数秒で感情を光に変える――NECの「言花」を試してみた:CeBIT 2006
感情を光に変換する端末「言花」。これまでになかった新しいコミュニケーションツールがNECブースに展示されていた。
「言花」(KOTOHANA)はNECとNECデザイン、日本SGIが共同開発した「感情を光で表現する」デバイスだ(3月3日の記事参照)。フィーリング・コミュニケーターという名称が示すように、言花は話した言葉の感情を相手に色として伝えることができる。今回「CeBIT 2006」会場で展示されていたコンセプトモデルはマイク入力対応となっており、マイクに向かって話した言葉に対してその感情を判断、花形をしたLEDユニットが4色に変化するようになっていた。
言花が判断できる感情は4種類。「興奮/excitement」「喜び/joy」「悲しみ/sadness」「平常/calm」を光で表現できる。それぞれの感情に対する光の色は興奮=赤、喜び=黄色、悲しみ=青、平常=緑。また感情の変化や強弱に応じて、LEDの光の度合いも変わるようになっている。なお音声入力がないとき(silence)はLEDは無色=白色点灯となる。
ブースではスタッフによる実演が行われていた。マイクに向かって話しかけると、音声/感情認識ユニットのディスプレイ部分に「分析開始」と表示された後、数秒で言花の花のユニットのLEDの色が変化、認識ユニットのディスプレイにもそれに対応する感情が表示される。たとえば「楽しい」とマイクに向かって話しても、明るい声ならば言花は赤や黄色に変化するし、暗い声で話せば青に変化するわけだ。
言花の感情認識エンジンは、日本SGIと同社関連企業アイ・ジー・アイが共同開発した感情認識エンジン「ST」を応用したもの。STは数百パターンもの人間の声と、それに対応する感情をサンプリングしており、マイク入力された声に対して最も近いパターンの感情を出力できる。その出力パターンをLEDの発色に対応させた。
NEC宣伝部デザイングループによると言花の音声/感情認識率は現在6〜7割程度とのこと。しかし「この認識率は実際の人間の認識率に近いもの」という。
言花の技術は応用として携帯端末への組み込みなどが想定されるが、ゲーム機器に組み込むことで感情をゲームコントロールに利用したり、ビジネス用途として本人認証の補佐などに利用するなど、応用できるアイデアは豊富にある三國マネージャーは話す。また言花本来のコンセプトである「言葉を聞くだけで人とのコミュニケーションを潤滑にする」デバイスとして、インテリア雑貨やアクセサリのような身の回りに自然に置けるようなアイテムとしての登場も期待されるだろう。
関連記事
- 「言花」──気持ちを伝える光の花
人の気持ちを光で伝える電子ガジェット「言花」(ことはな)をNECが開発。話し声から感情を検知し、「悲しみ」なら青、「興奮」なら赤といった具合に発光する。 - OrigamiはやはりUltra-Mobile PCだった
「Ultra-Mobile PCを紹介します」――Origamiプロジェクトのサイトには、こんなメッセージが表示された。 - ついに発見!? はたしてこれがあの「Origami」か
2週間ほど前から噂や憶測が絶えない「Origami」。3月9日に開幕する「CeBIT 2006」で発表と言われているが、前日の3月8日、小雪舞うCeBIT会場を歩き回った末、とうとう見つけた! ……かもしれない。 - 特集:CeBIT 2006
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.