイラビリティ・ソリューションおよび災害復旧ソリューションの提供などを達成している。

 また、Windows領域においては、マイクロソフトと共同でジョイント・ミッション・クリティカル・サポート・センター(JMCSC)を設置しているほか、Microsoft SQL Server2005に関しては、マイクロソフトと開発の初期段階から緊密に連携することで、エンタープライズWindows領域に関しても技術支援や導入支援、運用支援を行える体制を構築。一方、Linuxについては、レッドハット社内に専任のテクニカルアカウントマネージャを配置するほか、Oracle10g環境におけるLinux/Itaniumアーキテクチャ環境でのサポートを実現するなど、拡大するエンタープライズLinuxの需要にも対応できる体制を整えている。ユーザーやパートナー企業が、Linuxシステムを容易に導入するための必要な技術情報を提供するHP Linux Reference Architecture(LRA)もエンタープライズLinuxを実現する上で欠かせないサポートの一つだ。

 「UNIXサーバとしては最大規模となるHP Superdomeによって、3つのOS環境すべてにおいて、ミッションクリティカルシステムとして利用できるだけの高い信頼性が提供できる。メインフレームとオープンシステムのいいところ取りともいえる信頼性、柔軟性、性能、管理環境が実現できた」と森部長は語る。

 こうしたHP Integrityサーバの特徴が、同製品の高いシェアを維持しているのだ。

2006年も進化するHP Integrityサーバ

 2006年も、HP Integrityサーバは大きな進化を図ることになる。

 その大きな進化の一つは、仮想化技術だ。2005年11月、同社は、HP Integrity Virtual Machines (Integrity VM)を発表した。1個のプロセッサを、最大20の仮想OS環境に分割して利用できるサブCPUパーティショニングおよび共有I/Oを実現し、システムの負荷に応じて柔軟な構成変更を可能にするものだ。現時点では、HP-UXへの対応だけだが、これが今年下期にはWindowsおよびLinuxにも対応を広げることになる。これにより、3つのOS環境でより柔軟なシステム構築と、信頼性、可用性を実現することになる。

 2つめは、インテルが投入する新たなプロセッサへの対応だ。ひとことでいえば、デュアルコアへの対応といえる。

 インテルでは、2006年のロードマップにおいて、Itanium 2 プロセッサでは初となるデュアルコアプロセッサ「Montecito(開発コードネーム)」の出荷を予定しており、ヒューレット・パッカードは、HP Integrityサーバにおいて、これを搭載した製品をいち早く投入することになるだろう。

 「デュアルコアによって、HP Integrityサーバのパフォーマンスキャパシティが増大するとともに、信頼性の向上、低消費電力化の促進が図れることになる。新たなプロセッサがHP Integrityサーバに与える影響は少なくない」

 そして、3つめが新たなチップセットの投入だ。sx2000と呼ばれるこのチップセットは、ヒューレット・パッカードが開発しているItanium 2 プロセッサ向けのもの。Montecito以降のプロセッサにも対応し、デュアルコア環境でも高い性能と信頼性を発揮することになる。このようにさまざまな角度から、ミッションクリティカルへの対応を前提とした強化が図られることになるのだ。

 「こうした進化によって、HP Integrityサーバは、当社が提唱するアダプティブ・エンタープライズの実現に、より最適化したサーバへと進化することになる」と森部長は説明する。

 だが、森部長はこうも語る。

 「UNIXサーバ市場の成長率は鈍化傾向にあるといわれる。その中でシェアを拡大していくのではなく、UNIX市場そのものを成長させることができるサーバ製品および関連技術、サービスを投入していくことが必要。UNIXをはじめとする3つのOSの採用、それを生かす仮想化技術をはじめとする各種技術の進化によって、HP IntegrityサーバはUNIX市場そのものを拡大する製品へと位置づけられることを目指したい」

 市場のリーダーと自認するヒューレット・パッカード。HP Integrityサーバによる新たな挑戦が始まったといえそうだ。

*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***


提供:インテル株式会社、日本ヒューレット・パッカード株式会社
制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2006年6月30日

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